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「物のおしゃべり」―詩―

坊やの耳は 不思議耳
沢山の声が 聞こえる

ライラックの花は、
「わたし 奇麗にさいたでしょ。
お部屋にかざって 欲しいの。
坊やの部屋の匂い ひどすぎるわ」

やかんの蒸気は、
「ほらピューピィ ピューって
お湯沸いたよ。 早しないと吹きこぼれる。
いそげ いそげ」

工作の 手バサミは、
「おねがい ガムテープを切るのに
使うの止めて。 歯同士が 
くっついて離れない」

庭のアリは、
「暑いとこ 芋虫 運んでるんだ。
坊やの大きな足が 
邪魔で通れないよ」

お気に入りのTシャツは、
「もう シミだらけだ!! 泥遊びの
泥やジュースの跡もこびりついてる。
はやく 洗濯機の風呂に 入りたいよ」

ネコのミィミィは、
「私の 猫ハグ モフモフでしょ。
坊やのこと ずっと 見守ってるの。
だから 坊やがメソメソしてたら
頬ずりして 涙を 乾かしてあげるからね」

僕の耳は ふしぎ耳
でも とてもみんなの願いを
引き受ける「願い事叶える神様」には成れない
もう少し 大人になったらなれるかな・・・・
それまで みんな 待っててね

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