#383 お金と本能の矛盾

どうも,こんにちは。

古田博大(ふるたひろまさ)です。

このブログを初めてご覧になる方は,はじめまして。

いつもご覧くださっている皆様,いつもアクセスありがとうございます。

僕は,1990年生まれで現在30歳。2017年1月から弁護士として働き始め,ちょうど2年半が経過した2019年7月10日にうつ病を発症し,それから今日までずっと休職しています。

うつ病発症からしばらくは,眠ったり食べたりすることもままならず,生きることそのものが苦しい時期が続きましたが,長い時間をかけて少しずつ回復することができました。今は,週2日の休みをはさんで毎日出勤練習(慣らし勤務)を繰り返しながら,復職への準備を進めています。

今年(2020年)の12月1日から,少しずつ業務にも携わるようになりました。具体的には,理論的な調査や簡単な法律相談を担当するようになりました。今のところ,仕事を理由に大きく調子を崩してはいません。

うつ病をきっかけに「自分も何か行動したい!」と思い,2019年12月から,この毎日ブログを始めました。とはいえ,このブログでは,うつ病に関することだけでなく,日々考えたことを自由気ままに書いています。

書きたいことがたくさんあって,文章が長くなってしまうことも多いですが,ブログの負担が大きくなりすぎてうつ病に悪い影響を与えないよう,書き始めてから1時間程度でアップロードすることにしています(#ほぼ毎日時間オーバーしていることはナイショです

「書きたいがたくさんある」と「1時間でアップする」は両立が難しく,そのため,文章がつながっていなかったり,文章自体がわかりにくかったりと,弊害も多々あるんですが,どうしても「毎日ブログ」を続けたいので,毎日綱渡り状態ですが,アクセスしてくださる皆様のおかげで,今日までなんとか続けることができています(;^_^A

(ちなみに,「、」ではなく「,」を使っているのは,判決など裁判所の公式文書は全て「,」が使われていて,僕も仕事上それに合わせているからです。詳しくはこちら

僕のうつ病の経過については↓でまとめています。

それでは,今日も書いてきます!

それでは,今日も書いてきます!

さて,僕が「橘玲ファン」であることは,このブログで何度か書きました。

橘玲さんに出会い(といっても,僕が一方的に本を読んでいるだけですが),その影響で進化論に興味を持ちました。出会う前は名前しか知りませんでしたが,今はその頃とは比べ物にならないほど,進化論の理解が進みました。

そもそも,進化論は,環境に適合できない個体は,子孫を残せないまま死に絶えてしまうため,結果的に,環境に適合した個体のみが生き残る,という理論です。

現代科学の根底に横たわっているともいえるようなこの理論を,遺伝の知見が乏しかった時代に見つけ出したダーウィンの功績は計り知れません。

いやはや,本当にすごい。

ダーウィンの後,遺伝学の知見がどんどん発展していきましたが,それはどれも,ダーウィンの進化論を補強するものでした。

こういった,ダーウィン亡き後の研究によって,進化論が確固たる理論として定着し,今は誰も否定していません。

この進化論は,当然ながら,僕たち人間にも適用されます。

人間という種が,今日まで生き残ってきたのは,環境の変化に対応できた個体が子孫を残してきたからです。

この「環境の変化に対応できた個体のみが生き残ってきた」過程=進化の過程において,僕たちの内面(精神的な側面・感情)も,形作られてきました。

僕たちの感情や本能は,進化の過程で生き残るために必要だったからこそ,今も僕らの身体に根付いています。

さて,ここでお金の話が登場します。

現代社会において,お金は,生き残りるために不可欠であることは,誰しもが認めるでしょう。

毎日の食事を工面して,雨風をしのぎ,清潔な衣服を着て暮らすためには,とにかくまずはお金が必要です。

現代社会は,「貨幣経済」で,あらゆる物が貨幣を通じて取引されます。そして,現代社会は「知識社会」でもありますから,貨幣の仕組みを理解し,その理解の程度によって,お金(貨幣)に格差が生じます。

知識によって,「お金」に格差が生じてしまうと書くと,めちゃくちゃ不平等に見えますが,世界はそういうもんです。

例えば,氷河期であれば,寒さに強い個体が生き残りました。

寒さに強いかどうかは,「知識」以上に遺伝の影響が大きいはずで,だとしたら,寒さに遺伝的に強い個体のみが生き残った氷河期時代は,今よりももっと不平等な社会だったといえるでしょう。

例えば,狩猟採集社会では,狩猟採集能力がある個体が生き残ってきました。

狩猟採集能力だけでなく,早く危険を察知する個体も生き残りに長けていました。より早く危険を察知できれば,より早く安全な場所に避難できるからです。

この「より早く危険を察知する」という習性こそ,僕らの「不安」の正体です。

だから,僕らが日々さいなまれる「不安」という感情は,進化の過程で必要だったからこそ,今でもしぶとく僕らの内面に根付いているのです。

こういった,狩猟採集時代や,氷河期時代を通ってきた「進化」の過程で,お金は登場しませんでした。

だから,進化の過程から見ると,「お金」は「よくわからないシロモノ」です。

「よくわからない」けど,「あらゆるものに交換できて便利」なのが「お金」なんですが,そういった性質によって,お金は「いやらしい」「よくないもの」と捉えられてしまいます。

例えば,プレゼントに現金3万円を渡すと,それは「いやらしい」「非常識」と思われてしまいます。

これに対し,プレゼントに食べ物や宝石を渡すとと,それは「愛情表現」となり,相手に喜ばれます。

食べ物や宝石は,進化の過程で目に触れていたので,「よくわからないシロモノ」ではありません。

むしろ僕たちは,愛情を示すために,食べ物や宝石を渡されると,「喜び」などのプラスの感情が湧き上がるように進化してきました。

ただ,先ほど説明したとおり,お金は違います。

お金は「いやらしい」からプレゼントにならないのが,僕らの時代の常識です。

でも,「いやらしい」という感情が湧いてくるからといって,お金について何も考えずにはいられません。

先ほど,環境に適応できない個体は,子孫を残して死に絶えてしまう,と冷徹に書いてしまいましたが,そもそも,僕らは,「子孫を残せずに死に絶える」ことへの恐怖も,進化の過程で身につけてきました。

だって,子孫を残せずに死に絶えることを,冷静に受け止めることができる個体は,そのまま冷静に死んでいったでしょうから,子孫を残せていないからです。

僕らは,本当に「環境に適応した優秀な個体の子孫」,なのでしょうか?

仮に,環境に「そこそこ」しか適応していなくても,とにかく,子孫を残せずに死に絶えることを拒絶し,子孫を残さずに死ぬことに大きな恐怖を抱き,「ぜったいに子孫を残して死んでやる!」と思ったのであれば,そういった個体も,子孫を残しやすかったはずです。

だとすれば,僕らは,子孫を残さずに死ぬことへの恐怖を抱いた個体の子孫でもあるわけです。

よくよく考えれば,僕らのご先祖様全員が,環境にうまく適合していたとは思えません。

たぶん,みんな「そこそこ」しか環境に適応できていません。

まあ,それなりに環境に適応していたのは間違いないでしょう。だからこそ,子孫を残してきたわけです。

でも,「完璧に環境に適応した」なんて個体はそんなにいなかったでしょう。それよりも,「死への恐怖」や「子孫を残さずに死ぬことへの恐怖」は,ほとんどの個体に存在したと思います。

死を恐れない人たちは,死んじゃっていますから。

なかには,死を恐れずに子孫を残してる人たちもいますが,そんな人たちは少数派なので,そんな人たちの血は,ほとんど混じっていません。

僕らは,死を恐れ,子孫を残さず死ぬことを恐れまくった人たちの子孫なんです。

だから,僕も子孫を残さずに死ぬことはめちゃくちゃにこわい。

たぶん,童貞のまま死を待つようになったら,こわくてこわくて仕方がなかったと思います。

そう,僕らは,性欲があると同時に,性欲が満たされないままでいることがこわくてこわくて仕方ないんです。

この恐怖もあいまって,性欲を満たしたくて仕方がない。

特に,男性は。

女性は,性欲を満たす場合に,妊娠・出産の可能性があるので,子孫を残さずに死ぬことへの恐怖もあるでしょうが,それと同じように,妊娠・出産によるリスクも同じように怖いはずです。

これに対し,男性は,妊娠・出産へのリスクがないので,子孫を残さずに死ぬことへの恐怖ばかりが目立ってしまいます。

こんな風に,僕らは,死ぬことへの恐怖,特に,子孫を残さずに死ぬことへの恐怖を抱く存在なんです。

だとしたら,どうやったら子孫を残さずに死なずに済むか=生きている間に子孫を残せるか,を考えなきゃいけない。

そのためには,今どういった環境なのかを見極めなきゃダメです。

言うまでもありませんが,環境が先で,僕らの存在は後です。

環境が,僕らに沿って変更されるのではなく,先に環境があって,それに僕らは合わせていくんです。

合わせられない個体が,子孫を残さずに死んでいく。これが,進化論です。

そうすると,現在の「貨幣社会」「知識社会」において,お金の知識は不可欠です。

お金が支配する社会においては,お金を手にしたほうが,子孫を残しやすくなります。

氷河期に寒さに強い個体が生き残れたのとまったく同じです。

お金に強い個体が,「貨幣社会・知識社会」を生き残るのです。

ただ,こういった「お金中心社会」に,僕らの進化のスピードがついていっていません。

だから,「お金はいやらしい」なんて思ってしまいます。

もしかしたら,寒さに襲われたとき,身を寄せあって寒さに耐えようとしている個体を見て,「身を寄せあうなんていやらしい」と思っていた個体がいたかもしれません。

でも,その個体はきっと,子孫を残さずに死んでしまったでしょう。寒さに耐えようと身を寄せあう姿を「いやらしい」と思ってしまったばっかりに,子孫を残せずに死んでしまった。

これと同じように,今は,お金を「いやらしい」と思ったばっかりに,お金について考えるのを拒絶してしまうと,子孫を残せずに死んでしまう可能性がぐんと高くなってしまいます。

・子孫を残さずに死ぬことへの恐怖

・お金を「いやらしい」と思う気持ち

これは,どちらも,進化の過程で僕らに組み込まれた本能なので,どちらも拭い去ることはできません。

ただ,僕らは「ホモサピエンス」で,高度な理性を持っています。

感情を理性で抑えることができるのが,僕ら「ホモサピエンス」の大きな特徴です。

感情を抑え込んでばかりでは息苦しくなってしまいますが,「お金をいやらしいと思う気持ち」を,理性でなるべく排除し,「子孫を残さずに死ぬことへの恐怖」を乗り越えてみませんか?

今日は,こんなことを考えてみました。

【今日のうつ病】(うつ病経過まとめ:こちら

まだまだ僕のうつ病は治っていないので,毎日うつ病の経過を記録しています。

今日までに経過した期間↓

・うつ病発症(2019年7月10日~):528日(1年5か月と9日)

・実家療養後の1人暮らし(2019年9月27日~):449日(1年2か月と22日)

・午前中の散歩(2019年11月7日~):408日(1年と1か月と12日)

・毎日ブログ(2019年12月3日~):382日(1年と16日)

・出勤練習(2020年3月30日~):264日(8か月と19日)

今日で,出勤練習を始めて8か月と19日です。新型コロナウイルスの影響で,4月13日~5月11日までの約1か月間,一時中断されていましたが,それを差し引いても,約8か月間出勤練習を積み重ねてきました。

そして,今年(2020年)の12月1日から少しずつ業務に携わるようになりました。

具体的には,理論上の問題を調査したり,簡単な法律相談を担当したりするようになりました。

裁判所への出頭はまだですが,これから少しずつ,やっていけたらいいなと思います。

今日は出勤し,午前9時~午後6時(定時)まで滞在予定です。

今日の「SleepCycle」を見ると(睡眠記録アプリ「SleepCycle」についてはこちら),午後11時35分~朝7時30分までの睡眠が記録されています。一昨日に引き続き昨晩も,寝つきは良かったです。朝までゆっくり眠れました。朝は自然と目が覚めましたが,熟睡感はありました。睡眠時間は7時間54分と充分で,SleepCycle独自の睡眠品質も83%/100%と良好です。

(なお,僕のうつ病は,主な症状が不眠(①寝つきが悪い②中途覚醒③朝早く目が覚めてしまい二度寝もできない)で,この不眠症状の有無が,その日の調子の良し悪しや,回復の進み具合を左右します。そのため,毎日の睡眠時間や睡眠の質について,睡眠記録アプリ「SleepCycle」に記録されているデータをもとに逐一書き出すことにしています。)

今日も,昨日に引き続き,「調子良い→調子悪い」という無限ループのうち,「調子良いゾーン」が続いているようで,よかったです。

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!・・・↓

昨日のブログ↓

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※うつ病への負担を考慮し、「書き始めてから1時間くらいでアップする」という制限時間を設けています。


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