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スピッツ屈指の名バラード曲「流れ星」徹底考察してみた!

初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもお世話になっております。

朝霧くもりと申します。


私が一番好きなアーティストはスピッツなのですが、今回は特に一番好きな曲である「流れ星」の歌詞を考察したいと思います。

この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。

それでは行ってみましょー!



「流れ星」の基本情報

流れ星はスピッツの20枚目のシングルとして、1999年に発売された曲です。
また、2021年の花鳥風月+の一曲目としてアルバムに収録されています。

Spotifyでの再生数は2024年4月13日地点で217万433回で、中堅どころの曲といえるでしょう。


知名度は高くありませんが、The spitzというようなメロディや進行が特徴です。

一方で、歌詞は意味深な部分が多いです。
草野マサムネさんが作詞作曲を手掛けた曲の中でも、かなり解釈性が高いと言えるでしょう。


そこで、今回は歌詞を徹底考察しました!
音楽に関しては無知な部分や曖昧な部分が多いので、有識者の方にお願いしたいと思います。

歌詞はこちらからご覧いただけます。


大前提として、解釈は人によって自由です。他の方の意見を否定しているわけではないことを事前に述べさせて頂きます。

では、考察を始めましょう!

※非常に長い為、時間が無い方は「まとめ:この曲のストーリー」からお読みください。根拠は全て本文に書いてあるため、お時間があるときに遡ってご覧いただくと良いと思います。


歌詞考察

1番Aメロ:人生を一人で考えていた

歌詞:  僕にしか見えない地図を
     拡げて独りで見てた
     目を上げた時にはもう
     太陽は沈んでいた


「僕にしか見えない地図」とは、恐らく人生のことでしょう。

まず、「僕にしか」という所から、他人とは共有できないものを指していると考えます。
つまり、その後の「地図」はその人の個性や性格などに由来する何かの比喩ということです。

さて、人によって異なる「地図」に例えられるものと言えば、人生が挙げられます。
時間の流れを「道」、人生の岐路を「分かれ道」とすると、歩んでいる人生は地図のようになります。


地図を人生の比喩と考えると、「地図を拡げて独りで見てた」という歌詞には二種類の可能性が考えられます。

一つ目は、人生を振り返るという意味です。この場合は、想定する年齢層は40~60代になります。

二つ目は、将来を考えるという意味です。この場合は、想定する年齢層は10代~20代前半になります。


また、この部分では「独り」という歌詞が重要です。
「独」は文字通り孤独を表しており、「僕」には人生を共有できるような伴侶や友達がいないことが推察されます。


さらに、「目を上げた時にはもう 太陽は沈んでいた」という歌詞から、日中にそんな地図を読みふけっていたという事になります。

基本的に日没は人間の活動時間の終わりを告げる時間です。
このことから、人生の終わりが近い60代の人が人生を振り返っていた、という意味の方が強く聞こえます。



未来を見ていた20代を指すのであれば、「太陽は昇っていた」という表現の方が夜型になりやすく日中が忙しい若者に適切な表現のように聞こえます。
つまり、若い人が日中にぼーっと考えてしまっているという場合は、何か極端に悪いことが起きたか、不安なことがあるかになります。

また、歌詞の冒頭の「僕」という一人称が幼さを表している事から、「僕」の精神年齢は成熟しきっていないことが推測されます。
追加で、恐らく男性であることも分かります。


以上の考察から、1番Aメロの歌詞は

  1. 精神が成熟しなかった老人が、一人で人生の後悔を振り返っている

  2. 若者が何かしらの過ちを犯し、過去と未来を考えて塞ぎ込んでいる

のどちらかであると推測します。


1番Bメロ:恋心は実らず、思い描いた未来は一時凍結した

歌詞:  造りかけの大きな街は
     七色のケムリの中
     解らない君の言葉
     包み紙から取り出している

「地図」の比喩が人生であるとすると、地図に載っている「街」の比喩は人生で築いてきた財産、地位、名誉になります。

「造りかけ」であることから、まだその人の目的は終わっていないことが分かります。
また、「大きな街」であることから、その目的が大きいものであるということも推察できます。


さて、ここまで年齢の議論を行ってきましたが、年齢が特定できる部分が次の歌詞で現れます。

それは「街は七色のケムリの中」という部分です。

人生を振り返っているなら、ケムリの中ではなく明瞭に見えるはずです。
築き上げた物が無意味になった場合も、ケムリではなく色褪せた、崩れ落ちたなど他に適切な表現があります。


決定的なのは「七色」になります。
七色ということは虹を示しています。そんな虹は風水で人生の波乱や困難を乗り越えて幸せを得ることを示すそうです(諸説あり)。

つまり、未来を夢見ている若者が、その未来が曇って見えなくなってしまった
でも、その雲は七色で、いつか虹になって成就することを示している……という解釈が最も適切になりそうです。


そして、街がケムリがかかってしまった原因がその後に述べられています。
「分からない君の言葉」という部分ですね。

さて、僕以外に「君」が出てきました。
ここまでの考察から考えるに、人生を共有できる伴侶(となるはずだった人物)を指しているはずです。

そして、「君」との未来を思い描いて大きな街を造っていたのに、今はケムリの中ということは……



そうですね、十中八九失恋でしょう。

「包み紙から取り出している」とあるので、その言葉が忘れられずずっと心の中に保っているのでしょう。

「包み紙」は繊細な物を包み込む用紙です。
箱などとは違い、破れてしまう恐れがあります。

恋心という、繊細な人間の部分の比喩と言えるでしょう。


1番サビ:好きな相手はたまに会う程度の関係だけど、相思相愛になって結ばれたい

歌詞:  流れ星 流れ星
     すぐに消えちゃう君が好きで
     流れ星 流れ星
     本当の神様が
     同じ顔で僕の窓辺に現れても


さて、曲名でもある「流れ星」が出てきました。

直後に「すぐに消えちゃう君」とあるので、これはBメロでも出てきた元恋人のことを指しているでしょう。


ということは、恋人のことを「流れ星」と表現していることになります。

歌詞にもありますが、流れ星は基本的に一瞬の煌めきでしかなく、長い間持続するものではありません
また、流れ星は偶発的に起こります。こちらがいつ流れるかを予測することは困難です。

ただし、人生で二度と会えないものでもありません
一日に二兆個も流れ星は存在するという説もあり、努力すれば一日に何回も見ることが出来るかもしれません。

つまり、「君」という人物はこちらからコントロールできず、また一瞬しか自分の前に姿を現さないが、会う機会はいくらでもあるということになります。


このことから、私は「僕」と「君」は付き合っていた訳ではなく、僕が一方的な感情を抱いていたのだと推測します。

また、僕は精神的な幼さから一歩を踏み出せず、時折会ったり話したりする君のことを眺めていることが、流れ星のように消えては現れると比喩されていると考えます。


このように考えると、1番Bメロの「君の言葉」とは告白に対する拒絶の言葉ではなく、日常の何気ないシーンで放たれた言葉ではないでしょうか。

「解らない君の言葉」とあるように、僕は完全に意味を掴み取れていません。
また、「包み紙から取り出している」ように、ずっと自分の中で反芻して意味を探っている段階になります。

少なくとも、街がケムリで隠されているという描写から、自分にとってマイナスな言葉ではあるものの、含みも存在することが確定しています。


これらを考慮すると、「私たちって友達だよね!」のような言葉がピッタリだと思います。

完全に否定されたワケでもなく、相手が恋愛感情を抱いていないわけでもありません。
しかしながら、恋愛に奥手な「僕」からすると、大きな壁となって立ちはだかっているわけです。



一方で、流れ星を不倫相手の比喩だと推察する考察もありえそうです。

一瞬しか会えず、こちらがコントロールできないのは確かに「僕」が独身で、「君」が既婚者なら成立します
また、将来的に君が今の配偶者と別れるという見込みから、「僕」が「君」との未来を思い描いていたが、遊びの関係だと拒絶されて未来が崩れたという話は辻褄も会いそうです。


しかしながら、夜にしか流れない流れ星に例えている=セックスする関係の暗示である、という考察は難しそうです。
理由は明確で、夜こそ夫婦揃っていないと不自然だからです。

逆に、不倫相手と会えるのは配偶者からの干渉が無い日中がチャンスでしょう。


1番Bメロの「解らない君の言葉」というのも微妙ですね。

不倫相手に拒絶される可能性は、常に頭の中にちらついているハズです。
ならば、言葉の意味は一発で理解できるでしょう。

一応、相手が既婚者であることに気づいておらず、「私既婚者だから、君とは結婚できない」というように初めて知ったのかもしれません。
そして、その言葉を受け入れられなくて現実逃避している、というのは完全にナシとは言えなさそうに見えます。


しかし、一番の矛盾箇所は1番Aメロの「七色のケムリ」になります。

基本的に既婚者からの拒絶の言葉は絶対で、覆るという事がありません。
つまり、その相手と結ばれる希望は全くないということです。

しかし、「造りかけの大きな街」は崩壊しているわけでも、そのまま放置されているわけでもありません。
ケムリに隠されているのです。

隠されているという事は晴れる見込みがあるという事です。また、七色なので将来の希望が無くなっているわけでもありません。


こういった背景を考えると、相手が既婚者だという事を初めて知って現実逃避している場面と歌詞が一致しないことが分かります。

以上の要素から、私は不倫の話では無いと考えました。



さて、かなり話が脱線してしまいましたが、この考察はここからがメインになります。
それは「本当の神様が 同じ顔で僕の窓辺に現れても」の意味の解釈になります。

まず大前提として、流れ星は願い事が叶う象徴である、という側面もあります。そして、神様も祈りの対価として願いを叶えて貰えるという話はよく聞くでしょう。
つまり、「神様」は願いを叶えるという意味で「流れ星」と繋がっています。

ですが、「流れ星」と異なり、「神様」は「君」とは違う人物として描かれます
そう考える理由は単純で、「本当の神様」という言葉は「偽物の神様」との対比になっていること、「同じ顔で僕の窓辺に現れて(○○しない)」という文章構造になっているからです。


では、「偽物の神様」とは誰の事でしょうか?
ズバリ、「流れ星」であり、「君」です。

流れ星は願い事が叶う象徴ではありますが、実際に願いを叶えてくれるわけではありません
あくまで迷信であり、願いを叶えたいという方向にメンタルが向く、といった程度が限界です。

しかし、神様は違います。
なんたって現実には存在が証明されていないのですから、どんな荒唐無稽な能力を持っていたっておかしくはありません。

よって、願いを叶える能力を持つ「本当の神様」に対して、流れ星は「偽物の神様」とわけです。


では、そんな本当の神様が現れる時の「同じ顔」とはどういう表情なのでしょうか?

僕が一方的な感情を抱いていたという推理に基づくと、同じ顔は「僕に向ける笑顔」程度で十分だと考えます。


何故なら、僕は奥手であり、中学生~高校生くらいの年齢であると推測されるからです。
普通に大学生で顔色伺って片思いなんて気持ち悪いですし、あって高校一年生位が妥当でしょう

そして、そのお年頃の男の子は恋愛の話となると、自分の中で妄想を膨らませがちになります。
付き合ったらショッピングしたい、手をつなぎたい、キスもしたい…etc.

そういった妄想が「僕」にとっては初めての「大きな街」なのです。
ウブでかわいいですね~~~


さて、1番最後の解釈は「同じ顔で僕の窓辺に現れて も (○○しない)」の○○には何が入るかということです。
窓辺に関しては、流れ星は窓辺から眺めるものだから本当の神様も窓辺に現れるという、マサムネさんのセンスが光っている部分です(考察要素ではない)。


まず、本当の神様は願いを叶える存在なので、「本当の神様が同じ顔で窓辺に現れて」は、「相手の女の子から笑顔を向けられて両想いになる」ことを指しています。

これが「君」からであれば、普通に承諾して幸せな人生を歩むことになるでしょう。
しかし、「本当の神様」からでは、その幸せを拒否するという文脈が「」から読み取れます。

では、本当の神様と君では、何が違うでしょうか?


それは意思である、と私は解釈します。

この解釈だと、「本当の神様」というのは「君」自身の意思が全く絡まない外的要因の事を指していると考えます。

つまり、「その女の子が幼馴染で両親も付き合いがあり、自然と意思を確認しないまま付き合う方向性に進んでいる」などの状況をひっくるめて「本当の神様」=「君」ではない存在と「僕」は考えているのではないでしょうか?

そもそも、「~だとしても」というような構文では、仮の話であるように思います。
つまり、「僕」が勝手に色々と妄想して、勝手に本人の意思じゃないとダメだと思っているのではないかという事です。
恋愛下手で本当にかわいいなぁ


1番の考察を最後に纏めます。

高校一年生くらいの男の子(僕)が、女の子(君=流れ星)に片思いをしていた。たまに会えたり会えなかったりしていたけど、横顔を見るたびに勝手に嬉しくなっていた。
しかし、何気ない君の一言で、女の子と結ばれるという結末を疑うようになってしまった。男の子は、日中もぼうっとしてしまうくらい、君の言葉の意味を考えては色々な妄想をしてしまう。


2番Aメロ:恋が芽生えた日を思い返す

ここまでで人物像はかなり把握できましたが、2番も難解です。
気を抜かずに行きましょう。

歌詞:  君の心の中に棲む
     ムカデにかみつかれた日
     ひからびていた僕の
     明日が見えた気がした


ここまでの歌詞は状況説明でした。

ですが、ここからは「僕」が恋に落ちたシーンの回想と考えます。

「君の心の中に棲む ムカデにかみつかれた日」が恋に落ちた日で、「ひからびていた僕の明日が見えた気がした」が恋愛で活気を取り戻したという事ですね。


そう考える理由は、ずばり「ムカデ」になります。

何で急に虫が出てくるか、疑問に思ったことが無いでしょうか?
しかも、かなり気持ち悪い系の虫です。


しかし、ムカデでなければいけない理由があるのです。

ムカデには顎肢という第二の口があり、この口を用いて獲物を仕留めます。その後、本物の口(歯板)で獲物を捕食します。
つまり、ムカデは狩りにおいて、まず一つ目の口で獲物を捕らえ、二つ目の口で捕食しています

これを恋愛に置き換えると、一つ目の口は「心を射止める」、二つ目の口は「両想いになって結ばれる」ことを指すと考えられます。

つまり、「君の心の中に棲む ムカデにかみつかれた」という歌詞は、まんま恋に落ちたことを示しているわけです。
ですが、噛みつかれただけで食べられていないので、恋はまだ成就していません


通常の生物では口は一つしかないので、噛みつかれる=捕食されるです。
つまり、相手の思い通りに恋に落ち、結ばれる所までがセットになります。

しかし、ムカデならどうでしょう?恋に落ちることと、結ばれることが二段階に分かれることになります。

つまり、男の子である「僕」は、恋心を鷲掴みにされながら結ばれる所まで行かない様子を「ムカデにかみつかれた(けど食べられてはいない)」と評したのです。
マサムネさんならここまで考えていてもおかしくは無いでしょう。


そう考えると、「ひからびていた僕の明日が見えた気がした」というのは、恋愛によって生きる意味を見つけたということでしょう。

仮に高校一年生と想像すると、「ひからびていた」状況は受験失敗が考えられます。
高校生でないにしろ、何かしらの期待に応えられず、生きる意味が分からなくなったという状況がピッタリです。


2番Bメロ:自分の過去を見つめ直す

歌詞:  誰かを憎んでたことも
     何かに怯えたことも
     全部かすんじゃうくらいの
     静かな夜に浮かんでいたい

これが「僕」の本当の気持ちだと考えます。

2番Aメロが回想だったことから、Bメロも何かの回想であるはずです。

二つ目の歌詞までは、その回想は「嫌なこと」というさらに昔のことになります。
そして、どんどんと深い部分に思考が沈んでいく様子が確認できます。

最後に、「自分が恋に焦がれるのは何故か」という最深部に辿り着いた時、「僕」は「静かな夜に浮かんでいたい」という本心に行きつきます。


つまり、この部分をまとめると以下のようになります。


「誰かを憎んでたこと」や「何かに怯えたこと」など、様々な感情が男の子の中で渦巻いていました。
2番Aメロで想像したように、何かを失敗したことで親を怨む気持ちや将来への不安など、嫌な事をたくさん経験したのでしょう。

しかし、それらが「全部かすんじゃうくらいの静かな夜に浮かんでいたい」です。
つまり、負の感情を吹き飛ばす位の威力があるけれど、安心できる何かが欲しいという事です。

1番の歌詞から察するに、それが恋心だったのでしょう。
そして、相手に求めるものは安寧であると気づきました


一応、「静かな夜に浮かんでいたい」=安寧と考えた考察を補足します。

静かな夜と聞くと、喧騒のない真っ暗な世界のことをイメージすると思います。
そして、そんな夜に浮かんでいたいとあります。

夜に浮かぶ、という表現自体も詩的でとても面白いですが、私は類似表現として水面に浮かぶ様子を想像しました。
そしてそんな水面に浮かんだ葉は、揺れたり動くことはあれど、水底に沈むことはありません。

つまり、真っ暗で静かな空間では、思考は沈んでいき悪いことばかり考えてしまう
しかし、それがぷかぷかと安定して浮かんでいるとき、「僕」は余計な心配をせず現状を享受できるようになる、というように解釈しました。

これを一言で纏めると「安寧」となります。


そして、ここではこの解釈が合っていると仮定して、この歌詞が存在する意味を考えます。
何故なら、他部分と違ってここだけは「僕」の状況ではなく感情を描いているからです。

そして、2番サビ、大サビと続く最後の歌詞となります。
構成的に、ここに最も大切なことが隠されているはずです。


私は、「相手の女の子に安心感を求めているだけだった」ことが男の子の恋愛が成就しなかった原因だと考えます。

そもそも、自分視点なので正確なことはわかりませんが、「僕」は「ムカデにかみつかれた」と恋に落ちた時を表現しています。
つまり、自惚れていない限り、相手の女の子から何かしらのアプローチがあったはずなのです。

ということは、「君」も「僕」に好印象を抱いていたという事になります。最初から相思相愛なのです。

ですが、「君」は「造りかけの大きな街」が「七色のケムリの中」に隠されてしまうような「解らない君の言葉」を「僕」にかけます。


先ほどは「友達だもんね!」という軽薄な言葉を例として挙げましたが、それでは何度も反芻して希望と絶望が入り混じるような言葉にはなりません。


ここまで考察してこそ、私は「今の君は嫌い」といった言葉を掛けられたのだと提示します。

つまり、「君」は過去に囚われて挫けていた「僕」に向けて、ある種の試練を与えたのです。
それは、過去の呪縛から抜け出してほしいというもの。

「君」の言動は全て愛から来るものですが、「僕」はそれに気づいていないんですね。
そもそも「君」が「流れ星」のような行動を示したのも、「僕」を試していたからかもしれません。


2番サビ+小サビ+大サビ:自分自身に問いかけ、覚悟を決める

歌詞:  流れ星 流れ星
     すぐに消えちゃう君が好きで
     流れ星 流れ星
     本当の神様が
     同じ顔で僕の窓辺に現れても

     流れ星 流れ星

     流れ星 流れ星
     本当の神様が
     同じ顔で僕の窓辺に現れても


「同じ顔」というのが表情である場合の考察は1番サビで行いました。

では、「同じ顔」が「(君と)同じ(安らぎを与えてくれる君ではない女の子の)顔」という意味ならどうでしょうか?


なぜこの考察に行きついたかというと、「僕」が2番Bメロになって気づいてしまったからです。

それは、安寧を与えてくれる相手は「君」じゃなくても良いのかもしれないということ

別の誰か、つまり「君と同じように笑顔を向けて付き合いたいと言ってくれる君じゃない人」と結ばれる結末でも、安らぎを与えてくれるという僕の欲求は満たされます。


それを、僕自身が自問自答したのです。

本当に「流れ星」である「君」じゃないとダメなのかと。



でも、ダメでした。「すぐに消えちゃう君が好き」だったのです。

つまり、サビの真の意味は「僕」の自問自答であり、覚悟です。


そして、自問自答を1番サビ、2番サビ、小サビ、大サビで繰り返します。

1番サビでは自分自身の深い所まで考えられていませんでした。
結果は変わらず、「僕」は自分が本当に求めるものを考えます。

2番サビでは、ようやく自分の問題点を見つけることが出来ました。
覚悟を決める自問自答を二回、三回と行うことで、自分の意思を確固たるものにします。

この覚悟こそが、「僕」が「君の言葉」を乗り越える最後のピースです。


このように考えると、歌詞一つ一つに意味が込められていて、全てを聞くことでストーリーが完結するようになっていますね。

100%とは言いませんが、ここまでしっかりと考察したのだから70%は合っていて欲しいと思います。


まとめ:この曲のストーリー

かつて「僕」は何かで大失敗を犯し、他人を憎み見えない何かに怯える生きる意味のない毎日を過ごしていた。

そんなある日のこと、「君」が「僕」に惚れたことがきっかけで、「僕」にアピールを始めた。そんな「君」の努力のおかげで、「僕」は「流れ星」のような「君」の虜になった。

しかし、「君」は「僕」が過去を引きずったまま生きていることに気づいた。そんな「僕」に代わってほしくて、「僕」が本当に「君」じゃないといけないかを試したくて、「君」は「僕」を拒絶する嘘を付いた。
それが「解らない君の言葉」の正体だった。

「僕」は裏切られたと思い、再び塞ぎ込むようになった。思い描いていた君との輝かしい未来が、人生がケムリに覆われていくようだった。

「僕」は「君の言葉」の意味を何回も考える。
そうして行きついた答えは「静かな夜に浮かんでいたい」という安寧を求めていた自分の欲望だった。

「僕」は「君の言葉」の真意に気づいた。そして、その意味を何度も反芻した。
それは「君」じゃなきゃダメなのか。
「流れ星」ではなく、本当の願いを叶えてくれる「本当の神様」じゃダメなのか。

度重なる自問自答の末、「僕」は答えに辿り着いた。それは過去のしがらみとは関係なしに「君が好き」ということ。

そうして、「僕」は再び「君」の前に現れる。
「君の言葉」に対する答えと、告白する覚悟を持って。



〆の挨拶

ここまでお読みいただきありがとうございました!


なんと、考えながら書いていたら約9600文字を4時間ぶっ通しで書いていました……。

結果として、青春の淡い恋愛を5分の歌に凝縮した曲である、という結論になりました。
そして、この曲の事がもっと好きになりました。

次はスピカ、ホタル辺りでも考察してみようと思います。


参考になった方はいいね、フォロー頂けると励みになります!

それでは次の記事でまたお会いしましょう!
サラダバー!!!


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