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#大学生
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#9
第二幕 靴を落とした少女5:使用人
私は、その日、一睡もすることができなかった。
………………………………………
朝日が昇り、今日も1日が始まる。
清が清がしい朝とは反対に、私の心は沈んでいた。
エラは、私が、一睡もできなかったことは梅雨知らず、うーんと気持ちよさげに伸びをしていた。
私は、昨夜のエラに対しての恐怖がまだ少しばかり残っていた。
そして、見てはいけないものを見てしまったかの
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#8
第二幕 靴を落とした少女4:光と影
これからの、彼女との道のりは長くなりそうだとそんな気がした。
……………………………………
「その服、目立つから、着替えた方がいい。」
消え入りそうな、
その言葉に私は、深くうなずいた。
「わかった。」
そういって、エラは悲しそうにうつむいた。
そして、
「私は、シンデレラだから、あまり近づかない方がいい。」
微かにでつぶやいた。
私は、なんだか
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#7
第二幕 靴を落とした少女3:ボタンの秘密
結局私は、その一部始終を見守ることしかできなかった。。。
………………………………………
そのあと彼女を追って、私は今、ボロボロな屋根裏部屋にいる。
彼女は屋根裏部屋に連れていかれた後、「この部屋で寝なさい。」と継母にぴしゃりと言われ、扉をバタンと閉められてしまった。
彼女は、その場に座り込んだ後、そばにあるボロボロになったベットに頭を伏せてしくしく
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#6
第二幕 靴を落とした少女2:灰かぶり姫
彼女の母親らしき人がこう叫んだ。
「シンデレラ!!!!」
シン……………………………デレ…………ラ??????????
………………………………………
私は、まさかと思い呆然と立ち尽くした。
待って。今の女性、シンデレラって言った??え?待って待って。頭の処理が追い付かない。あの彼女がシンデレラということは、ここは物語の中ってこと??
いやでも、あり
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#5
第二幕 靴を落とした少女1:透明人間
私は、恐る恐る言葉を発した。
「ここはどこ?」
…………………………………
すると、目の前で女の人が周りを見渡し、首を傾げた。
「???」
そのとき鳥がチュンチュンと鳴いた。
そして彼女はポツリと小さな小さな声で
「やっぱり、さっきのは鳥のさえずりね。」
そう呟いて、私に水をかけた。
私はその言動に身構え、驚愕した。
ど、ど、どういうことだ?!
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#4
第一幕 開かれた扉4:本とボタン
本を借りた日から数日。
私は大学の勉強とバイトに追われていた。本を読もうと思っても、家に帰ってもすぐに寝てしまい、まだあの本を読めていない。
今日も疲れた。
帰るとすぐに、ベットに自分の身を放り投げた。ベットに横になりながら、大学のことやバイトのことに思いを馳せた。そうしているうちに、だんだんと瞼が重くなっていくのを感じ、気がついた時には深い眠りについていた
【小説】おとぎ話の世界で君ともう一度#3
第一幕 開かれた扉3:一冊の本
外のセミが耳を貫くような音を奏で、ぎらぎらと照る太陽とは裏腹に、図書館に入ると、足音だけが音を立てるほど館内は静かで、ひんやりとした涼しい風に包み込まれた。私は足早に、学生証を窓口にあるセンサーにかざし、人の密集していない、まばらなところを目指す。そして、やっとお目当ての勉強机にたどり着く。ここまでの一連の流れに、緊張の糸がほどけると共に、ほっと一息ついた。
図
【小説】おとぎ話世界で君ともう一度#2
第一幕 開かれた扉2:憂鬱
私は篠宮(しのみや)璃羽(りう)。
都内の大学に進学している大学生だ。
そう。私は何の変哲もない、ありきたりの平凡な大学生。
昔から言われている「大学生は、人生のバカンス」という言葉は、私にとって、まるでユートピアか何かと勘違いをしている大人のたわごとでしかないと思っている。そして、今の私は、色鮮やかなバカンスには程遠い。大学に行って、家に帰っての繰り返し。大学がない