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フランス詩を訳してみる

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#エリュアール

ひよこのるる訳詩目録

2018年11月以来発表してきたぼくの訳詩約70編の、作者別の目録です。もし気に入った作品を見つけたら、同じ作者や時代の他の作品も読んでみていただけたらとてもうれしいです。

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作曲家・ミュージシャン別の索引も用意しております。

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以下、作者の生年順に並べています。

Marcus Valerius Martialis/マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(ローマ)
c.40-c.

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エリュアール「きみの眼の曲線がぼくの心を取り囲む…」(フランス詩を訳してみる 24)

Paul Éluard (1895-1952), « La courbe de tes yeux fait le tour de mon cœur » (1923)

きみの眼の曲線がぼくの心を取り囲む、
踊りと甘さの円環、
時の光輪、夜の安全な揺りかご、
そしてぼくが人生のすべてを覚えてはいないとしたら
それはきみの眼がぼくをいつも見てはいなかったからだ。

陽光の葉、露の泡、
風の葦、香り高い

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エリュアール「ここに生きるために」(フランス詩を訳してみる 7)

Paul Eluard, Pour vivre ici (1918)

僕は火をおこした 青空が僕を去ったから
火をおこした 友達になるために
火をおこした 冬の夜に入るために
火をおこした よりよく生きるために。

その日が僕にくれたものを 僕は全部火にあげた、
森と 茂みと 麦畑と ぶどう畑と
巣とその鳥と 家とその鍵と
虫と 花と 毛皮と 祭りを。

僕は生きていた はじける炎の音だけを聞い

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