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【第5回:学生起業と支援(特別ゲスト株式会社MIYACO仲田さん】Lunch Time DJ!「起業×子育て×クラウド」 (2021.3.23配信)

税理士、中小企業診断士、社労士でお送りする情報ラジオLunch Time DJがスタートしました!以前よりクラウド環境下でのオンライン対応を中心としてきた3人で、「起業×子育て×クラウド」をテーマに、今話題になっていることや事例をゆるっとトークしちゃいます。



第5回学生起業と支援

田中「起業×子育て×クラウドをテーマにトークしてきましたが、起業の中でも大学生や高校生で起業する流れが出ていて、家族の扶養に入りながらの起業や税金問題などフォローできていない部分について、士業専門家でお話できたらと思います」

ということで、第5回は学生起業支援を行っている株式会社MIYACOの仲田さんをゲストにお呼びしました。

株式会社MIYACO 人材・教育事業/地方創生事業 仲田 匡志 Masashi Nakada  高いコミュニケーション力を活かして、組織のバランスを考えたり、全体のファシリテーションを行う強力なサポート役。司会・企画・実務を全てこなせるオールラウンドプレイヤー

1万文字に及ぶ、かなり内容の濃い回ですので
「何かしたい」と考えている学生さん必見です!!


学生起業で起きる問題

田中「相談を受けた中で、法人を作った方もいるんですけど、役員報酬をもらってしまうと、社会保険の扶養から外れてしまうんですよね」

飯塚「法人だと社会保険は強制適用なので、役員報酬をもらってしまうと健康保険と厚生年金に加入することになり、思っていたより負担が増えたりします」

金子「個人事業だとプールしておけないので、どんと稼いでしまったときに親の扶養から外れるのは避けようがない。法人の場合だと社会保険の問題はありますけど、役員報酬を一定額に抑えておけば、親の所得税の扶養にはなれる。大学生でも未成年だと会社設立に際しては自分だけじゃできない。親の理解も必要になってきますね」

田中「形式上は親が代表取締役になって、自分が取締役という形で大学生の時に起業した人もいました」

金子「個人事業の場合は、未成年の方だと特に契約主体になれないじゃないですか。取引先との契約書をどうするのか。未成年だと親権者の同意が必要で、親権者の同意とらずに契約しても後で取り消し権があるんですよね」

飯塚「契約結ぶ方もそこを知っておかないとリスクがありますね」

金子「一方で未成年が代表者になって法人化をすれば、法人には未成年という概念はない。そこで法人にするか個人事業にするかは分かれ道ですね」

田中「そう考えると、最初から法人作ったほうが良いこともありますね」

金子「お金の面といっても税金、社会保険、契約の面で民法とか、それぞれの分野で考えなきゃいけない、大人がビジネスをするのとはまた違う問題が出てきますよね」


ゲストの仲田さん登場

仲田「こんにちは仲田です。よろしくお願いします。(京都で)主に10代の中高生の子たちの”何か始めてみたい”っていう挑戦を応援する事業をやっています。起業したり、イベントを行うことでお金を動かしたりするときの大人の知恵と経験と人脈を全部注ごう、っていう活動をしています」

田中「今日のテーマにぴったりですね」

仲田「色々な相談を受けるのですが、10代自身も親御さんも、法律的に不安な面をお持ちだったりするので、僕自身も正しい知識をつけたいなという気持ちで今日は参りました」


学生起業で多い質問

仲田「まず、会社作れるんですか?って質問が大きくありますね。印鑑証明が作れるかどうか、税金関係のお話、実際に会社を設立したときと個人事業主でどういう違いがあるのか。扶養控除という言葉すら知らない子がほとんどなので、何から調べたらいいのかわからないのが率直なところです」

金子「僕自身も学生のとき起業とか考えてなかったですけど、とりあえず親からは103万円以上はバイトするなってことだけは言われてた気がします」

中田「10代はアルバイトしてない子も多かったりするので、税の考え方とかお金の考え方がピンとこない子も多く、その中で何から伝えたらいいか体系立ててないんじゃないかなとか」


学生起業のきっかけや動機は?

仲田「僕たちのところに来る10代の子で言いますと、”起業したい”が目的になっている子は、必ず、目的を探す旅に一緒に出るようにしています。要はクラウドファンディングでお金を集めたり”起業する事”が目的になっていないか?を正すのですが、結果的に原体験が目的になる子がほとんどです。例えば、今年の春に起業したいという高校3年生の子は、アプリケーションを通じて家族の幸せを作れるような事業をしたいそうなんです。原体験は自分の家庭の理想だったり、寂しい思いをしたから同じ思いをする家庭がなくなってほしいとか。そういう自分の経験から基づく起業を僕たちのほうでは心掛けているので、そういう子は多いですね」

金子「自分自身の中で何か課題というか原体験があって、それを自分の起業という形で解決をしていこうということですか?」

仲田「そうです。起業が目的ではなく、起業が手段になるようなやり方ですね。続かないなっていうのを何人も見てきてるので」

金子「僕が大学生だったのは10年以上前ですが、大体の人が就職していて。学生で起業した方は、実際4年生で卒業した後にどういう選択をされるんですか? 会社を続けていくのか、ある程度のところで区切りをつけてどこかに就職するのか、どんな方がいらっしゃるんですか?……」

仲田「10代・大学在学中の子がほとんどなんですけど、基本的にはその事業をどうするか、二つ考えてねと伝えてます。一つは大学を卒業すると同時に就職をして自分で閉じる方法と、もう一つは卒業しても続けていく。この二つの方法で話していて、閉じて一度組織に入って色々ビジネスを見たいという意見が多い印象はあります。先ほどのアプリケーション通じて…って子は、続けていく予定です。その子のライフスタイルとキャリア設定をどうするかによって変えることが多いと思ってます。自分がどのくらいできるかと、原体験を基にしたときに、もう少し勉強して力をつけたい場合は、組織に入って学びたい子が多い印象です。逆に自分はこれだと決めている子は、起業して続けていくことにウェイトを置いてることが多いです」

田中「いいですね、閉めるってことが明確に見えていて。そこまで走り続ける選択肢もありますもんね」

仲田「はい。バイアウトして儲けたいみたいな子がいるとヒヤヒヤするので。今のところそういう子は出てないですけど」

金子「場合によってはその事業を売却するところまで持っていける人もいるかもしれないですね」

仲田「そういう方も出てきてもいいと思ってます」

金子「アプリ開発で起業というのが私の学生時代では考えられなかった」

仲田「在庫を持たなくても起業ができるというのがZ世代特有で、お金が動く手前である程度のことができてしまう子たちが多いというのは感じますね」

金子「そういう意味でお金のハードルは下がってるのかもしれないですね」


クラウドファンディングと気になる税金の関係

仲田「あとクラウドファンディングという言葉をよく聞くようになってきているので、クラウドファンディングのお金は一体税金とかどうなるのか、という話は出てきましたね」

金子「これは複雑なんです。通常は売買型でリターンを用意してやると思うので、返礼品のリターンの物の価値が一定額以上のものであれば、もちろん応援部分が上乗せされてるとは思うんですけど、商品売買ですよねって考え方になります。サンクスレターだけとかだと寄付扱い」

仲田「そういう既存の枠組みでどう当てはめていくかという解釈が重要なところなんですね」

金子「そうですね。色々なお金の動き自体が多様化しているじゃないですか。それを既存の税金の法律に当てはめた時にどう解釈すべきか、専門家としても悩ましいです」

田中「LINEスタンプの販売収入とかもどうするのか議論になったりします」

金子「マネタイズの仕方は一昔前に比べたら考えられないくらいいっぱいある」

仲田「解釈の仕方がどうとらえられるかは専門家の知識、観点がなけれ10代には厳しそうですね」

金子「クラウドファンディングにしても、税金のことも当然知ってなきゃいけないですし、その仕組みも理解してないと当てはめようがない」

田中「クラウドファンディングをきちんと理解してないと専門家としてもわからないですもんね。誤解して違った当てはめ方をしてしまうとか怖いですよね」

仲田「ちなみに、その判断は最終的に誰がするのか、というのを10代に聞かれて困った記憶があります」

金子「税金がかかるか?かからないか?、という判断ですよね。例えば確定申告をする時には、一応一義的にはその本人なんですよ。本人がこういう理解でこういう当てはめをしたので申告をしますというのが大前提であって、そこをサポートするのが税理士。税理士は税金に関しては代理人になれるので、代わりに判断をして、それに基づいて申告をします。それが正しいかどうかは税務署の見解もあるので、もしそこで税務署側の見解とずれた場合、純粋な寄付として理解して申告しているにも関わらず、税務署側が商品売買だと言ってくることもある。まだ事例の蓄積が少ないのでクラウドファンディングは今後揉める案件が出てくるかもしれない。だから誰が決めるのかというと、申告する段階では税理士とその本人が相談して決めますが、最終的には税務署だったり、場合によっては裁判所の判断で決まる

仲田「よかったです。聞けてホッとしました」

金子「申告したからそこで終わりとは限らない」


学生起業と社会保険関係は?

金子「相談を受ける中で社会保険関係のこととか出ますか?」

仲田「社会保険が出るようなところまで大きく動いていないですね。10代と話すときも、社会保険の扶養の枠組みの中でやるという形が一つのボーダーになっている気がしています。ただ、いつかその枠を超える時が来ると思っているので、支援する大人の立場としては、そこに対する覚悟や責任だったり、親御さんのほうで負担していただいていたものを自分たちで負担するために、一緒に見えるような形にするというのをしています。僕のところでは今のところ実例がまだないんですが」

金子「ある程度は扶養の範囲内でやってる方がほとんどなんですね」

仲田「あとこれは実際にはまだやっていないんですが、私の所属している株式会社MIYACOとしてその事業をする。その事業を私たちがする形とか、逆に融資を受けるという形もできるかなと思ったんですけど、結局10代の扶養という問題が出てくるので、これも難しいかなとか考えていた時期もありました」


学生起業の資金問題

金子「資金調達の面で、未成年の個人事業だったり法人化したときのハードルは高いですよね」

仲田「そこに対する信頼を得るためにパワーを使うより、事業のためにパワーを使ってほしいというのが支援する側としてはあるので、それを肩代わりできる人が責任を持ってあげたらいいのかなぁなんて思いながらです」

金子「難しいですよね。VCであればIPOしてもらわなければどうしようもないってなっちゃうでしょうし、そういった大きな資金調達はできないし、リスクも高い中で、通常の個人事業のように金融公庫とかから開業資金で100~200万レベルの借り入れがなかなかしにくい。課題ではありますよね」

仲田「そうですね。10代が大人と比べて持ってないものが知識と経験。それをどうやって増やしていけるか。その中で難しいものが信用をどう得るか。実績がまだない分ハードルがあります」

金子「実例として卒業時に事業を閉じるとなると、大学でも4年とかじゃないですか。そこに対して貸せるか?ってとこもありますよね」

仲田「おっしゃる通りです。そこに持続可能性だったり、既存の株式会社の概念ではちょっと難しいと思うこともあって、どちらかというとプロジェクト型で進めていく方がいいのか、とかはよく話すテーマです」

金子「VC向けにアピールをする場はあったりしますけど、独立した会社で出資を募るのではなく、アイデアとかモチベーションが十分なところを、仲田さんの会社とかに一事業部として取り入れちゃう。そういったやり方であれば資金的なハードルは乗り越えられるかもしれないと思いながらも、起業家としてフロントに立つという意味ではあまりよくないのかもと思いながら……」

田中「新規事業開発をする責任者みたいな感じですよね。そういう選択肢もあるのはすごくいいなぁと。幅広がりますよね」

仲田「そういった話も出ています。他の学生起業家支援をされてる方のお話なんですけども、ある高校生が大学生に代わるタイミングで、プレゼンをしたときに、非常に共感を得られた事業がありまして、気づけばあれよあれよと色々なVCの方からの投資の話が出てきて、3000万くらいの結構な金額が集まって後は契約書のハンコを押すというところまできたんです。ところが、やりたいと思っていた当時の彼が、もう気持ち的に背負えなくなってしまって、本当に自分がやりたいのはこれだったのだろうかとなってしまったそうなんですね。というのも資金調達をしないといけないところから、"事業をすること"よりも、"VCにどう受けがいい事業か"に代わってきたような違和感を持ったみたいで。その彼は最終的に皆さんに頭を下げて、この事業をもう少し小さくやっていく、ちょっと休憩をさせてくださいという形で止まったと聞きました。どこまで10代や若い世代が責任をもって進めていけるかという問題が、経験を積んだ社会人がする起業と全然違うものなんだとその話から感じました。なので大きな責任を持つ器は別に持っておいて、もう少し彼らの今のステップに合わせた責任にサイズを調整してあげることができるとブレずにできるんじゃないかと。弊社であったり支援するところがお財布を持っておくというのはアイディアとして一つあります」

金子「VCや起業家コンテスト的なところだと、採択されなければ、という思考にもなってしまうと思うので、そこで自分の本来の原体験→ウケがいいものに向かっていってしまうのはわかる気がします」

仲田「上の方の話を素直に受け止めやすい時期でもあるので、そこのバランスをいつも気を付けています。成長とともに重なってくるんだなと思います」

田中「私は名古屋にある東海若手起業塾という起業支援の事業にも関わっています。そこは出資やプロジェクトのためにお金を出すというのがゴールではなくて、その方の原体験、なぜやってるのか、この事業をやることで誰が助かるのか、というところを徹底的に考えることがコンセプトのちょっと毛色の変わった起業で、そういう役割って必要なんだろうなと思いました」

仲田「大人が10代や中高生大学生に向けて考えているということを知ると、「こんなに考えてくれる大人がいるんですね」ってみんな言うんです。それが驚きとともにちょっとショックだったりもするんですけど、応援してくれる大人が周りにいないんだ!っていう。なので今日のような話が表にどんどん出ていくと、安心して取り組める若い子が増えるんじゃないかと思います」

金子「普通に学校行ってたらこういう話ってなかなかできないですもんね


起業支援にたどり着く経路は?

田中「仲田さんのところに来る学生さんはどういう経路が多いですか?」

仲田「4月からはオープンに開けていくのですが、3月まではかなりクローズドでやってまして、全部親御さんや来ている10代の口コミで来てます。募集をかけたことはなく、何かやりたいと思って悩んでいる人がいれば招待してねって話をしたら、色々な子が集まってきました。下は小学6年生で、動物が好きで動物の記事をnoteで書いてる女の子から上は19歳で、起業を目前に控えている高校生もいれば、音楽フェスイベントをやりたい高校生や、もう卒業しましたがアパレルブランドを実際に立ち上げた大学2年生もいます。そういう何かしたいけどどうしようって子たちが来てくれています」

金子「何か思ってたらちょっと相談してみようっていう場所ですかね」

仲田「そうです。その相談を私たちが受けて、私たちにできるのが、その子がなぜしたいと思ったのか自分の言葉にできるようにしたり今日の皆さんのようなプロフェッショナルな方々と繋げて、本当に必要な時に必要な人と出会えるサポートをしています」

田中「素晴らしいですね」

仲田「まだ手探りでみんなと実験しながらやっているところです。すごく希望だなと思うのが、先ほどの音楽フェスをしたいと言っていた女の子が、10代による10代のための表現イベントとして音楽フェスをしたいと言っていて、10代のアーティストを集めてたんですね。ところが昨年末にちょうど新型コロナの感染のリバウンドが強くなってきていて、泣く泣くイベントを延期することになりまして。ですが延期で終わるのではなく、僕たちでできることはないかと考えて、歌をみんなで収録してYouTubeにあげて届けようと自分たちですべてレコーディングから映像の編集までやりました。知識と経験が自分たちと比べた時に足りないというだけで、色々なポテンシャルを持ってるんだなとすごく思いました。これを大人がどう支援していくのか、足りないと思うものをどう伝えてあげるのか、という仕組みが整ったらどんどん行けるのでは、と改めて感じましたね」

金子「若さゆえの突破力みたいな強さがありますよね」

仲田「同時にヒヤヒヤすることもあります」

田中「スピード感がすごいなとみていて思います」


学生と専門家の関係性づくりは進んでいるのか?

仲田「そんなに数が多くないのもあり、個別でお知り合いの方にご紹介をして、フォローをしています。本当は相談したいけどまだ声に出せていない方がいるんじゃないか、というのはすごく感じます。あと、親御さんの相談で、うちの子が起業したいとか、お金を集めようとしているんですけどこれって大丈夫ですか、とか親御さんも同じようにお話を聞くことが多いです。安心して家族に応援してもらえるというのは結構大事だなと思います。10代と親御さんが一緒に法的な知識を学べるのはセットかなと思いますね

金子「親の理解はどうしても必要ですよね」

仲田「こどもたちがいる環境は学校と家がほとんどなので、その環境で安全でないと挑戦が実はできない。経済的に自立しているかどうかというのは大きい。誰かに依存しないといけない、家にいないとご飯を食べていけないというのは無意識化にあるので、家族に応援してもらえないということは、いくらやりたいことでも生きていけないに繋がっちゃう。なので、親御さんに伝えるプレゼン練習をすることもあります。僕たちがしてることは、10代がやりたいことができる社会を目指す。10代ができるってことは誰でもできるようになってくるというのが大前提にあるんですけど、10代の通るべき関門として家族の理解を得るというのは、投資家へ行うより一番手前にあるプレゼンだなと。その時にお金のことは?ってよく出るのですが、そこで事業の計画とかお金を集めてくる話までいける子もいれば、そこでハッとなってお金について調べ始める子もいます。冒頭にあったように法律で決まってることが多いと初めてそこでわかる子が多い」

金子「学校で習うことがないですもんね」

仲田「習うこともないですし、お金をもらったりお金を渡して何かをしてもらう経験が消費以外にない。見えなくて怖いものであったり、お金を稼ぐことに抵抗があるような感じも世代的ににおいを感じることもあります」


お金を稼ぐことへの抵抗感

金子「十代とかでも抵抗感がある人っているんですね」

仲田「お金を稼ぐことに関してわからないから、稼ぎすぎるのはどうなんだろうとか、出資だったり、ある子はイベント参加費500円でも(稼ぐことに)抵抗があったりします。お金の価値が見えなかったりすると、その価値に見合ったサービスを提供できているんだろうかとか、いつもの友達からお金をもらうドキドキ感があったりとか、お金を集める・もらうことが初めてで信頼関係が崩れることへの心配であったり、法律違反ではないか、とか。それを突っぱねていける能天気さんとかいたりするんですけどね」

田中「その話は起業したてのフリーランスさんとかも同じようなかんじだったりしますよね」

金子「僕も学生の頃アルバイトとしてお給料をもらったことはありますけど、誰かに物を売ったりした経験はゼロなので、独立するにあたって、そのあとの値付けというか、知ってる人に連絡をする抵抗感とかはわかります」

仲田「特にコミュニティーも少ないので、学校の中での居場所がなくならないかとか、そういう10代特有のものもあります。その中でも自分たちのことを後押ししてくれる大人の存在があると全然違うことに彼らが驚いている、ところですかね」


10代に向けてのアウトプットを考える

田中「明日クローズドなところで意見交換するんですけど、せっかくいいお話を聞けたので、一つアウトプット出来たらと思っていて、10代が家族の理解を得るための法律知識をプレゼン資料のネタのようなものが出せるといいなと思っていて」

金子「親としてもよくわからないから反対している方もいるでしょうし」

飯塚「わからないから調べようがないですもんね」

仲田「おっしゃる通りで学校の先生もわからないから危ないのではと主観的な意見でおっしゃる方が多い。10代で起業するときにはこういった法律の観点を押さえておきましょうとか、Q&Aがあるだけで、私自身も気持ちが楽になります。いつも丁寧に説明すると2~3時間かかるので」

金子「自分の原体験があって起業する方はそんなに心配ないでしょうけど、僕が大学生の時に、マルチにはまって友達をなくした人がいました。起業したりお金を集めるフェーズで声をかけるところを間違えると本当に変なところに引っ張り込まれる可能性はゼロじゃないですよね。判断が難しいと思うので」

仲田「そういう意味でもこうした色々な企業や団体、先生方がいらっしゃるとわかるだけでも、親御さんとしても応援がしやすいと思うんです。4月にプレスリリースを出すんですけども、京都の会社さんでコンソーシアムを組んで、教育委員会さんとも一緒にそうした教育をしていきましょうと呼びかけをします。人と資金を集めて、うまく彼らが活動するための資金を作れないかと考えていて、何かあった時に、10代の子だけでなく、みんなでリスクを取れるといいなぁと思ってます。その時に仕組みとしてガイドラインやたたき台がベースとしてあるだけで全然違ってくるんだろうなというイメージがわきました」

金子「確かにそういうのがあると親がよくわからないから反対するところも守られるというか、きちんと相談できる環境があるだけで、とらえ方は変わってきそうです」

田中「京都の面白い動きは、僕は京都にいるからわかるんですけど、地方にいて起業の選択肢を模索している人はそういう居場所に出会えるのか?と思っていて。オンラインでも見つけやすいような発信の仕方もできるといいなと話を聞いていて思いました」

仲田「昨年、本田圭佑選手がアンバサダーを務めるLittle Youというイベントがありまして、出場者10人の学生さんに活動資金の10万円をお渡しして2か月間自分の夢に向かってチャレンジするという企画なんですけど、全国から出場者の方が集まってくれました。呼びかけると、何かしたい子は全国にいるんだなと改めて感じたので、オンラインは可能性があるのではとテンションが上がっています」

田中「ちょうど金子さんも名古屋にいらっしゃって東海起業塾のようなネットワークもあって、飯塚さんもダイバーシティに関心があって起業家さんともつながりがあって、うまくつながれるといいなと思います」

金子「ネットワークをどういうお金の流れでやっていくかというのもあると思います。自治体から助成金を取ってくるとエリア限定になってしまうので、全国ネットワーク化すると、資金的に限度があると思うので、お金の仕組みを整えられるとかなり面白い取り組みになりそうですよね」

仲田「この活動自体を10代と作ってもいいかもしれませんね」

田中「ちなみに明日は長野の20歳で起業した子たちが参加してくれるので。仲田君のおかげでよくわかりました」

仲田「こうした動きを、京都だけでなく日本全体で望んでいる10代がいると思うのでぜひ一緒に実験していくメンバーに入れていただけたらと思います」

金子「学生起業したい方が増えてる中でサポートする仕組みができてくればやりたいことを早いうちからやれる選択肢が増えていくでしょうし」

田中「freeeとかが協賛してくれへんかな」

仲田「経産省とか好きそうですよね。実は京都でしようと思っているのが、ソーシャルアントレプレナーが増えていく、畑を耕すという言葉を使ってるんですけども、今は自然発生で生まれた起業家たちを育てる仕組みはあると思うのですが、その卵の子たちが育つ環境がなく、自然でしかない。うちで秘めているアントレプレナーシップをどう開花させていくか、畑を耕すっていうのはまだ誰もやっていないことなんです。エコシステムの中で足りないところがそこだなと感じているので、その話をしたら事業総計や企業が減っていることで悩んでいる経産省が聞いたらうれしいのかなとか邪推なことを考えてました」

金子「経産省系でありそうですもんね。ソーシャルアントレプレナー支援。何かしらはあるんでしょうけど学生特化はないんでしょうね」

仲田「コンテストという形はあるのですが、そうした子たちが生まれるのはかなりぶっ飛んでるというか、成果指標が出しにくいので」

金子「成果指標が出しにくいのもあるでしょうし、色々な起業プランコンテストみたいなものも、自分がプレゼンする側で出たことも見たこともありますけど、そのあとのアクションが大事じゃないですか。そこまでしっかりサポートする仕組みがあれば本当に事業化までたどり着く学生さんも増えてくるかもしれないですね」

田中「またこのテーマで深めていけたらと思います」


次回は……5月12日(配信済み)です!



【プロフィール】

▼ヨーヨー社労士®︎いいづかともよ
@zentoyoyomama
2020ヨーヨー全国大会Women’s freestyle部門優勝。エンタメ業界→クラウド専門の社労士事務所代表。映画スケバン刑事(4代目)のヨーヨー指導担当。好きな言葉は前途洋々。2児の母。#ヨーヨー夫婦 でヒルナンデス!生出演。#freee 三つ星認定アドバイザー。LGBTQ支援


▼税理士 金子尚弘/子育て中
@innovator_nao
ゆるふわ税理士。会計、税金のことを噛み砕いて発信中。豊橋商業→立命館→社畜→フリーランス。取材や執筆依頼が来るのはブログとtwitterのお陰。お酒、旅行、音楽、野球、カメラが好き。子育てツイートが混ざります。


▼田中 慎/税理士,SOU-MU
@shinxtanaka
税理士・中小企業診断士/京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)コーディネーター/バックオフィス業務に関わる人達のための #SOUMU プロジェクト 代表 #freee 講演資料等 https://speakerdeck.com/shinxtanaka

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