T. RIKU

教育は人を変えうるからこそ、教育とは何かを自省的に問い続けたい。教育を学ぶ大学院生です。

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教育は人を変えうるからこそ、教育とは何かを自省的に問い続けたい。教育を学ぶ大学院生です。

最近の記事

教師の隘路へ ― 自己研鑽と自己否定のループ

私のしようとしていることは「教育」と呼べるか小・中・高,そして大学,大学院。今まで学校教育を受ける中で色々な経験をしてきた。それを通して「私」は少しずつ変わってきている。過去を振り返ってみると,現在の「私」の方が,全体としてみれば昔の自分よりも「良い」ような気がする。 そういう実感を得たせいなのか。教育とは社会的に望ましいものだと,無条件に思いたくなる節がある。ただ,アルバイト先の塾で中学生に勉強を教えているとき,「こういう風に育ってほしい」という(エゴに近い)思いが入り込

    • 目標を「効果的」に達成する学び方

      今日は,少しだけ(?)私の研究分野である「自己調整学習」を紹介します。 自己調整学習を初めて学ぶ方に読んでいただくことを想定して,なるべく平易に表現しています。 記事の前半はこんな感じの内容です。 自己調整学習は,個人の学習プロセスを自ら最適化し,「効果的な学習」を行っていくこと.自分の思考過程や学習方法だけでなく,学びに向かおうとする意思や集中力をもコントロールできる.これは確かに素晴らしいことだが… 後半は,「効果的な学習」の点について,私的な考察をします。 自

      • 冷めない熱-私が研究に向いていない所以

        こんにちは。 教育学部で学んでいる大学生です。 今日は、恥を忍んで私の失敗談をしたいと思います。 今年の夏、私は某大学院を受験してきました。 その大学院のとある先生の「ファン」だった私は、2回生の時からその先生がいる研究室に進学することを目指してきました。それだけ本気で臨んだ今夏の大学院入試だったという訳です。 ...が、結論から申し上げますと、私はあえなく不合格となりました。 何年も目指してきたのに、なぜダメだったのか? 大学院入試とは?受験した大学院では、一次試験(

        • 建設的な議論のマインドセット

          SNSでの誹謗中傷が社会問題化している昨今。 何かしらの「議論」から端を発して、それがいつの間にか「誹謗中傷」へとエスカレートしているのではないかと。 今回は、私が建設的な議論を行うために大切だと感じることをご紹介します。 この記事の内容を参考にするかどうかはお任せします。 読者のみなさまにとって有益な情報だけを取捨選択して、役立てていただければと思います。 批判を受け止めるマインド先日、あるツイートを見かけました。割と強めの学校不要論で、非常に考えさせられます。

        教師の隘路へ ― 自己研鑽と自己否定のループ

          【当時】研究コンセプト紹介「好きこそものの上手なれ」なカリキュラム設計

          ↑最近衝動買い(5,000円)しました。 久々の投稿です。コロナの影響で時間がたっぷりあるので、頭の中を整理しておきたいと思います。 ここ数週間、研究から少し距離を置いて教育を色々な角度から眺める機会があり、インプット過多になっていました。今回は僕の研究のコンセプトと、どう研究を進めていく予定なのかを紹介したいと思います。 このnoteを読んでもらっている方に僕自身の研究テーマを知ってもらうことで、日本の学校教育を考えるきっかけの一つとなれば嬉しいです。 学校教育を変

          【当時】研究コンセプト紹介「好きこそものの上手なれ」なカリキュラム設計

          教育目標を立てる前に考えたい2つのこと

          大人が子どもに目標を与えるということは、 大人が子どもを捉える視野を狭め、 子どもの価値観・世界観を狭めることにならないか - ここでは、教育活動の核となる「教育目標」を立てる上で注意すべきことについて、少し考えを深めてみようと思います。 教育目標がなかったら、まとまりのない授業になってしまいます。 なにせ、子どもたちに必要な知識や能力が身に付いたかを確認する必要がありませんから。ただ授業をやって終わりになってしまうかもしれませんよね。 教育目標は言うまでもなく大事な

          教育目標を立てる前に考えたい2つのこと

          なぜフィンランド教育は「成功」している?

          教育の理想郷のように語られるフィンランド。 先に断っておきたいのですが、フィンランドの教育が何一つ欠陥のない夢のようなモデルではないと思います。フィンランド教育が「成功」しているというのはあくまで表面的な見方です。 しかし、実際にフィンランドの学校を見学してきて感じたのは、やはりその教育は非常に進んでいるなということ。 なぜ、フィンランドの教育は世界から注目されているのか? フィンランドの学校を見てきて感じたことがあまりに多いので、それらをすこしずつ整理していきたいと

          なぜフィンランド教育は「成功」している?

          フィンランドのダイナミックな学び

          こんにちは。 つい先日、フィンランドの学校現場を何校か訪問し、見学させていただきました。今回はひとまずそこから学んできたことの一部をお伝えするとともに、日本の教育を考えていきたいと思います。 遊びと学びの一体化教育学で遊びと聞くと思い浮かぶのはデューイ。 古典的な考え方のようにも思いますが、現代の日本の学校教育で育ってきた私の眼には、学びと遊びが一体化した光景は何とも新鮮に感じられてしまいます。 フィンランド中南部のイーサルミという街にある、Kauppis Heikk

          フィンランドのダイナミックな学び

          たやすく「理解」と言ってしまう危険

          物事を学ぶとき、私たちは「理解」を大事にします。 「理解を深めよう」「理解度を確認しよう」 しかし、そもそも「理解」とはどういうことなのでしょうか? 「理解」ほど曖昧な日本語はない。日本人は「理解する」という言葉をよく用います。 学校教育においても「理解する」という言葉は何か望ましいイメージとともに多用される印象が強いです。 しかし、日本語の「理解する」という言葉は曖昧すぎる。 テストが100点の子は、それらの問題を全部「理解」しているのか? 日本国憲法の条文を

          たやすく「理解」と言ってしまう危険

          意識して「深い学び」はできない?

          今日は学びの主体性を引き出すということと関連して、「教えない」というやり方について考えてみました。 主導権を渡す「学んでもらうために、教えない。」 どういうことか? 例えば、こんなことではないでしょうか。 これはいわゆる焦らしプレイというやつでしょうね(?) 「人を出し抜きたい!」というモチベーションを掻き立てることが本当に良いかどうかは別として、実際は勉強のモチベーションにこういったものがあるのは事実だと思います。 ここでは「学習の主導権」という言葉が使われ

          意識して「深い学び」はできない?

          真に主体性は尊重できない? ~子どもの主体性の難題〜

          こんにちは。 今日は一刻も早く自分の葛藤を文章化したいと思い、書きました。 「子どもの学びへの主体性を育むカリキュラム設計がしたい」 前回は自身の研究テーマについて語ってみました。 ですが、僕が批判した「子どもに押し付ける教育」について、今一度冷静になって考えてみたいと思います。 子どもの主体性を引き出すことを理想として考えていますが、それによる弊害があることにもじっくりと向き合ってみましょう。 子どもの主体性を否定するリスク本題に入る前に、まずは子どもの主体性を

          真に主体性は尊重できない? ~子どもの主体性の難題〜

          研究関心「子どもの学びへの主体性を育むカリキュラム設計」

          こんにちは。 まずは自分の研究関心についてご紹介して、僕が教育に対してどういう考えを持っているのか知ってもらおうと思います! 僕は現在、大学3年です。 「子どもの学びへの主体性を育むカリキュラム設計」 というテーマで研究していきたいと考えています。 —なぜ、主体性を育むのか?まずは僕なりの人生哲学と教育哲学を語ることから始めることになります。 僕の人生観は、一度きりの人生なのだから、その人にとって後悔することがなく、豊かで実りある人生を送ってほしい、というものです

          研究関心「子どもの学びへの主体性を育むカリキュラム設計」

          教育をとことん考えたい。

          はじめまして。 僕は教育学を学んでいる大学生です。 中学生の時から教師になりたいと考えていますが、あえて教員養成メインではない大学に進んで学んでいます。 理論と実践の両方に興味があります。 専攻は教育方法学ですが、研究の関係で教育心理学も関心が高いです。 この度、教育という領域に熱い思いを持った仲間たちと知り合う機会に恵まれ、この ”note” を通して色々発信したり、意見交換してみたい気持ちを掻き立てられました。 僕は取り立てて興味深い経験をしてきたとか、際立っ

          教育をとことん考えたい。