私が好きな昭和を生きた作家さん
前に、本屋でたまたま出会った「芝木好子」さんの
書く本が私は大好きだ。
芝木さんの本には、芸者さんが出てきたり、
街の風景の描写も、今とは違っていて、
趣のある、日本の昭和初期を感じさせてくれる。
昭和の始めを懸命に生きた女性達の話が多く、
家庭、仕事、男女について、現代とは違う価値観で描かれているのが新鮮だ。
主人公達には、様々なことが起こるが、
文章自体に、品があって、どこかカラッとした潔さがあるところも私は大好きだ。
そう、芝木好子さんの描くヒロイン達は皆、
カラッとしていて潔ぎ良い。
貧乏でも、駆け落ちしてても、浮気しても、
家庭がちょっと訳ありでも、ヒロイン達は皆
生きることに前向きで、カラッとした潔さがあるのだ。自分に誇りを持って生きていると言った方が良いかもしれない。
沢山読んでいるわけではないから、
偉そうなことは言えないけれど、芝木さんに限らず
昭和の初期頃の文章って、
言葉が丁寧っていうか、
品があるように感じることが多い。
親しみやすさとは違って、
少し近寄りがたさがあるというか、
文章自体がプライドを持っている感じがする。
言葉遣いが昔のものだからかもしれないけれど。
そういう、自分と本の間に距離ができる
ところも私は好きだ。
簡単に馴れ合えないけど、
誇りを持って存在している本達に、
背中をしゃんとしなければという気持ちにさせられるというか。
偏見かもしれないけれど、
戦争の前と後では文学の在り方は
大きく変化したのかもしれないと思う。
戦争から復興の中で得たものもあるだろうし、
失われたものもあるという感じがする。
もちろん最近の作家さんだって、
私は大好きです。
でも、昭和の初期頃もしくは、それより前にしか
なかった時代の文体や価値観、日本人としての誇りみたいなものがあって、その頃の作家さんの文章を読むと、それを感じることができるので、
私は、少し前の時代の本を読むのも好きです。
芝木好子さんの本は、昭和を感じたい方にオススメです。
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