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グレージュという色

グレーとベージュが混ざったようなグレージュという色。
色味に幅がある気もするが、濃くても淡くてもグレーなのに温かい感じがする。
安心感というのだろうか・・・。

キツさの取れたグレーなのか。
シャープになったベージュなのか。

昔から、白か黒しかない私であった。
どっちにするか?直ちに選ぶ。
または、一か八かやってみる。
結果はどうなろうと運を天に任せてみるようなところがある。
「ダメなら、また一からやり直せばいいわ!」
そして、その労力を無駄だとも思わない。

そんな私が娘に教えられたのは、グレーの濃淡であった。
「私は、積み上げてきたものを一度だってゼロにするなんて、考えられない。」
という。

叶わなかったとしても、ゼロに近づくようなことは絶対にしないという。
落ちるのは最小限にとどめて、再び続きから積み上げる。
グレースケールで物事を考えていたのだった。

ダメかもしれないけど、当たって砕けたとしても、
とにかくやってみる私とは違う感覚で物事を見ていたのだった。

こういうことは、誰かに教わるものではないのかしら。
いや、危なっかしい私を見ていて、娘が学んだのだろうか。

グレージュという色は、バッグにしても、ストールにしても、時計のバンドにしても、身につけていると落ち着く色である。
グレーなのに、やわらかくて明るい。
他の色に馴染みやすい色でもある。
ベージュは似合わないが、グレーが多く混じっていれば大丈夫。

何かにつけて選ぶことの多いグレージュは、本当は白黒つけたい私に、
「まあ、まあ。そんなにはっきり決めなくても・・・。時間が解決することだってあるじゃないですか。大人なんですからね!」
なんて、密かにやわらかさをくれているのかも知れない。




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