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神仏習合のこと
露 天神社(お初天神)の節分祭
明治の廃仏毀釈でおかしくなったけど、もともと日本の信仰の姿は、神仏が習合していました。
たとえば、露 天神社(お初天神)の節分。
豆まきが行われたあと、護摩焚きがおこなわれます。
その際、修験道のお坊さんが参列し、宮司がお祓いをします。
その後、修験道のお坊さん、山伏さんが般若心経を唱えながら護摩を焚き、木札を火にくべる。
神社で、神職と僧侶が共同しておこなう行事です。
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西大寺の秋祭り
次が、西大寺の秋祭り。
御輿が出発するのは西大寺の駐車場です。
その際、西大寺のお坊さんがお経をあげて出発し、氏地を巡り、神社へ参拝します。
子どもを肩車しているのは、子どもを参らせるため、穢れさせないため。
これも、神社とお寺さんが混じり合った、地域の行事です。
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生駒の宝山寺の境内
生駒の宝山寺も見てみましょう。
神社の拝殿とお寺の本堂が仲良く並んでいます。神社の拝殿には聖天さん(歓喜天)が祀られ、お寺の本堂は不動明王が祀られています。
境内図を見ると、いろんな仏さんと神さんがいます。
十一面観音、お地蔵さん、文殊菩薩…が仏教系の仏さん。
如意輪観音、大黒天、弁財天、不動明王、稲荷明神…がヒンドゥー系の神さん(神社にいる)。
奥に行くと、鳥居と仏像が仲良く並んでいます。
この、奥へと続く山道を、1円玉を200枚くらい持って、一体ずつお参りしていきます。
1円玉×200枚が200円で売られている。電子マネーでいいような気もするのだけど、このお寺の中だけで、1円玉がグルグル回っているだけなので、これはこれでいいのかもしれません。
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聖天さん(歓喜天)はヒンドゥーではガネーシャ。
聖天さん(歓喜天)はガネーシャ同様に象の顔をしているが、ガネーシャと違って、男女2神で構成されていて、下半身はまぐわっています。なので、大抵は秘仏。大根と巾着が歓喜天のアイコンだけど、下半身はまぐわっていますね。そういうことです。
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生駒の宝山寺の近くにある岩谷の滝
宝山寺の近くには、岩谷の滝があります。
注連縄がかけられ、不動明王が祀られています。
滝行は、主に土用におこなうようです。土用は、土のエネルギーが重くのしかかるので、それを弾き飛ばす滝行は最高の浄化とされているからだそうです。
土用は立春、立夏、立秋、立冬、それぞれの直前18日間のこと。
僕は夏の土用、天神祭が終わって数日後の深夜、丑三つ時に滝行にお邪魔しています。
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醍醐寺と上醍醐 准胝堂と神変大菩薩
さらに紹介します。
こちらは醍醐寺。春には桜が咲いて華やかになる桜の名所です。秀吉が花見をした場所。
奥の醍醐の山のてっぺんには上醍醐寺があります。西国巡礼の札所にもなっているところです。
奥に行こうとすると、御幣がさげられ、一気に神道っぽくなりますね。
そもそもここは山なので、修験道が盛んな場所でもあったわけです。ここへ来ると、山の宗教だということが一発でわかります。
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最初に見てもらったお初天神の護摩焚きも、ここから山伏さんが来られています。
境内には、神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)がいらっしゃいます。
これは、修験道の開祖と言われている役行者(役小角)の諡号です。諡号とは、死後に与えられた名前のこと。
役小角は飛鳥時代の呪術者でした。
神が化身となって仏の姿となり、菩薩となった、と。菩薩は修行をする人、という意味です。
修験道は、古神道と山岳信仰と密教が習合したもので、今では仏教の一派に数えられています。
空海も四国の山で修行し、密教のカケラ(雑密)を身につけ、さらなる答えを求めて唐へ渡りました。
京都には他にも聖護院という修験道の盛んなお寺さんがあり、そちらでは「神変大菩薩」の御朱印がいただけます。
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金峯山寺 蔵王堂の金剛蔵王大権現
修験道のご本尊で一番有名なのは、吉野の金峯山寺 蔵王堂にいらっしゃる「金剛蔵王大権現」ですね。
3体おられて、それぞれ、釈迦如来、千手観世音菩薩、弥勒菩薩の化身とされています。
明治の廃仏毀釈で、吉野の別の寺から蔵王堂へ難を逃れた仏さんたちです。
あんな大きな仏像を、山のなか、運んだんです。
「権現」というのは仮の姿、という意味。神さんが仏さんの姿となって現れたとするもののことです。
仏教の世界では仏さんが中心にいるので、神さんの位置付けは「仏さんの仮の姿」となります。これを「本地垂迹説」と言います。
ちなみに、「金剛蔵王大権現」はインドに起源を持たない日本独自の仏さんです。
普段は秘仏で、春秋の行楽シーズンに合わせてご開帳されます。10年以上前に何十年ぶりかのご開帳があって以来、今は毎年2回ご開帳しています。特別拝観1,600円でエコバッグ付きです。
間近で拝むことができます。
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