犬の死

両親の生きがいである犬が死のうとしている。
ガンだ。
老夫婦とそれを一心に慕う小型犬。私はそれを見て美しいと思った。柔らかいトライアングルの中に、限りない安らぎと愛情を感じたからだ。残された時間はもう殆ど無いはずなのに、毎日時計の針が進んでいくのに、それなのに彼らの時はゆっくりと流れている。
生きると言う事は美しいことだ。醜さや過酷さの中にこそその美はある。
私自身も20年共に暮らした猫を数年前に看取った。
生きるとは何か、そして命とは何か彼らは現在進行形で教えてくれている。

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