交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-23(後遺症)
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:交通事故 】
昨日に引き続き交通事故について書いていきます。
さてさて、この数日間、いろいろと脱線が多めですが、損害の内訳について書いています。
「交通事故にあってケガしたからお金をもらう」という単純な話なんですが、法的には「損害賠償」ということになります。
「賠償」とは「お金で払ってもらう」という意味なので、「損害賠償」とは、「損害をお金で払ってもらう」という意味になります。
「お金で払ってもらう」といっても、訴訟を提起したのであれば(訴状を裁判所に提出したのであれば)、「お金」の内容について説明しなきゃいけなくて、それが「内訳」です。
今回の事故で、僕は、赤信号で停車中に後ろから追突されてケガしたので、そのケガの損害賠償を請求しているわけですが、その内訳は、
・治療費
・通院交通費
・休業損害
・後遺症慰謝料
・後遺症逸失利益
・弁護士費用
こんな感じです。
治療費、通院交通費、休業損害については既に説明したので、後遺症慰謝料と後遺症逸失利益について説明します。
(すみません、今日だけでは終わりません汗)
交通事故について書く中で、耳が痛くなるほど「症状固定」について説明してきました。
「症状固定」とは、「これ以上治療を尽くしても改善が見込めない状態」を意味します。文字通り、「症状」が「固定した」状態、ということです。
「症状固定」となった後の治療費、通院交通費、休業損害は請求できません。
「症状固定」となった後であっても、もちろん治療していいです。治療すれば、治療費や通院のための交通費が必要となったりもするでしょう。治療のために有給休暇を取得すれば、休業損害も発生するはずです。
でも、症状固定となった後に発生するこういった費用は、「後遺症慰謝料」と「後遺症逸失利益」としてのみ請求できます。
「症状固定」となったんですから、それ以上は病状の改善が見込めないわけです。そうすると、症状固定後の治療は、いわば「無意味」なので、それを損害として個々に請求するのできないのです。
さて、後遺症慰謝料と後遺症逸失利益の具体的な金額について説明しますが、僕は今回、訴訟提起前は、後遺症の等級が認定されませんでした。
後遺症慰謝料も、後遺症逸失利益も、後遺症の等級(ランク)が認定されて初めて請求できるようになるんですが、僕は、等級を認定してもらうために、「被害者請求」といって、加害者の加入する自賠責保険の保険会社(東京海上日動)に保険金の支払いを請求しました(保険金支払いの有無を判断する過程で、等級を判断してもらうんです)。
しかし、結果的に、認定してもらえませんでした(自賠責保険会社は保険金を支払いませんでした)。
だから、訴訟を提起したんですが、その訴状では、後遺症14級9号に該当することを前提に、後遺症慰謝料の金額を書きます。
今回の僕の後遺症は、「首と腰に痛みが残っている」というものなんですが、これが「14級9号」に該当するという前提で、「後遺症慰謝料は110万円です!」と書くんです。
「14級9号」とは、「局部に神経症状を残すもの」なんですが、「これに該当しますよ!」という前提で書きます。訴訟提起前の被害者請求では認められませんでしたが、そんなのはお構いなしに書きます。
それが訴訟というやつです。
等級が14級の場合、後遺症慰謝料は110万円と決まっているので、110万円と書きます。まあ、もっと高い金額を書いてもいいんですが、110万円を超える金額を裁判所が認定することはまずないので、僕は110万円を超える金額を書くことは余程のことがない限りありません。
で、「後遺症逸失利益」とは、「後遺症の影響による将来の収入減」です。
「後遺症」とは、「一生改善が見込めない病状」です。「これ以上治療しても改善が見込めない状態」が「症状固定」ですから、そうなった後の「後遺症」は「一生残る」んです。理論上は。
この「一生残る後遺症」によって、症状固定日以降ずっと収入が減少すると主張して、その金額を算定します。
この収入減も算定方法が決まっています。
まず、直近の年収を考えます。今回の設定では、僕の年収が480万円だとしましょう。社会保険料や税金が源泉徴収される前の額面です。
で、「後遺症による収入減」といっても、後遺症によってどれくら影響が出るか、なかなか想像しにくいと思いますが、これも、後遺症の等級によって、「影響」がパーセントで決まっています。
14級の場合は5%です。
つまり、14級の後遺症が残った人は、今後一生、5%の収入減が生じると考えられているんです。
ちょっと尻切れトンボですが、今日はここまでにします。
それではまた明日!・・・↓
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