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「グレー」を読んで

「グレー」を読んだ。


生方美久さん脚本。城戸賞準入賞作品。

生方さんと言えば、超話題作「silent」の脚本でデビューした脚本家さん。

もちろん毎週熱烈にsilentは観ていて、感情をグラングラン動かされてる。

でも、生方さんの過去作は「踊り場にて」しかないから、それだけじゃ物足りなくて、もっと生方さんの世界に触れたくなった。

あと、脚本ってどういうものなのか気になって読んでみた。

結果、大大大好きでした。

生方さんはこの作品についてこう述べられていました。

“ボーイミーツガールですが、 ふたりが出会っても、 夢とか希望の形は変わりません。 ふたり手を取って歩いていくわけでもありません。 その夢や希望に辿り着くまでの燃料を、お互いにコレあげる!って渡し合って。 じゃ、それぞれに歩いてこうね。 生きてこうね。 バイバイまたね。 って、お話。”

大好きです。本当に。(倒置)
恋愛経験とか、恋愛に対する価値観とかに悩むことが多くて、それは私が考えすぎだからなのかもしれないけど、それでもこの感性を否定したくもないし、、、って日々悩む中でこういう物語、とてもとてもやさしいです。

トランスジェンダーが出てくるとか、ゲイの友達が出てくるとか、表面上の設定について目を向けたらそれも考えるきっかけになって良いのだけど。
それよりも、この作品はそれが主軸なのではなくて、「人間」たちの物語だと思った。

人間たちの交流が、夢や希望に向かう燃料をくれて、それぞれに歩いていく。手を取り合って歩いていくだけが愛のカタチじゃないし、一人でも生きていけるよって。
人はひとりじゃ生きていけないけど、一人で生きていけないわけじゃない。(矛盾)

だって実際、世の中には一人で生きていっている人だって山ほどいるし。

私も最後は一人で生きていくし。

みんなそうだし。

そんな人は「一人じゃ生きていけないよ、一人だった人も結局素敵な人と出会って孤独じゃなくなったよ、ハッピー。」って物語に傷つけられるのです。

そういう物語ももちろんあっていいし、大好きだけど、一人で生きていく物語もあってもいいと思う。

もちろんひとりだけで生きていくわけじゃない。

「グレー」の二人とも、お互いに燃料を受け取ったから一人で生きていけているんだもの。
でも、「一人でもいいんだよ、生きていけるよ、そのままでいいよ」って肯定してもらえてる気がして、すごくやさしかった。

生方さんはこの作品を絶対映像化したい、諦めないっておっしゃってたけど、私も諦めたくないです。


観たいです。ぜったい。


誰も撮らないなら私が撮ります!!!(おい)

私が撮らなくても、きっとこの物語はみんなに届いていくんだろうな、それくらい素敵な作品でしたので。

でも、こんな作品を作りたいな、そのためならがんばって働けるなって思いました。

将来の夢かも。

ネタバレ増し増しじゃないと感想が書けない呪いにかかってた私ですが、今回は驚くことにネタバレなし。

大好きなシーンとか、挙げたらキリがないくらいあるし、たくさん語りたいのですが、とりあえずこのnoteを覗いてくださったみなさんにはまず読んでもらいたい。

リンク貼ります。

私も「グレー」から燃料を受け取ったので、頑張って生きます。

バイバイ。

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