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ヤグルマギク

「美学」

僕には美学がある。

これは、嫌だ。

これは、ダメ。

これは、いい。

これは、幸せ。

そんな、僕にとって

法則みたいなものが沢山ある。

例えば、

横断歩道で車が止まってくれたとき

会釈を必ずする。

とか、

コンビニでレジで会計した後

必ず「ありがとうございます。」

を言う。

とか、

こんな、ちょっとしたくだらないことに

法則がある。

それは、たぶん他の人からすれば

そんな神経質にならなくても。

と社会の汚れたところを頑なに見せないように

見栄を張って言うかもしれない。

でも、

僕は自分の中にある美学が好きだ。

それは、自分を少し認めているところかもね。

それでもね、

ときどき窮屈になることがあるんだ。

もう、いっそのこと、

自分の中にある美学なんて全部捨てて、

破天荒に声を荒らげながら全てを台無しにしたい。

と思うときが少なからずある。

けれど、

それでも、

僕は自分の中にある美学を捨てたくは無いのだと、

その度に思わせられる。

だって、その僕の中にある美学は

自分の中にある

"何か"を壊して壊して壊し尽くして、

それでも残ったものだけだったから。

美学は、綺麗だけど汚い。

美学は、暖かいけど冷たい。

美学は、

泣きたいくらい穏やかで、

泣きたいくらい悲痛なんだ。

僕の美学はそんなもの。

大事にしたいけど、壊したい。

アンバランスで、アンビバレントな、

僕の美学。

「君に美学はある?」

美しくなくてもいい。

そんな美学が。

ファインダー越しに目が合う。

「まぁ、君にはないか。

人間じゃないもんね。」

そう僕は黒猫にポツリと呟いた。

「君は、いいなぁ。

美学なんてなくても美しいから。」

また、ファインダー越しに目が合う。

すると、黒猫は艶やかな黒を押し付けて

僕の膝の上で寝てしまった。

「やっぱり、君は自由だ。」

美しい黒を僕はゆっくりと撫でた。

「そして、やっぱり、君は美しい。」


AIで作曲しました。
よろしくお願いします。

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