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ちょっとした夢

まだ、ほんの夢。抱いたばかりの、まだ心拍すら確認できないような、小さな小さな夢。

いつか、トラウマに苦しむ人たちを助ける手段として、クリエイティブ・ライティングをセラピーとして導入したい。日本で。日本語で。もうあるのかもしれない。もしもうあるのなら、もっと普及させたい。

子供の頃、私は心理系の世界に進みたかった。カウンセラーになりたかった。自分が傷ついた子供だったからだと気づくにはまだ時間が必要だったけれど、自分には傷ついた人を癒すことができると無根拠な自信を持っていた。

文学畑に進んだ。色んな作品を通り過ぎるうちに、作家たちのトラウマというものに目を向けるようになった。読者じゃなくて、作家の。書くことは癒しになる。それは自分自身の肌感覚としても知っている。もしかしたら、偉大とされる文学を書いてきた作家たちも、その癒しを求めることがあったかもしれない、と。

クリエイティブ・ライティング。欧米では学問分野として確立されているもの。日本でもあってもいいと思うのだけど、なんで大学にはそういう分野があまりないのだろう。大体、「クリエイティブ・ライティング」とカタカナで言わなければならない時点で、浸透していないんだなと思う。創作。執筆。

一つ一つの点が繋がって、薄く薄く一本の線を描く。

ただ、この夢を叶えるには自分ひとりの力では絶対に足りない。私は文学畑の人間で、それはすなわち人文学の世界の人間だということで、臨床的な現場の人間ではないから、患者のもとに辿り着けない。誰かの手を借りなければ、絶対に届かない。それでも、なんとかして叶えてみたい。叶わなくても、いつか叶うものの途上の一歩になりたい。

幸せな人が多くいてほしい。多くの幸せがある世界になってほしい。それを、アカデミアの人間が願うことは、悪ではないはず。

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