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年収300万円から脱出する「転職の技法」を読んでみた

今のところ週の後半に読書感想文を出すルーティンを何とか守れているところ。
他の投稿も重なったので今週は休もうか頭によぎったものの出す余力あるうちに作ってしまおうと思ったので出させてもらいましょうか。


今回ご紹介するのは


森田 昇 著
年収300万円から脱出する
「転職の技法」


著者の森田さんは過去に10回もの転職歴を持つキャリアコンサルタントという変わった肩書きの持ち主。
現在は複数の株式会社で取締役をおこなっているとのことです。(本書最後を参考)

初版が2023年の5月10日付けなので最新の転職情報の書かれた本となる。

この本を軽く説明すれば
年収を上げるための転職の仕方。いや転職という行動を基礎から書いてくれたような1冊。


書店の転職コーナーですぐ目に入ってサラ読みしたら思いのほか釘付けとなり買ってしまった。

元々は村上臣さんの書かれた「転職2.0」を買う予定で紀伊国屋に向かったが、転職の共通認識は一緒ということに気づいたのと自分の直感で森田さんの新書を選ばせてもらった。
転職2.0の要約も念の為貼っておきます。


前々からフリーランスの考えなどを中心に読んで感想あげてきましたが、転職にも目を向けないとな~って事で選びました。

では解説に移りましょう。



年収は業界で決まる


「この会社で業績あげ続きゃいつかはお金持ちになれる」というのを頭に過ぎりながら生活する人も多いかもしれない。
過去の私もそうだったように。
昔やっていた営業では特に考えていたこと。

そう甘くはない現実なのは分かってはいるものの年収を上げる方法を知る人は少ないように思う。

結論を言えば年収の限界は業界で決まるということ。
例えばサービス業は一生懸命やったとしても上がる業界ではない。
逆にテレワークなど時間的自由を作れる業界は年収1000万も夢じゃなかったりする。

YouTuberなどの配信者やブログ、本などの自分が働いていない間に稼いでくれるのは有名な話で努力だけでは仕組みに勝つのは無理に等しい。

それは会社や業界も例外じゃなく上がる業界は決まっているということ。
ここはもう少し具体的に知りたい項目ではあるものの時代によって変わりやすいので自ら情報を探した方がベターでしょう。




転職しなければ手取りは下がる

最近の情報が書いてあるので、最近の円安などの値上げにも触れているのがこの本の魅力かもしれない。
消費税も3%から10%になり、タバコで有名なメビウスも200円から今では580円と平成を経た令和と比べて倍に跳ね上がっている。

更には団塊世代が定年を迎えることによって懸念されている保険の負担や少子化も重なりこの先も手取りから削られる額は増えるかもしれない。

つまり収入を上げなければ先の将来への影響が計り知れないのだ。
転職しないことのリスクは今まさに深刻な所まできているということ。

2025年問題などこの先は暗い話が増え続けることだろうし、国は守るどころか苦しめてくる一方なので、結局は自分自身で行動・対策しなければならないというのがこの本の一番伝えたいメッセージだと私は思っている。



「転職」は年収アップの最短ルート

よく稼ぐ手段に「副業」「投資」があげられる場面は多いかもしれない。

ただこの2つにも弱点がある。
それが " 結果が出るまでに時間がかかる "

副業、というより前々からフリーランスについての本ばかり読んできたので初めは利益よりマイナスが多いことは理解していたし。
投資もお金の基盤が整ったうえでやった方がいいことは様々な書籍で見てきた。

そうなると最短で取れる対策は転職ほぼ一択となる。それでも動けない人は多いのだが(私含め)

当たり前の話ではあるものの転職=待遇が悪くなるかもというようなマイナス印象を持っている人も多いことから実際にやる人は少ない傾向にあるでしょう。
これは説明前に貼った「転職2.0」の内容だが、転職が「何かを得て、他の代償を払う」という認識は過去のものになりつつあるとのこと。

この本の結論になるが「最悪また転職すればいい」くらいの思考で攻めた方が今の時代には合っているのかもしれない。



転職は事前準備が9割


転職活動の大半は事前準備になる。
準備は4段階に分かれ

1.転職の目的

なぜ転職したいのか?という動機になる。

「年収アップするため」
「人間関係のリセットがしたい」
「スキルアップしたい」

などの行動の理由を明確にする必要がまずあります。

2.自己分析

自分のCan(できること)を明確にするのが最初の行動とのこと。
これは八木仁平さんの書かれた「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方」という本にも似た内容が書かれていたので職を決める時の共通事項なのかもしれない。
その後に、希望する業界のWill(やりたいこと)
それと企業が必要とするMust(求められること)
を考えればいいとのことです。

その後は自分のタグ探し
自分をTwitterやインスタの投稿みたいにハッシュタグでカテゴリにします。
例えばお客様の気持ちや気分をくみ取りながら打ち解けあいながら営業していた人なら。
#共感力 #コミュニケーション力みたいな感じで自分をブランディングしていきます。


3.会社選びの判断軸

まずはブラック企業の見極め方を覚える必要がある。

・長時間労働
・無理なノルマ
・残業代ゼロ
・ハラスメント

などフルで上げると膨大な量になるので代表的なものをサラッとだけ出しました。
そして業界の構造を理解することも重要で

メーカー ⇒ 物流 ⇒店舗

のような流れの下部分がブラックになりやすいようです。
やはり下にしわ寄せが行きやすい構造はどこも一緒のようですね。(人手不足を解消するため機械化などされて減る業界増えるかもしれませんが)

1.目的
2.自己分析
3.判断軸

を経て4番目もございますが、それが次の章となります。




「軸をズラした転職」を意識せよ

転職のやり方には様々な意見ございますが本書では「軸ずらし転職」と題して紹介されています。

1.業界を変える、職種は変えない
2.業界は変えない、業種を変える
3.業界も業種も変える

という3パターンで紹介されています。
上手い例えが出なかったので本書通りの引用しますと。

1は、IT業界から環境エネルギー業界へ転職し、アプリケーションエンジニアは引き続き。

2は、保険業界は変わらず、営業事務から営業にチェンジ

3は、「IT企業でアプリ開発エンジニア」から「人材業界でプロジェクトマネージャー」

という3通りの攻め方をあげていました。

この章で気をつけなければならない点が
1.「軸をずらさないと変わらない」
2.「軸をずらし過ぎてもNG」

の2点

1は例えると、「ドコモの営業からソフトバンクの営業に転職」
2は、「出版社でライティングからスーパーマーケットの部門長」

のように変化しなくても、し過ぎても危険ということは注意しなければなりません。




「ちょいスラ転職」でリスクを極限回避


先程の「軸をズラした転職」の続き。

著者の掲げる「ちょいスラ転職」は「業界」「業種」「役職のポジション」の3つをちょっとだけスライドさせる転職方法です。

まず「役職のポジション」は会社での自分の立ち位置を指し。役職をあげる形で収入アップを目指すという戦略。
著者はプログラマー⇒システムエンジニアを経て年収100万アップを叶えたそうです。

ここは図での説明が大半を占めるのと話が特に複雑化するので自身の目で確かめることを推奨いたします。

ここでは職種、職業、自分の立ち位置のどれかを少しずらしてレベルアップするようなイメージをしていただければ大丈夫かと思います。



転職エージェントとは適度な距離を保つ

転職する私たちの味方で真っ先に浮かぶであろう転職エージェントですが、彼らも私たちの完全味方になってくれる訳ではありません。

転職エージェントのメリットは自分があまり労力をかけずとも希望に沿った求人を紹介してくれたり、フィードバックをくれるところでしょう。

そもそも転職エージェントの目的は、企業と転職希望者をマッチングさせる事で、転職決まった時に企業からお金をもらって成り立っている仕事です。
そのため1番のお客様は企業というのを肝に銘じなければならないということです。

私も登録歴あるので経験ありですが、希望職以外の会社の求人とかも余裕で来ることもあったり(確かエンジニア関連が多かった。未経験でも人欲しいみたいな意味でゴリ押しだった。)

自分の軸を明確にした上で主導権は俺が握ってんだ!!!くらいのメンタルで利用しなければ敵になる可能性すらあります。

事前準備がほとんどの意味はここで重要だからということです。




経営者目線で考える

最後は私が特に印象に残った箇所を紹介して終わろうと思う。

働く人全員が覚えておくべき事で会社の一員ではなく「自分も会社を動かす社長」という目線で働く意識を持つことが大事とのこと。

私は一時期、正確には今もだが「フリーランス」というものに憧れがあった。
フリーランスになると経費の仕訳や確定申告。そして自分をどう売り込むか?どう売上を伸ばすか?というマーケット戦略を自分で考えなければならない。

自分で全てやるからこそイメージしやすいものの会社員としては完全とは言わなくとも、経営者視点が恥ずかしながら欠けていた。


自分はこの立ち位置で「どう自社に利益をもたらすか?」というのを絞り出すことが大切なのは分かっていそうで忘れがちで盲点だった。

フリーランスの視点で仕事を理解するには、まず仕事の全体像を把握することです。

140ページ


今の仕事でも。
会社員として働き続けるにしても。
将来フリーランスになっても。
将来法人主になっても。
将来経営者になるにしろ。
メルカリで出品する時でも。

どの立ち位置でも「会社(自分)にどう今以上の利益アップを促すか?」という視点を忘れぬよう働かねば!と目を覚まさせてくれるフレーズであった。

ここでは割愛するが、本書は面接の攻略についても書かれていたけど。この経営者マインドはどこ受ける時も「御社様で私のこのスキルを合わせて売上アップを見込みたい」というアピールにも繋がって有利だとも思ったのでこの考えを磨いていくことは人生の攻略にも繋がる重要事項だと気づかされた。




熱く語りすぎたのでここまで。

前にフリーランスについての読書感想文を書いた中で転職も重要だと思いながら買った本だったがここまで深い情報なのは予想外だった。

私の場合、今年で20代ラストながら大卒から人に誇れるキャリアを積めていないのもあり、「いっそフリーランスという形で自力で稼ぐしか生きる手段がない」と転職を諦め、いや逃げていたのかもしれない。

言ってしまうと私は大卒後、研修段階で正社員になるチャンスを手放し、契約社員になったはいいものの厳しい営業でメンタル壊す手前までいって退職。そして今の仕事に至るが正直フリーターに近い見られ方されてもおかしくない業種。これで20代を過ごしてしまい「どこも私なんか採用してくれないよな〜」と正直もう手遅れだと思っていた。

ただ、いざ転職について触れていくと未経験の業界へ行くことも、そもそも転職を繰り返すことも今では当たり前で寧ろやれ!ぐらいの熱量で安心した。

だからと言って私の中で今の現状を解決できる明確なビジョンが見えたわけではない。
それでも、今おこっている円安や保険料、先の増税に惑わされず生きていくために転職は必須事項ということを本書を通じて知れただけでも進歩かもしれない。


どうまとめりゃいいか分からんなってきたんでこの辺で終わります。

読みやすい本でしたし、転職の新情報なので気になった人は是非手に取って読んで頂くことをオススメします。




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