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五里霧中の若者たち

地球のため、全人類、夜は戒厳令(209)

「五里霧中の若者たち」


2月7日の読売新聞夕刊「発言小町」のトピには、若者が羨ましい旨の発言が出ていたが、私はこれとは考えを異にする。

私もすでに還暦を迎えており、二十歳からは40年以上の人生を積んできた。いろいろな体験経験を重ね、見聞もそれだけ集めた。振り返ってみるに、この40年をもう一度やれと言われたらベソをかきたくなる。楽しいこともあったが、こればかりではなかった。

ましてや、これからの40年は我々のものとは様相がまったく異なる。

40年前は、40年後がどうなっているかなんて想像できなかったが、少なくとも国や地球がどうにかなってしまうなんて考えもしなかった。

今はどうだ。昔は経済はまともだったし、冷戦ゆえ、かえって泰平が保たれていた。希望の方が大きかった。

今から40年後の想像がつきますか。

地球沸騰化が収まっている保証はない。むしろ未だに温度が下がる気配がないのであるから亢進している可能性の方が圧倒的に高い。もちろんそれに伴い地球環境や気象が荒ぶるに違いない。

無害化する技術を人類は未だ手に入れていないのに、平和利用に限らず、核燃料・核兵器を手放すつもりがない。原発事故や核戦争も未来永劫起こらない保証もない。

海洋に漂うプラスチックを回収する技術も未だにない。

地球上における戦争や兵器の総量も増え続ける一方だ。

資本主義経済ももはや制度疲労を起こし、とても人間のためのものではなくなり、経済がサイコパスの化身のようにさえなっている。人類は地球のことなんかそっちのけで、サイコパス経済に魅了されてしまい、そんなサイコパス経済に命がけで尽くしている。洗脳までされてしまい、もはや人間のアイデンティティは「消費すること」になってしまった。

地球人類がこんな状態で、今後40年間、泰平が続くだろうか。あるいは、泰平を回復できるだろうか。

私たちは長老たちからそんな懸念は一度たりとも聞いたことがなかった。

長老となった私たちは、いろいろな事実や懸念を若者たちに語れる。

今の若者たちがかわいそうで仕方ない。

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