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認知症と料理の関係

介護において料理は楽しみの一つになります。

彩鮮やかな料理が出てきたときには、やはり「美味しそう~」という声が上がります。

ところで、認知症を発症してしまった方について今回はお話をさせていただきます。

今まで台所に立って料理を作ってくれていたのに、認知症の症状が出てきてしまって台所に立たなくなったという声をデイサービスで働いているときによく聞きました。

理由は「危ないから」。この理由もかなり多く挙げられていましたね。

たしかに一般家庭でご家族が仕事から帰ってきて、バタバタしながら料理をしているところに認知症の症状が出ている方が料理をやるなんてことは、かなり危ないです。火事を起こす危険もありますし、包丁で怪我をする危険も考えられます。

しかし、台所に立つ方はご存じだと思いますが、料理ってかなりの工程を頭の中で整理して体を動かして行うものですよね。そして料理って認知症の進行を遅くする働きがあるんです。

「料理はかなりの工程を頭の中で整理して体を動かして行うもの」これを一つ一つ分解して考えていきます。料理がなかなか進まない・危ないという理由で、役割をとってしまうのはいけません。
一緒に作れるように考えていきましょう!

まず、一般的なカレーを作る際、何から行いますか?私は具材を切るところから始めます。
材料はジャガイモ・人参・玉ねぎ等ですかね。

ジャガイモはご家族が皮を剥きます。そして頭とおしりを切ると、安定した状態で立ちますよね。
それと同じく人参も玉ねぎも行っていきます。
このあと認知症の方(Aさんとします)Aさんに切ってもらいます。
大き目でもいいので、切ってもらいます。この工程が大事です。

そのあと炒める工程は、ご家族が行ってもいいですし、Aさんにお願いしてもいいと思います。ここは症状の状態に合わせてあげてください。

そして水を入れる工程・ルーを入れてかき混ぜる工程・味付けの工程もできる限り一緒に行います。

最後に自分で作ったカレーを食べることで一層美味しく食べられる。

それで何が認知症にいいのかというと、作業を一緒に行うことで次は何をやるのかを考えることができ、さらに身体(手先や足)を使うことができます。
香り・味覚なども一緒に感じることができるので、料理ってすごいですね!
ご家族と一緒に食べることも幸福感を得られるのでできるだけ一緒に食べてくださいね。

特に今まで台所に立っていた記憶があり、身体が覚えている事をそのまま全部任せるのではなく、部分的に任せてあげることで、Aさんも満足することができます。

認知症に限らず介護において大切な事は、「できる事はさせる。できないことは介助する。」です。

Aさんのペースがあるのにもかかわらず、料理がなかなか進まない・危ないという理由で、役割をとってしまうのはいけません。

やる気が無くなりいろいろな面で症状の進行が早くなったりもします。

Aさんのペースで行うにはご家族が「待つ」ことを覚えてください。
コミュニケーションは良いですが、早くしてとか、まだなの?みたいな声掛けはNGです。

待つことでAさんは役割を全うできますし達成感も得られます。

ご家族が小さい頃は料理ってAさんが作ってくれたり、一緒に作ったりすると思うんですよね。それが今は逆転しただけなんです。

「少しでも楽しく作って楽しく食べる」
どんな状態になっても、ここは変えずに生活していきたいですね。


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