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三八〇ルミヲ
2021年3月13日 11:55
元日の朝、私は七時に目が覚めた。襖の向こうはしんとしていて、まだ誰も起きてはいないようだった。涼子は私に撃たれる夢でも見ているのか両腕を布団から出し、万歳をするような格好で高鼾をかいていた。私は仕方なく目を閉じた。しかし、眠れず、かと言って起きれず、それから二時間ばかり布団の中で寒い時間が過ぎるのを待った。その間に二階から涼子の両親が起きてきた。襖越しに話し声や新聞を広げる音、食卓を整える音が聞