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ショートショート16「お土産切符」

電車に初めて一人で乗りました。

「切符を拝見。おや、嬢ちゃん一人かい」

「うん! お家に帰るの」

「そうかい偉いね」

電車が川の上を走っています。キラキラしていて綺麗です。

「ママとパパ喜ぶかな」

「ああ、喜ぶさ」

電車がひまわり畑を走っています。ポカポカしていて太陽みたいです。

「でも、お土産買うの忘れちゃった」

「それなら切符をお土産にしたらいいよ」

「いいねそうする!」

電車が町を走っています。小さな町です。

「夕暮れまでには戻ってくること。約束できるかい」

「はい! わかりました」

電車が家の前で止まりました。私はこの家が大好きです。

「お線香の匂いだ」

私はお家の中を走っています。書ける物を探してます。

「どうしてなの! どうしてあの子はっ……」

ママとパパは泣いています。悲しそうです。

「ん、切符? お、おい見ろよこれ」

私は切符に「ただいま」と書きました。二人共嬉しそうです。

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