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花宮香織さん①『NPO法人と、コモンビート法人化への歴史』

インターン生とコモンビートの取り組みを
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こんばんは。『クローズアップNPO法人 〜現場の声から〜』が本日から連載されます。

初めてコモンビートを知る人が団体に対して持つイメージで最も多いのは、「なんか楽しそう」という言葉。

でも、ただ楽しいだけじゃないんです。
企画の現場にいつだってある“楽しんで学んでもらうための仕掛け“は、NPO法人として「社会貢献活動」を実現させる一つの手段でもあります。

では一体、その仕掛けは誰がどう作っているのか、企画がどう社会貢献に繋がっていくのか。
コモンビートを運営するメンバーの皆さんに伺います。

今回お話を聞かせていただいたのは、コモンビート事務局長である花宮香織さん(以下、はなさん)です。

本日9月12日(月)は、①『NPO法人と、コモンビート法人化への歴史』をお伝えします。

なお、はなさんのシリーズは全4回。

13日(火) ②『D&Iと、組織のビジョンの関係性』
14日(水) ③『花宮さんと、目標に対する考え方』
15日(木) ④『意地悪な質問と、NPOに興味を持つ学生へ』

とお送りしていきます。

⭐︎はなさんの自己紹介はこちらから
NPO法人コモンビート 公式HP
https://commonbeat.org/outline/staff/

取材担当:広報インターン ジュン


ーー私がこれからお聞きしていくのは、初めにNPO法人はそもそもどういう団体なのかという基本的なこと、コモンビートは何がきっかけでこういう活動をしているのかということ、最後にはなさん自身についていろいろお聞きしたいこと、の3つがあります。
はなさんにはそれらのご質問にお答えいただければなと思ってます。
今日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

⒈NPO法人って何?

ーーでは早速ですね、まずNPO法人とは何をするところなんでしょうか。

NPOは超単純に言うと、社会を良くする活動だと思っていて。なので、NPOとかって聞いたときにボランティアって言葉を連想する人たちも多いんじゃないかなっていうのに加えて、よくわからないって思ってる人たちも多いんじゃないかなと思っています。
NPOは特定非営利活動っていうふうに日本語に訳せて。つまり「特定の非営利な活動」のことで、社会を良くする活動をするんだけど、そこでお金を稼ぐこともOK。全部ボランティアでお金は全く稼ぎませんっていう意味ではないんだよね。
でも、そこで稼いだお金を個人に分配しない
株式会社だとしたら、配当金とかって形で株主に還元したり、「今年の売り上げはすごい上がったから社員でボーナス!」みたいな形で個人に還元されるんだけど、NPOの場合は「社会のために存在している組織」なので、余剰の売り上げがあった場合には個に分配するんじゃなくて、次の社会を良くするための事業に使いましょうっていうふうにお金の流れ、あり方も変わったりとかするんだよね。
社会のためにある活動、社会を良くするためにする活動っていうものをNPOと捉えていてそれを法人格(※)としてやっている組織がNPO法人っていうふうに言ったりするのかな、っていうふうに私は捉えています。

※法人格とは 
法律上の人格。権利・義務の主体となることのできる資格(権利能力)。自然人と法人に認められる。法的人格とも言う。
(デジタル大辞泉より)

⭐︎NPO法人についての公式な解説はこちらの行政のサイトから

内閣府NPO ホームページ
https://www.npo-homepage.go.jp/about/npo-kisochishiki/nposeido-gaiyou

⒉NPO法人として困ったこととは?

ーーNPOだからこそ困ることはありますか。

NPOだから困ることっていうふうにあんまり捉えたことはなかったんだけど、単純にNPOっていうものの社会の認知ってまだまだ低いなと思ってるんだよね。
東京とかだと知ってたりとかする人も多かったりとかするんだけど、例えば私は立ち上げのために地方に住んでたりとかすることがあって、そういったときにその地域によってはNPOって冠がつくことによって、逆に怪しまれちゃったりとか、理解してもらえないこととかがあって。
理解してもらうまでにすごい時間がかかったりとかすることがあるなって。世間のNPOの認識ってこんなもんなんだって感じる瞬間は多かった。

ーーそれってどうしたらいいんですかね・・・

NPOって全国のコンビニの数と同じ5万くらいあるって言われてるんだけど、実際に活動は行ってなかったりとか、ペーパーカンパニーと同じように登記(※)してるだけのNPOとかもたくさんあると思うんだよね。

※登記とは
私法上の権利に関する一定の事項を第三者に公示するため、登記簿に記載すること。権利の保護、取引の安全のために行われる。不動産登記・船舶登記・法人登記・商業登記など。
(デジタル大辞泉より)

単純にNPOが人の目に触れる機会が少ないってこともあるだろうし、みんな会社の名前とかって有名なものをいくつも挙げることができると思うけど、NPOってなった瞬間に有名なNPOとかぱっと出てこない人たちもいるだろうと思う。社会においての露出が増えると認知は上がっていくとは思うけれども・・・
今からの部分は私の個人的意見になるんだけど、その活動が株式会社がやってるからとかNPOがやってるからとか、最終的に社会のためになってたりとかソーシャルインパクトを生み出していればあんまり変わらないと思っていて。
株式会社だったとしても社会に良い活動をしている企業はめちゃくちゃたくさんあるので、「NPOの認知を上げるために」とか「NPOだからこうところがいいんです」ということよりかは、それぞれが持ってるビジョンとか事業内容とかで判断した方がいいなと思っているから、そりゃ変わったらいいなとは思うんだけど、「(NPOの認知度が低い)現状を変えましょう」と強く訴えかけるべきだとは思わないかな。
でも世間の認知が低いっていうのは事実なので、何か不祥事が起こったときだけ「あるNPO法人の理事長が着服してました!」みたいな悪いことだけがニュースになるじゃん。
多分そういったネガティブな報道とかも世間からの悪い認識を作る一因にはなってるんだろうなって気はするし、結果的に悪いニュースの方が目立ってしまうっていうところもあるんじゃないかな。

あとは普通に就職先の一つになると良いな、というか。
今後社会を作っていくのが若者だって考えたときには、自分が実際に所属したり働く場所の選択肢の一つとして認識されると、かなり市民権を得るなと思っているので。ジュンも他のインターン生とかもそうだし、私もNPOで働くことになった人間だし。自分の大事な時間をかけてしたいと思う仕事をするとかっていうものの方法の一つになったらいいな。
そういう認知が広まっていけば社会的なイメージも変わっていくだろうなと思います。

ーー聞いた話なんですけど、ぽすさん(※)もりょうさん(※)に直談判して入れてもらったみたいなの聞いたんですけど、そういう人も多かったりするんですかね。

※ぽすさん
事業部スタッフ 上原紗英さん

※りょうさん
理事長 安達亮さん

⭐︎お二人の自己紹介はこちらから
公式HP
https://commonbeat.org/outline/staff/

コモンビートは、これは良くも悪くもなんだけど、ミュージカルのキャストからしか今までほとんど職員を生んでこなかったんだよね。
っていうのは、活動がほぼミュージカルだったからミュージカルの現場で活躍してる人とかミュージカルにすごい価値を感じてくれてる人の中から、仲間を集めていくみたいな方法をしていたので、特にぽすみたいにコモビにも参加しつつ、Up with People(※)っていうコンビを作ったアメリカの組織のプログラムに参加している人はいろんな経験だとか持っているからこそ、団体としてもその人たちが働いてくれたらいいなというのもある。ぽすみたいに、自分の働き場所としてNPOを自ら選ぶっていうパターンは昔に比べたら増えてきたなとは思いますが、
ぽすも「コモンビートがNPOだから勤めたい」ってよりかは、自分のやりたいことの一つとして選んだってことだと思うので、NPOだから働きたいって選ぶよりかは、これまでにおいては、単純にビジョンに共感したり活動が楽しかったからっていうところに人が集まってきていると思います。

※Up ith Peopleとは
ミュージカル「A COMMON BEAT」はアメリカのNPO団体”Up with People“が2000年に製作した作品です。Up with People は、世界各地から集まった若者が、約半年間ともに生活をしながら、様々な文化・生活様式を体験し、国際的なリーダーシップを身につける国際教育プログラムを提供しています。
(NPO法人コモンビート公式HPより)

公式HP
http://www.upwithpeople.org/

⒊NPO法人でよかったこととは?

ーーNPOとして活動をすることで良かったことはありますか。

NPOっていう冠が付くことで、社会性や市民性を帯びた活動だなって認識してもらえることがある。『A COMMON BEAT』っていうミュージカルだけを見たときに、「一般的な劇団かな」って思われたりとかするんだけど、そこにNPOが主催しているっていうのがつくことによって、「ちょっと教育的な要素があるのかな」とか「社会的要素があるのかな」っていうようなバッチみたいなものになりうるところはあるんじゃないかなって思ってる。
やっぱりジュンも感じていると思うけど、コモンビートって「みんなで作る」っていうのがすごい強い組織。NPOという形も、市民が会員として一票を持っていて自分たちで社会のために自分たちが必要だと思うことを自分たちで動かすみたいな組織の形態であって。
株式会社には一部の大株主がいて彼らの言う通りに会社が動くっていう側面も時にはあると思うんだけど、NPOはそのような意思決定になりづらいっていう意味では、やってる内容や持ってるビジョン、そして組織形態においても、コモンビートにはNPOっていう形態はすごい合ってるかなと思います。

⒋コモンビートの成り立ち

ーー法人格があるっておっしゃったんですけど、コモンビートは任意団体(※)みたいなところから始まったりしてたんですか。

※任意団体とは
法人(株式会社・学校法人・財団法人・社団法人・NPO法人など)として認められていない団体。法人格のない社団のこと。
(デジタル大辞泉より)

立ち上げのリアルな現場にいたのって、ジュンのアクセスできる人で言うと、あんどぅ(※)とあおいちゃん(※)ぐらいしかいないからそこの立ち上げの詳しい話を聞いたいなら2人に聞いた方がいいと思うんだけど、
コモンビートの場合は成り立ちが、任意団体のようなものから始まったとも言えるかな。

※あんどぅ
スタッフ 安藤悠一さん

※あおいちゃん
管理部スタッフ 前嶋葵さん

⭐︎お二人の自己紹介はこちらから
公式HP
https://commonbeat.org/outline/staff/

ちょっとだけ回り道になっちゃうんだけど、ジュンってチュソンの話とかって聞いたことある?

ーーチュソンさん?どなたですか。

新しい登場人物が出てきたって感じだね。『A COMMON BEAT』という作品をつくったアメリカのUp with Peopleっていう団体は「国際的な若者のリーダーシップ育成」とかをやってる団体だから、世界中から若者を集めて世界を回りながらパフォーマンスをする教育活動している団体で、それに参加していたハンチュソンっていう女性が参加してスタッフになって、作品制作に関わっていて今後もやっていこうってなった瞬間に、その団体がミュージカルの活動やめちゃったんだよね。
それが今度は、ピースボートっていう船の上であの作品を作ろうというプロジェクトでやられるようになって。
そのときに参加してたメンバーが、それをピースボートの船の上だけじゃなくて日本でもやろうよって言って、陸版『A COMMON BEAT』みたいな形で始めたっていうのが活動のきっかけというか成り立ちみたいな、一番最初のものなんだよね。
なので、単純に作品が好きだったりとか、あの活動みんなでやると楽しいよねって思った人たちが続けていたっていうところが一番最初。
なので、初期から法人格を取って社会のために何かをしようって始まった団体ではないっていうところが、一番最初のきっかけとして面白いところかなと思っています。

ーーそれは結構意外でしたね。パフォーマンスが先行して、それを目的としてやってたっていうのが。

そうそうそう。だから今掲げている「ダイバーシティ&インクルージョン」っていう言葉を、当日の当時は2004年とかから謳っていたわけではないんだよね。
活動を続ける中で、「もしかして、これってすごい社会的な活動なんじゃないか」とか「社会に必要な活動なんじゃないか」っていう気づきが後からあって。
じゃあそれを持続可能な形で運営していくためにどうしたらいいか、どういう形態がいいかなって選び取ったのがNPO法人ってだけなので、後から形がついてきたって感じです。

ーーなんで株式会社じゃないのっていうところとも繋がってくるなっていう気はしましたね。

当時まだメジャーな存在ではなかった「NPO法人」って組織形態にしたのは、関東公演にも手伝いに来ていた初代の理事長・中島康滋(こーじ)の想いもあったと聞いています。
彼もそのピースボートに乗っていて、コモビ立ち上げメンバーの1人なんだけど。コモンビートのやってる内容とか、活動が起こしている市民性だったりとか、社会に与えるインパクトとかを考えたときに、法人の形として株式会社としてやるのではなく、NPOとしての活動がいいっていうふうにこーじが気づいたそうで。
で、他の周りの立ち上げメンバーはそこまで形態にはこだわってなかったとのことなので、こーじがNPOとしての立ち上げってことを一番理解していたんじゃないかなと思います。

明日9月13日(火)は、②『D&Iと、組織のビジョンの関係性』を聞いていきます。

☆関西公演情報☆



【ミュージカル「A COMMON BEAT」再開記念シリーズ 関西公演】

▼日程
2022年10月2日(日)
初公演:開場 12:30 開演13:00
千秋楽:開場 17:00 開演17:30 ★オンライン配信あり

▼会場
吹田メイシアター 大ホール

▼詳細

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