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ピラミッドからの脱出(アートセラピー)

「ピラミッドからの脱出」という絵本は、アートセラピーを教えてくださった先生が書かれたものです。
国立精神衛生研究所や川崎市社会復帰医療センター、神経研究所付属晴和病院(日本芸術療法学会事務局)、成城墨岡クリニック他で20年の臨床を経験された後、学校を創立されました。

場面緘黙(ばめんかんもく・家などではごく普通に話すことができるのに、例えば幼稚園や保育所、学校のような「特定の場所」では声を出して話せない状態が続く状態)だった、先生の小さい頃の経験について、絵本にされています。
自分の心にできたかべや幻想をくずして、絵によって救われ解放された実体験を絵本にされたものです。
「ピラミッドからの脱出」に添えて大切なことが書かれています。

「せめることをやめると、心のざわつきが消えて無になります」「人生は大いなる自己をさがす旅のようです」「内側の大いなる自己とひとつになると……これがはじまり」

現在では、アートセピストの第一人者として、事件の容疑者の絵、東日本大震災で傷ついた子供の心の動きなどを読まれる先生ですが、小さい時のこの経験があったからこその寄り添いが、私たちにも伝わります。

教育分析も先生から受け、今もSV的役割をしてくださっています。
セラピストとして必要不可欠な自己探求のプログラムである教育分析は、ユング心理学やトランスパーソナル心理学から、深い自己覚知のステップを体験的に学んでいきます。


セラピストの中にも、自分の枠や制限、感情やコミュニケーションの表現の不自由さ、自動的に繰り返される思考や行動パターンがあります。セラピーの専門家であるためには、まず、自分のこうしたパターンを知っていなくてはなりません。セラピー中に出てくる自らの反応に気づいていることはセラピストとして最も重要なことです。自分自身がケアされる体験を通して、クライアントへの深い共感、受容、適切な言葉かけ、行動が可能になります。自分のブロックを知り、セラピー場面での適切な表現を可能にしていくためのプログラムです。
人生のさまざまな問題の根本原因となるトラウマ(傷ついた体験)や幼少期のインナーチャイルド(満たされなかった欲求)に焦点をあて、解消していきます。それは、不自由なパターンからの脱却と変容の体験をもたらします。
ユング心理学をベースに、アートセラピー、ゲシュタルト療法、サイコドラマ、トランスパーソナル心理学等を用い、体験的に自分自身について学んでいきます。

そして、
・絵から対人関係パターンを観る。
・絵を使って潜在意識の深層を体験する。
・身体からのメッセージを得る。
・否定的思考パターンの深層を知り、肯定的な決断をする。
・瞑想テクニックを学び、体験する。

という過程と共に、風景構成法や枠付法、バーンズの円枠家族描画、動的家族画他、描画の方法を学んでいきました。
自分の内面を知る上でも、とても役に立つセッションでした。

産業カウンセリングの試験は、カール・ロジャースの来談者中心話法で行われましたが、その御息女であるナタリー・ロジャースの「表現アートセラピー 」による判断や分析をしない感情表現についても、体験する機会がありました。
共感的傾聴を大切にするパーソン・センタード・アプローチ。
湧き上がる情感を、描画の他に、ダンス、詩を作ることなどで自由に表現します。
自分を開放する方法はいくつもあり、心を自由にできる時間を過ごすことの素晴らしさを感じます。

コロナ禍で自由とは離れてしまいがちですが、発散させる方法が身近にあると、
救われるような気がします。




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書くこと、描くことを続けていきたいと思います。