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未知の鼓動 -日々是アート- 2022

それは視えてくるのです。
己が求めに導かれて顔を上げると、未知の鼓動は聞こえます。
あの時この時、あの場所この場所、鼓動の響きが聞こえてくる処へ、どうしても逢いに行きたくなったのです。

ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み@ギンザ・グラフィック・ギャラリーon Jan. 26th,2022

立教大教授のblogで開催中であることを知りました。グラフィックアートはこれまで殆ど鑑賞してこなかったのですが、自身の批評眼を表現する手段だなと感じました。
絵画やモダンアートと比して静かあですがある意味切っ先鋭く描き出す、そんな印象を強く受けました。

はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡—古代美術、印象派、そして現代へ@アーティゾン美術館 on Feb. 15th,2022

ブリヂストン時代含め初めての訪問。素敵な所蔵作品の数々に出会うことができ、充実した午後を過ごすことになり満足です。中でも、レオナール藤田の静物画とカンディンスキー等のキュビスム作品の前では足止め状態でした。また、新たに鴻池朋子とザオ・ウーキーの名をしっかり記憶に刻みました。

ミケル・バルセロ展@東京オペラシティアートギャラリー on Mar. 3rd,2022

初めての出逢い。絵画、創作物ともにカラフルでパワーを感じます。製作過程の映像を観ましたがむべなるかな。白だけを使ったものがあるのも印象的。
刺激的な多くの作品の中でも絵画「幼生」の群青色に魅入られ何度も後戻りしてしまいました「いい青だ」。

ミロ展 日本を夢みて@Bunkamura ザ・ミュージアム on Mar. 9th,2022

Joan Miro 大好きです。館内を幾度も行きつ戻りつし堪能しました。構図や色使い、筆致に強く惹き込まれ観入ってしまいます。企画展での作品の一つとして出会うのももちろん良いですが、“ほぼ全てがミロの作品“に囲まれるのはやはり嬉しい気持ちになります。
どの作品も素敵なんですが、中でも「ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子」は、ブラックな背景に書のような自由闊達な黒線と様々なモチーフが配され、シックかつビビッドを醸し出す表現が秀逸。
Barcelonaのミロ美術館 再訪したい。

Chim↑Pom展:ハッピースプリング@森美術館 on Mar. 23rd,2022

これまで17年の活動を一整理?なのか。
破壊≧創造、混沌、鎮魂… 様々な言葉が浮かびあがります。破茶滅茶で勝手気ままにも映るけれど、“アートで世の中に挑む「いったい何だ」“ことへの本気度と物凄いエネルギーが迸っており、大きくて重い社会的課題への重要なアプローチでもあることを再認識。
観終わった今も何やら少し落ち着かない。自身にもひょっとして野生のようなものがあるのかも知れません。

奥田元宗と日展の巨匠〜福田平八郎から東山魁夷へ〜@山種美術館 on May 19th,2022

久し振りの日本画鑑賞、引かれるようにして出かけました。各作品とも日本画独特の構図や雰囲気を持ち、色合いが鮮やかなものも含め全てが静謐を感じさせます。いつものように、ゆっくり、しっとりと日本の姿を思い出させてくれます。今日は、無意識にこの感じを求めていたのか?
今回は特に高山辰雄という名を心に留めました。

佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉@ギンザ・グラフィック・ギャラリー on Jun. 1st,2022

彼は「デザインは間を適切に繋ぐこと」と記す。また、以前から”可塑性”を伝えてきたとのこと。このメッセージを知った上で展示された数々の作品を観ていくと、その言わんとすることが良く解ります。
デザインも生活に密着したものである限り時代の変化と対峙しておりこれからもそうである、ことを確かに認識できた機会でした。

歌枕 あなたの知らない心の風景@サントリー美術館 on Jul. 7th,2022

歌枕という言葉があるのです。古来の和歌に使われることで特定イメージとなった場所。
それらが屏風や掛軸のみならず、櫛や硯箱などにも描かれ、私達の中にしっかりと取り込まれてきたことを教えて貰いました。また、学生時代の万葉集以降は馴染みが薄かった和歌にも少し意識を向けることになり、教養の幅がちょっと拡がったでしょうか。

モネからリヒターへ@ポーラ美術館 on Aug. 22nd,2022

夏季の小旅行に予定を入れ1年振りの再訪。新たな収蔵作品を中心とした開館20周年記念展、テーマは「光」。特に近現代の作品が充実し、モネを始めとする印象派から抽象やモダンアートまでが光への強い関心を窺わせ、色んな感性を刺激してくれました。
ヴラマンクの雪景色の街、佐伯祐三の静かですが何かがじわっとくる雰囲気のパリ、また何処かでお目に掛かりたい出逢いでした。

ルートヴィヒ美術館展@国立新美術館 on Sep. 8th,2022

“市民が創ったコレクション”から写真を含む多くの作品を展示。近現代を振り返りつつ152点を観ていくも、どうしてもピカソを始めとする同時代の作品群に長く足止めされてしまいます「ああ、やっぱりこの時代が一番気になる」。中でも、マリア・ブランシャール「ランプのある赤い静物」との出逢いを心に留めるべく、暫し展示室のソファに腰をおろし佇みました。

日本美術をひも解く-皇室、美の玉手箱@東京藝術大学大学美術館 on Sep. 15th,2022

蒙古襲来絵詞、北野天神縁起絵巻はメディアで一度は耳目に触れたことのある著名作品ですが、そうか皇室コレクションか。ここで逢えました。他にも奈良、平安期以降の作品群を観ることが出来、日頃は特に意識していない仮名文字という日本独自文化を認識する機会にもなりました。
若冲の動植綵絵は全幅を鑑賞済ですが、今回はその内の十幅が登場。改めてその微細な超絶技巧に、再度参りました。
横山大観「飛泉」、モノクロームな描写はこれまで知るものとは違ったイメージが新鮮で、強く惹きつけられました。
惜しむらくは、会期前半展示だった狩野永徳「唐獅子図屏風」が観れなかったこと。次の機会は果たしていつになるのか…

ゲルハルト・リヒター展@東京国立近代美術館 on Sep. 28th,2022

多彩な色使いのアブストラクト作品、同じような重ねる筆致でもお互いの差異は明確。カラフルな作品が多い中、幾つかのグレイに目を奪われ、至近で眺めるとその繊細な筆あとに惹き込まれます。また、アラジンというシリーズでは偶然による色彩と構図が織りなす華やかさと少しの妖しさに立ち止まります。
アウシュビッツの写真4葉、ドレスデン出身であるリヒター展で観ることの意味は…
同館でのコレクション展と併設展ではビッグネーム作品も楽しめ、新たに気になる作家として岡鹿之介に出会えました。記憶に留めます。

響きあう名宝ー曜変・琳派のかがやき@静嘉堂丸の内 on Oct. 18th,2022

世田谷からお濠端に移館されての記念展。岩崎家の日本と中国の名品が勢揃いです。
曜変天目は二度目。小振りな姿に映えるブルーの彩りに宇宙を感じてしまうのは私だけでしょうか。かたや油滴天目は、その全身にぐっと抑えたシックな装いを纏い、いづれの器も素晴らしく暫し惹きつけられました。
琳派の作品では、やはり蒔絵、螺鈿を用いたものに魅かれます。中でも、「秋草蒔絵謡本箪笥」の風雅さ、原羊遊斎「八重菊蒔絵大棗」「片輪車螺鈿蒔絵大棗」の侘び寂びと華やかさの取り合わせ、に刻を止められました。
此処でも乾山の色絵皿にはしっかり存在感が有りました。気品やエレガンスさを感じる磁器「五彩牡丹鳳凰文盤」「豆彩龍鳳凰文盤」にも出逢えて満足です。

ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展@国立西洋美術館 on Dec. 7th,2022

日本初公開が実に76点! その中で、また色んなピカソに出逢うことができ、これまでよりも彼の画風の変遷をしっかり感じ取ることができました。
ピカソでは「帽子の男/ジョルジュ・ブラックの肖像 」「マ・ジョリ 」ギター静物3点「多色の帽子を被った女の頭部 」「黄色のセーター」「男と女(同館所蔵)」「闘牛士と裸婦」に惹かれました。
また、クレーのコレクションが充実しており、中でも「中国の磁器」の緻密な描写と色組合せに捕われました。マティスのポスター風3点もその色づかいが目を惹きます。

DESIGN MUSEUM JAPAN 展@国立新美術館 on Dec. 15th,2022

13人の著名クリエイターが日本各地で探した”デザインの宝物”。
テキスタイル・服飾や建造物、道具だけではなく、伝統文化や機能アイデアにもデザインは溢れていることに気づかせようとします。日本の至る所にそれらは在るのだと。
では、全てのものがデザインなのか? この催しは「鑑賞者自身にとってのデザインとは?」を問いかけているんです。
私自身にとってデザインとは? “ヒトそれぞれがより良く生きるための基本となる構想”

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