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【ショートショート】秘密のパーティー

この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。

山本は一流企業のエリートとして成功していたが、毎日のルーティンに虚しさを感じていた。

昇進やボーナスには満足していたが、どれだけ仕事をこなしても心の空虚感は埋まらなかった。

そんなある日、「人生にもっと毒を」と書かれた黒い招待状が届いた。

興味をそそられ、指定された住所に向かうと、豪華な邸宅が彼を迎えた。

仮面をつけた招待客たちが異様な歓待をし、豪華な食事、奇妙なゲーム、禁断の秘密が次々と明かされる。

山本は現実を忘れ、非日常の世界に酔いしれた。

目が覚めると、それが夢だったことに気づいた。

しかし、現実に戻った山本のもとに再び黒い招待状が届く。

驚きとともに封を開けると、また同じカードが出てきた。

「人生にもっと毒を」

山本は苦笑しながら、「これが現実か…」とつぶやき、その夜も再びパーティーへ向かった。

次の日、同僚が言った。

「山本さん、また昨日も遅くまで残業だったんですか?無理しすぎですよ」

その瞬間、山本は自分がずっと幻想の中で生きていたことに気づいた。

毎晩のパーティーは実は会社の残業で、豪華な食事は夜食、奇妙なゲームは仕事、禁断の秘密は会社の機密情報だったのだ。

デスクにはまた新しい黒い招待状が積まれていた。

山本は苦笑し、「せっかく現実から目を背けていたのに」とつぶやきながら、招待状を手に取った。

その時、オフィスの電話が鳴り、上司の声が聞こえた。

「山本君、今夜も遅れないでくれよ。君がいないと、誰がこの地獄を楽しくするんだ?」

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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