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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-29(傷害慰謝料:別表1と別表2)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:交通事故 】

引き続き交通事故について書いていきます。

昨日は「傷害慰謝料」について説明しました。

口酸っぱく言い続けていますが、「症状固定」の前後で損害の性質は大きく変わります。

症状固定の前は、発生した損害(治療費、休業損害、傷害慰謝料)などを、逐一数えていきます。

症状固定の後は、「後遺症」という損害をどうやって評価するか(お金に換算するか)という考え方にシフトします。

で、昨日は、症状固定前の損害のうち、「傷害慰謝料」について説明しました。

「慰謝料」とは、精神的苦痛をお金に換算したものです。

ちなみに、精神的苦痛を「慰謝する(なぐさめる)」お金なので、「慰謝料」と呼ばれています。

「傷害慰謝料」は、通院や入院に手間と時間とられたことによって発生した精神的苦痛も含まれますが、メインは「痛い!」という苦痛です。

「ケガした」、ということは、痛みを味わされたということを意味しますが(まあ、完全にはイコールではないでしょうけど)、この「痛み」という精神的苦痛は、他人が算定することはできません。

交通事故の損害は、最終的に裁判官が金額を決めます。ということは、裁判官が痛みを評価し、その痛みをお金に換算することになります。

とはいえ、被害者の受けた痛みを味わっていない裁判官が、その痛みを評価してお金に換算することができるはずもありません。

この「精神的苦痛を測定できない」という問題は、別に交通事故に限らず、「慰謝料」全般で問題となります。

ただ、「測定できない」からといって、慰謝料=0円とすることはよくないので、いわば、「だいたいの相場」が決まっているんです。

このことを昨日は説明しました。

そして、その「相場」は、入院日数と通院日数で決められていました。

入院日数と通院日数が多ければ多いほど、味わった痛みも大きくなるよね、というのが、なんとなく「もっともらしい」ので、↑の表が採用されています。

さて、しかし、↑の表は2種類あります。

別表1と別表2があって、どうも、別表1のほうが、書いてある金額が多いです。

例えば、今回僕は、7ヶ月通院して症状固定を迎えましたが(一括対応は5ヶ月弱で打ち切られましたが)、通院7ヶ月の場合、別表1によると、傷害慰謝料は124万円です。

これに対し、別表2で通院7ヶ月の欄を見ると、97万円になっています。

27万円も差があります(笑)。

慰謝料をもらう側の僕としては、どう考えても別表1がいいです。

慰謝料をもらう側としては、別表1と別表2のどちらを使うかは大問題で、同じように、慰謝料を払う側にとっても、どちらを使うかは重要です。

この別表1と別表2のどちらを使うかでモメることも多いです。

ただ、別表1と別表2を区別する基準があります。

まず、原則として別表1を使います。だから、基本的には別表1を見ていていいです。

ただ、例外的に別表2を使っていて、その「例外」とは、↑のリンク先にも書かれていますが、「むち打ち症等で他覚的所見がない場合」です。

「他覚的所見がない場合」というのは、「自覚症状だけ」ということです。

自覚症状として痛みが存在するものの、その痛みを根拠付ける医学的な所見(様子)がない場合が、「他覚的所見がない場合」です。

「むち打ち症等で」と書かれていますが、これは「むち打ち症」を例としてあげているだけで、あんまり意味がないと思います。

しかし、典型的なのが「むち打ち症」なのは間違いありません。

「むち打ち症」とは、傷病名に「頚部挫傷」とか「腰部挫傷」と書かれるものです。

今回の設定でいう僕の病状も、まさに「むち打ち症」です。事故後、首と腰に痛みが生じましたが、いずれの痛みも、それを根拠付ける医学的な所見を発見できませんでした。

その結果、傷病名に「頚部挫傷」と「腰部挫傷」と書かれました。

こういう場合が、別表2を使う典型的なケースです。

だから、僕は、正直なところ、最終的に傷害慰謝料で別表2を使われてしまうことは覚悟しなきゃいけません。

ただ、最初から、つまり、訴状の段階から別表2で算出した金額を書くかどうかは別問題です。

別に、訴状には、法的に成り立つ可能性があるのなら、何を書いてもいいんです。

別表1も別表2も、法的に決められた基準ではなく、あくまで、傷害慰謝料を算定するための「目安」に過ぎません。だから、別表1・別表2に厳密に従う必要はありません。

(とはいえ、別表1・別表2を全く無視することもできません。別表1・別表2は、合理的な理由もなく、この基準と違う算定方法は採用できないほど、広く使われているからです。)

だから僕は、訴状の段階では、別表1で書くかもしれません。これは、依頼した弁護士の先生と相談します(僕は弁護士費用特約を使って弁護士に依頼してます)。

まあ、相手は当然別表2を主張してくるでしょうし、そうなれば、最終的に別表2で算定されてしまうことは受け入れなければいけませんので、争点を減らす意味で、最初から別表2で書くのも全然アリです。

(訴訟自体は、加害者本人を相手にする(「被告」欄に書く)のですが、僕が訴訟を提起すると、任意保険会社が弁護士に依頼し、その弁護士費用も保険会社が支払います。この弁護士費用は、加害者の加入する自動車保険のうち、「対人保険」の保険金として支払われます。弁護士費用特約ではありません。弁護士費用特約を使うのは、自分が被害者の場合のみです。)

ただ、最初から別表2で書いてしまうと、相手が、別表2よりも更に安い金額を主張してくる可能性が出てきます。

この可能性はそこまで高くはないでしょうが、せめて、「別表1vs別表2」という争い方にするために、あえて、別表1が認められないのを覚悟しつつも、別表1で金額を算出したほうがいい気もします。

「別表2vs更に安い額」という話になると、せっかく争点を減らす目的で最初から別表2で算定したのに、争点が減っていません(汗)。

訴訟は何が起きるかわからないので(訴訟は、最終的に「判決」という形で、当事者が納得するかどうかにかかわらず紛争が終わります。だから、できることは全部やっておきたい、というバイアスがかかり、とにかく何でもかんでも主張しようとすることも多いんです。)

こう考えると、別表1で算出したほうがいいような気がします。

なんか、ふわっとした結論になってしまいましたが、今日はこの辺にします。

それではまた明日!・・・↓

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