お手伝いしたがる息子に、エプロンをあげることにした。
きのう、夕食を食べ終えたときのことです。後片付けで夫が食洗機に食器を並べていると、不意に上の子が言いました。
「○○くんもおてつだい、したい」
ついに、キターーー!
心の中で、思わず叫んでしまいました。
なにを隠そう、わたしはこのセリフをずっと待っていたのです。ほんの少し、恐れを抱きながら。
子どものお手伝いは、子どもがやる気になったときにやらせてみるのがよい。
ものの本によると、そのような内容が書かれていることが多々あります。
「でも、それって難しくない??」
と、わたしは思っていました。
だって、急いでご飯作ってるときに言われてしまったら、「いいよ!」なんて笑顔で言ってあげられる自信がなかったから。
「早く作りたい」気持ちと、「子どものやってみたいを尊重したい」気持ちの間で、葛藤するのが目に見えています。
いざ手伝ってもらうと決めても、気持ちを切り替えられなかったら、途中でイライラし始め、態度やことばに表れてしまうでしょう。早く作りたいのに、と。
そうしたら、せっかく手伝いたいと思ってくれたのに、全然楽しくない経験になってしまう。
かといって、「今は難しいから、また今度お手伝いしてね」と言って受け入れなかったら…その"今度"はもう来ないかもしれない。
やりたいと言われる状況によっては、受け入れても、受け入れなくても、その意欲を上手に育ててあげられる自信がなかったのです。
そんななか、昨夜はまさにベストタイミング。親にも時間にも、余裕がありました。
「○○くんもおてつだい、したい」
子どもに言われ、わたしと夫で目配せして、「いいねぇ、やってみようか!」と答えました。
「じゃあ、保育園で使ったお弁当と水筒、洗ってみるか?」
と夫が声をかけます。
4月から新たに持っていくようになった、お弁当箱と水筒。どちらも大好きなプラレールの絵が描かれていて、子どものお気に入りです。
子どもは「うん!」と元気よく答え、出した踏み台の上に乗ります。夫と子どもが仲良くキッチンの流しに並びました。
こういうとき、口うるさいわたしは見守るのが1番。後ろからスマホを構え、成長記録撮影隊に徹することにしました。
「まずは洗剤をつけてー」
と夫がやり方を教えます。小さい手で、スポンジをにぎにぎ。
「お弁当箱のなかを洗って〜そうそう。いいじゃん、いいじゃん。このすみっこの方はどうですか?」
夫がうまくのせながら、楽しそうに洗い物。なんと微笑ましい光景。
お弁当箱のふたの外側を夫が指して、
「こっち側の電車は洗えてますかー?」
と言うと、外側に描かれたプラレールも上手にゴシゴシ。
「うれしいって、いってる」
子どもからこういう表現が出てくると、こっちが嬉しくなります。
「電車も気持ちいいっていってるねぇ」
と、父と子のほっこりする会話を、黙々と動画におさめるわたし。え〜仲間に入れてほしいんですけど…
そんなこんなで、全てを無事洗い上げた子ども。え、できちゃうの?
正直なところ、「4月からはお弁当箱と水筒を持っていくのか。洗い物増えて大変だな…」と思っていました。
ただ、4月になったから進級しただけ。そう考えていました。
でも、それだけじゃなかった。子どもはちゃんと成長していたんですね。親に言われなくとも、本当にぐんぐんと育っていくんですね。
いつまでも赤ちゃんの扱いではダメなんだと、気付かされました。いつの間にこんなに成長したんだろう…と嬉しいような、さみしいような。
洗い終えたあと、子どものシャツが濡れてしまった様子を見て、夫がひとこと。
「〇〇にエプロン買ってあげたら、いいんじゃない?」
そうだね。
子どもが少しずつ大きくなって、自分でやりたい/できるが増えてきて。
親として子どもの面倒を見るだけでなく、サポートしていく場面が増えていくんだろうなぁと思ったら、エプロンがその象徴のように感じられました。
働くひとのためにある、エプロン。
それを準備するということは、子どもの自立を応援するということ。
子どものやりたい気持ちにいっぱい寄り添ってあげたいけど、自信がない。そんなわたしのお守り代わりにも、ちょうどいい。
子どものお手伝いが、楽しい記憶とともにありますように。
そんな願いを込めて、子どもにお仕事エプロンを準備してあげたくなりました。
あわよくば、たくさんお手伝いする子になってほしい…
そんな欲も、すこーし込められたエプロンがどれくらい活躍するのか、楽しみです。
それでは、よい一日を。
ごきげんよう
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