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「障がい者に将棋を普及するということ その2(閲覧注意)」

前回のような経緯を経て

全盲・弱視・肢体不自由の子供たちに将棋を普及することになったのだが

その過程で 信じられないような現実を知ることになる

確かクリスマスイブの昼間

その盲学校に初めてお邪魔した

この学校は通所と入所の子供達がいる

教務主任の先生に連れられて学内を見学させていただいた


「先生、クリスマスイブくらいは 子供達をご自宅に帰宅させてあげても良いんじゃないですか?」

随分と無礼かつ無知なる質問をしてしまった

「冗談はやめてください 怖くて帰宅させられませんよ!」

全く意味が解らない


その後 入所している生徒さんたちの現状を知らされた


「怒髪天を衝く」とはこのこと


鬼の形相のくせに 涙が止まらなかった

この学校に通う生徒さんたちの およそ半数は 健常者として産まれてきた

その後視力を失った理由は 不慮の事故もあるが

大半は違う


「幼児虐待」による失明だ


今更そんな家庭に帰せるわけもない

帰路、極真空手黒帯の友人に電話で聞いてみた

「人間の視神経ってーやつぁ どうやったら 切断できるんだ?」

「あぁ?素手じゃ無理 何かこん棒のようなもので後頭部を思い切り叩かないとできねーよ」


「先生 そういう生徒さんこそ うちに寄こしてください」

そう伝えるのが精一杯だった


その晩は ハマで親しい友人と痛飲した

記憶も有り金も全て無くした


馴染みのBARで

「親連れてこい! 同じ目に合わせてやる!」

と怒鳴り続けていたらしい

翌日メールで友人に叱られた

「全くお前は 怒り狂える弱虫だ!」

でもあいつらは言う

「止めてよ先生 僕 お父さんとお母さんが大好きだから・・・」

ぐうの音も出ねぇ

恥ずかしいから 車椅子を押しながら さめざめと 哭いた


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