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光のかたち
フィンランド最古の街、そして旧首都のトゥルク。
ローマ教皇の命によって発展したと言われるこの街には、いくつもの宗教建築が点在しておりヘルシンキとはまた少し違った街の空気を感じることができます。
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中心地から少し離れたところに、復活礼拝堂と呼ばれる教会があります。自然光による美しいインテリアが特徴的で、観光ガイドにも掲載される人気の建築なのですが、今回の訪問では入ることができず。
ならば、と周辺の緑の中を歩いてみることにしました。
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しばらく歩いていると偶然にも別の教会の看板に出会ったので、その方向へと進んでみることにします。
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建物が目の前に現れましたが、入り口の案内は見当たりません。道のゆくままにまっすぐと進みます。
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こじんまりとした扉から中に入ると、そこでは美しい光と沈黙が待っていました。
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この空間をつくるもの。
それは、様々なかたちの光です。
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まるで、光は言葉を話しているかのようにそれぞれが意味を伴いながら、教会という“劇場”の中でそれぞれの役割を演じています。
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ぐるりと壁の裏側へと回ると、今度は明るくオープンな空間へとつながります。あとから知ったのですが、ここは聖十字架礼拝堂(Holy Cross Chapel)と呼ばれる教会で、1967年にペッカ・ピトゥカネンがデザインをしたそうです。
いわゆるモダニズム建築で、同時期のアアルト建築と比較してもかなりストイックなつくりをしていて、真正面から人間の生と死と向き合っているような印象を受けます。
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入り口とは違う扉から外へ出ると、そこにあるのは大きな空虚。さらに、遠くの方には十字架が立っていることにも気が付きます。
空間は時に詩的であったり、劇的であったり、音楽のようであったりするものです。その点、この建築は隠喩にあふれた美しい小説のようでした。
「光のかたち」や「灰色の壁」、「緑の空虚」や「遠くの十字架」など思考を深く巡らすとさまざまな捉え方ができる、文学的なエレメントが随所に散りばめられていました。その多くは、人の生と死に関連するものです。
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偶然性すら、その物語の一部であったかのように。
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