親がいなくても子は育つけれど、親と一緒に育った方がいいに決まっている
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このブログでは、2019年7月にうつ病を発症し、それをきっかけに同年12月からブログを始めて、それ以降、700日以上毎日ブログ更新してきた、しがないサラリーマン弁護士である僕が、日々考えていることを綴っています。
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【 今日のトピック:親と一緒に育つ 】
僕は今、児童相談所で公務員として働いていますが、児童相談所では、いろんな親子が相談に来たり、虐待の通告を受けたりします。
児童相談所は、親子を分離させちゃう(親と子を引き離しちゃう)と思っている人もいらっしゃるでしょうが、多くの事案では、親と子を引き離しません。
虐待が起きているとして通告があった家庭であっても、だいたいは、親子を引き離さず、そのまま子どもを家庭に置き続けます。
マスコミでは、虐待死が時折報道され、児童相談所の責任を糾弾する人たちもいらっしゃいますが、正直なところ、親と子を引き離すのは簡単です。
児童相談所の権限は非常に強力で、その気になれば、生まれてすぐに親と子を引き離して、それから20歳までずっと、親と子を引き離し続けることができます。
そういった権限行使が可能であるとして、じゃあ、それをやるか?ということが大きな問題です。
多くの人は気づけていませんが、自分の父親と母親をイメージできていることって、子どもにとって非常に大切です。
児童相談所では、捨てられた子どもを扱うこともあります。子どもに名前が書かれているわけではありませんから、子どもだけで放置されてしまうと、親がどこの誰かは全くわかりません。
もちろん、調査を尽くして、なんとか親を特定しようとはしますが、それでもなお、親を特定できない子どもがいます。
親を特定できなくても、児童相談所が関わっていれば、子どもは育ちます。
子どもの寝食は、児童相談所が税金を使って、提供するからです。
親がどこの誰かわからなくたって、里親に委託したり、施設に入所させたりして、子どもの寝食が欠けることはありません。
だから、この国では間違いなく、「親がいなくても子は育つ」のです。
親が誰かわからない子どもだって、大きくなれるわけですから。
じゃあ、子どもにとって親が不要かというと、それは大きな間違いです。
多くの人にとってはなかなか考えるのが難しいですが、親が誰かわからない(自分の中に親のイメージが存在しない)と、子どもは非常に苦しみます。
自分がどこの誰からやってきたのかわからない、という漠然とした思いにさいなまれます。
普通なら、父親がどんな人で、母親がどんな人なのか、自分の中にイメージがあります。
親も子どもと一緒に年をとっていきますから、若い頃の両親はこんな感じで、今の両親はこんな感じでと、わかります。
背格好や声、性格、好きな食べ物や、どんな仕事をしているか、どんな風に生きているか。
こういうことが、親と一緒に生きていると、手に取るようにわかります。
もちろん、一緒に生きているせいで衝突することもあるでしょうが、衝突したとしても、「親が誰かわからない」なんて状態にはなりません。
「親が誰かわからない」という状態は、自分のよって立つ場所がない、建物で言えば「基礎」がないどころから、敷地からないような状態です。
自分がどこからやってきたのかわからないと、どこへ行ったらいいかがわかりません。
そして、解決不能な疑問にも直面します。それは「どうして自分は捨てられたのか」です。
捨てられた後のことは、行政が記録として残していますが、しかし、捨てられるまでのことは、捨てた親にしかわかりません。
親と一緒に住んでいれば、自分の小さい頃(自分の記憶がない頃)のことも、自分を見ていた親が知っていて、話してくれます。
しかし、親が誰かわからないと、そんなこともできません。
親が誰かわからないと、
・自分はどこからやってきたのか
・自分はなぜ捨てられたのか
こんな思いに、子どもを直面させることになります。
「親が誰かわからない」というのは、かなり極端な例ですが、そこまでいかなくても、親と子を分離させられた場合だって、子どもは「どうして、親と離されたのか」と疑問に思います。
だから、親と一緒にいることは、子どもにとって必要なことなのです。
子どもが自立して、この社会で生きていく上で、親と一緒に過ごした期間が支えになるのです。
だから、子どもにとって親は必要です。
衣食住を提供してあげるのも親の役割ですが、それよりも大切な親の役割は、「一緒にいる」です。
「親がいなくても子は育つ」からといって、親の役割を軽視しないでほしいです。親がいないと、子どもは身体しか育ちません。
子どもは、身体だけでなく、心も成長しなきゃいけません。
児相で働いていると、心の成長にとって、親の役割がとても大きいことを日々実感します。
子育てに悩みはつきものですが、悩みは家族や友だちに相談したり、行政にも相談できますので、そうやって相談しながら、親子が一緒に住む状態をなんとか維持してほしいと切に願っています。
それではまた明日!・・・↓
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