持ち主不在の棚、あるいはブレない中心軸の在処

画像1 受験生の頃、痘痕(あばた)のヴィーナスの肌の凸凹が、どうもうまく描けなかった。ミニチュアの石膏像と、カルトンに木炭紙を留める目玉クリップ。木炭の入ったタッパーと、汚れてもいいジャージ。美大受験生の持ち物。ふと目についたので、撮っておいた。試験場のくじ引きで、石膏像からの位置が決まる。白い石膏像のほとんどが陰に見える角度・・・などという事もある。人生はわからない。
画像2 講評の棚。片付けの後。講評の際に、一番上の真ん中が最優秀と評価された作品になる。下の端に自分の絵が並べられれば、確かに凹む。でも、一度も凹まない人生なんてあるだろうか。酷評されることで奮起して、初めて自分の力になるのだから。その世界で生きていこうと思ったら、手加減されないことを知る方が幸せだと思う。社会で生きていくときに、打たれ強さは必要だ。同時に自尊心も。そして自分に自信を持つこと。智慧。過去にとらわれることなく前に進む底力。そのために必要なのは、ブレない中心軸だ。

書くこと、描くことを続けていきたいと思います。