#10 思いとか感情のインデックスは音楽で
私は、割と同じ音楽を何度も聞く。繰り返し。移動の時はいつも耳にイヤフォンをして、音楽を聞いていることが多い。
音楽は思いとか気持ちとか、その言葉にできない心の奥の感じてることを引き出す力があると思う。言葉でも書き残せないような思いとか、文字を読んでも思い出せないような感覚も、音楽を聞くと、まるでその時に戻ったかのように鮮明に引き出される。初めてアメリカに行った時のワクワクする気持ちとか。悔しくて、でも諦めきれなくてしがみついていた時の苦さと痛みが混ざったような気持ちとか。やってやろうというギラギラとか。誰かを好きになった時のドキドキとか。その時の光景や時には匂いと共に、はっきり目の前に映し出される。
練習前や試合前は、同じ音楽を聞く。私は1シーズンとか、1年ごとに同じプレイリストを聴きながら練習や試合にいくから(毎シーズンのテーマ曲のような)、過去シーズンに聞いていた曲を聞くとその時の記憶とか気持ちがそれはそれは鮮明に引き出されるから不思議だ。嬉しいものも苦いものも。そんないくつかの思い出ソングをランダムにピックアップ。音や歌詞、いろんなところにくっついている、私の思い出と感情を、いざここに少しだけ開封。
Anything Could Happen ーEllie Goulding
忘れもしない、高校3年生。毎日、ハーバード大学に行くことだけを考えていた。そんなハーバードの公式Youtubeチャンネルで、大学紹介のビデオの音楽として使われていたこの曲。毎日のように見ていたから、これを聞くと、その当時感じていた、未知の世界が広がっているワクワク感を手にとるように思い出す。ビデオの中で見る大学のキャンパス、大学のキャンパスに挟まれて流れるチャールズ川。大学に実際入学して、チャールズ川をかける橋の上を歩きながら、シャッフルしたプレイリストからこの曲が流れてきた時は、とても不思議な感覚だった。「なにが起こってもおかしくない」奇跡は起こせるよ〜と、リマインドしてくれる曲。
(私の原点ハーバードビデオはこちら)
どこかで日は昇る ーMrs. GREEN APPLE
大学2年生の時、試合にあまり出られない時期に、よく聞いて、歌詞に助けられていた。
毎日午後に練習に向かうとき、寮の部屋がある4階から階段で下に降りながら、いつも一番最初に聞いていた曲。甘くない世界を選んだことを自覚して、でもそこで挑戦できていることに誇りを持って今日も頑張ろうと、毎日感じていた。最後に「布団の中で眠りに就く頃には どこかで日が昇る」という歌詞を、自分の過程を信じる理由にしていた。
PAIN IS BEAUTY ーちゃんみな
苦い。大学最終年、本当に苦くて苦しい時に縋るように聞いていた曲。痛みを力に変える、そこに感じる怒りを全てを自分に重ねるように、暴力的に聞いていた。痛みは力に変えるしか、その時はそれしか消化の方法がないと思って必死だった。それが今の自分を作ってるのもわかるから、その時期を後悔しないような今の自分であろうと美しく強く誇れる自分であろうとする。健康的な聞き方じゃなかったかもしれないし、今でも流れるだけで心臓がキュッとなるのを感じるような歌だけど、私が大学4年生の一番大変な時期を過ごして今がある証拠でもあるな、
ヒロイン ーback number
クリスマスのラブソングなんだろうけど、私にとっては、力が出る試合前ソングの一つ。中学1年生から高校3年生まで中高生大会という、中高生にとってはクラブチームの他に1番大きい大会があって、毎年東京選抜として、そこで戦うことがとても楽しみだった。毎年、中高で勝つことをみんなものすごく大きい目標にしていて、普段はクラブチームで自分達よりも年上の人たちとプレーしている中高生の選手にとっては、唯一の同世代と作るチームでもあったから、青春とか自由が詰まった大切な大会だった。毎年クリスマスの時期に開催されていて、私が高校2年とか3年の頃はみんなでこれを何度も聞いてみんなで歌っていた。気がついたら大学に入った後も、よく試合の前に聞いては「よし」ってパワーが出る曲。あの時一緒にプレーした仲間は自分にとってずっと大切な仲間
Don't Mind ーKent Jones
高校3年生の夏、初めて一人でアメリカに行った時、どこのラジオをつけても流れていた曲。印象的なメロディーと歌詞も手伝って、自分にとって、アメリカという新しい土地でチャレンジをする、ということの象徴の曲にいつの間にかなっていた。やっぱり、高校3年生のあの1年の変化は今までで一番忘れられないドキドキ感。「初心忘れず」ってきっと、こういうことを言うのかもしれない
アイデンティティ ーサカナクション
中学生の時に大切な友達と見に行った映画のテーマ曲。渋谷で映画を見て、その後、別の友達たちと合流して、billsでパンケーキを食べた。特別な友達のパワーとか、繋がりを感じられる曲。
Hold Up ーBeyonce
初めて聞いたのは、実は大学の音楽の授業だった。モーツァルトからビヨンセまで、音楽の歴史と形態を学ぶ、みたいな授業で、Beyonceのこの曲がリリースされた時代から、その形態から、メッセージ性から、この時代の音楽の特徴を捉える一例として扱われた曲だった、、、気がする。それから3年ほど経った去年の冬、、、私は親友のシドニーの車の助手席に乗るときはいつも2人でこれを聞いていた。いきなり訪れた、ボストンでの親友とその家族との生活。私とは正反対の性格の彼女がワイルドすぎて、自分にはできない生き方すぎて、毎日がとても新鮮だった。いつもこの曲を聞くと、あのカーライドを思い出す。
Look At Me Now ーCharlie Puth
絶対やってやるとか、負けないとか、そういうギラギラした気持ちが引き剥がそうにも剥がれない。これも大学2年。歌詞に自分を重ねて、絶対に絶対に強くなると思いながら繰り返し聞いていた曲。プレーオフの試合前のリンクで繰り返し聴きながら、来年の自分に誓っていた曲。もうこれは、歌詞が全て。
「絶対やってやるから見てろよ」っていう気持ちとか誓いとかギラギラした強い気持ちが手に取るように見えて、その時の遠征のバスの中とか、リンクの様子とか、鮮明に思い出せるから不思議。
感情と光景が手に取るように浮かぶ曲は、ここに書き出したらキリがないほどいくつもある。歌詞が勇気付けてくれるものも、音で感じるものも。今も現在進行形で光景と思いが転写されている今シーズンのプレイリストがある。いつかそれも、フィンランドでの初めてのシーズンとその気持ちを思い出すような曲になるのかもしれない。
あとがき
今日も読んでくださりありがとうございました!歴代プレイリストの超一部を公開みたいな回でしたが、どれもとてもいい曲なので是非リンクから聞いてみてください!読んでくださったあなたにとって今日も素敵な1日でありますように♡
月咲
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