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こういうの麻痺したくないなあ

どこの会社もそうだと思うけれど、
会社の中で1人になれる場所は
トイレくらいしかない。

だから、プライベートな電話をしようとすると、
大体誰かに聴かれる羽目になる。

でも、1週間に5日、8時間も会社に来ていたら、
自分の日常生活において、
出なければならない電話もあるだろう。

電話してきている業者だって、
日本で働いているのだから、
顧客側と勤務時間は同じな訳で、
電話が繋がるのは、自分が働いている時間と
同じ時間帯であることが多い。

業者が仕事で電話してきている場合、
(例えば病院からだったり、
 住んでいるアパートからだったり、
 頼んでいる商品に関する電話だったり、)
顧客の勤務時間内に電話をかけるのも
当たり前と言えば当たり前な話だ。

だから、私の会社でよく見るのは、
更衣室で電話している姿だ。

でも、私の会社の更衣室は、
男女の境目がロッカーで仕切られているだけの
簡素なもので、お互いの話声は丸聞こえという
有り様だった。

ある日の午後、
お昼、更衣室で休憩していたら、
隣の男子更衣室から、
別の部署のおじさんが電話する声が聞こえてきた。

少しすると、男子更衣室に別の人が入って来る
音が聞こえてきた。
2人くらい入って来たろうか。

すると、後から入って来た人が、
大きな音を立ててロッカーを閉めた。

狭い更衣室で、電話をしているおじさんの
横で、大きな音を立ててロッカーを閉めた。

もう1人も、ゴソゴソ無遠慮に音立てた後、
大きな音を立ててロッカーを閉めた。

おじさんの電話とは別の話し声も聞こえる。
会話しているみたいだ。

おじさんは、電話の声が聞き取れなくなったらしく
更衣室から出て、廊下にしゃがみこんで電話していた。

断片的な会話の様子から、
ご両親に関わることのようであった。

大切な電話だったかもしれないのに、
更衣室に滞在する短い間だけでも、
静かにしてあげようという配慮はないのだなと
思って、少し悲しい気持ちになった。

ロッカーで仕切られているので、
男子更衣室の様子は分からなかったけれど、

そういう時、自分さえ良ければ良くて
周りはどうでも良いという感覚に
麻痺してしまいたくないなと思った。

音を立てた方も忙しかったのかもしれない。

短い時間の出来事だったけれど、
こういうことは、仕事をしているとよくあることで、落ちているゴミをシカトするとか、
更衣室で寝て休んでいる人を無視して、
大きな音を立てるとか、
私が過剰に気にしているだけかもしれないけれど、
思いやりないなあと思う瞬間は多い。

だけど、皆、自分に対する理不尽さや、
権利を主張することは忘れない。

周囲の自己中心的な言動を見ると、
息が苦しくなることがある。

もちろん、皆が皆そうではない。

庶務のおじさんは、
空のパックを集めて、近くのリサイクルに持っていくのが大好きな環境思いな方だし、

困っている時、同僚に助けられたりすることも
多々ある。

だけど、日常のこういう些細な瞬間に、
相手のことを無視するような感覚に
慣れてしまって麻痺してしまいたくないなあと
思った。

自分への戒めも兼ねて記事にしようと思ったのです。

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