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#連載小説
モロイシンジのお仕事#4〜ヒツゼンチャーハン〜
諸井は洗濯を終えるとおもむろに料理を始めた。料理といっても諸井にレパートリーは一つしかない。昨晩炊いて余った米を皿に移し、熱を冷ます。フライパンに大量のゴマ油を流し込みそのまま強火で加熱する。そのまま放置している間に卵を溶き、熱されたフライパンに米を投入する。
米一粒一粒にゴマ油が染み込んでいく様を諸井は、米が美味しくなるプール遊びと名付けている。変わり者であるが、そのネーミングを他人に話し
モロイシンジのお仕事#3〜独身君主〜
新宿の中心地から少し外れ、歌舞伎町辺りの騒がしさが嘘のように思えるほど静かな場所にひっそり佇むマンション。オートロックを解除し入り口を抜けエレベーターで5階に上がり、出てすぐ右斜め前が諸井の部屋である。
諸井は自宅に着くとまず玄関で服を着替える。出かける前に某有名スポーツブランドのスウェットを上下、靴箱の上に毎日欠かさず用意しているので、帰宅時は機械的に服を脱いで、着るだけで済む。玄関で着替