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チェインフェリス-幸せの再定義#13

近頃目安箱にこのような意見が多い。
「幸せってなんですか?幸せを売っている僕たちが1番理解しなければ
 ならないのに理解できない人間が増えてきております。
 対策案をお願いいたします。」
社員数も増えたということで、改めて幸せとはなんなのかの再定義を行っても良いと思っていた。

役員会議にて
「我々のビジョンである『幸せ』がなんなのかが社員メンバーが
 迷走してしまっている。改めてなんなのかを考え直してみよう」
鈴木が間髪入れず
「一層のことこの曖昧な『幸せ』という言葉を取っ払って
 具体的な表現に変えてしまうことはどうでしょうか」
淳平・廣瀬も
「確かに今まで考えてきていないし、抽象的な状態だと
 統制ができなくなってしまう」
雄大は
「いや、待ってくれ。それだけは譲れない。
 淳平元々『幸せな世界を作る』という名目で起業した。
 鈴木さん。起業の当時にいないので、口出さないでください」
会議室は静寂な空気が流れた。

淳平が
「わかった。幸せはあえて抽象的な表現でいこう。
 この質問は『人それぞれの定義なので、あなたが思う幸せ』ということにしよう。」
役員会議はこれで終わった。
会議後淳平と雄大2人になった。

「おい、雄大。お前優さんに対して厳しくないか?噛みつきすぎだぞ」
「淳平。お前なら理解できるだろ?起業を一緒にした仲なんだから
 ビジョンで幸せをなくそうとしたんだぞ。」
「そうだけど」
「鈴木さんは確かに優秀だけど、ビジョンを変えさせようとしてきた。
 俺は少し居距離を置こうと思う」
「おい!お前社長だろ!そういうことを言うな」
「いや、無理だ。」
そのまま雄大は帰宅してしまった。

帰路の中久しぶりに妹の里奈から連絡があった。
「お兄ちゃん!ご飯いこ〜」
当然妹を何より愛している雄大からすると行かない理由はない。
タクシーを走らせて、里奈の元へ向かった。

「お兄ちゃん久しぶり!行こっか!」
行った店はなかなか良い値段がする店。里奈が予約をしてくれたらしい。

「チェインフェリスみんな見ているよ!本当に幸せになるし、
 芸能人の人も楽しそうにインタビューされていて、ほっこりする」
「ありがとう!みんな幸せになるって言うの?」
「うん!凄く記事見て元気になるって言っている」
「そっか!やる気出てきたわ」
2人の時間はあっという間に終わり、会計時に

「ここは私が払います!バイト頑張ったんだよね!」
「え!嬉しい!ありがとう。」
「みんなを幸せにしてくれたお礼だよ」

そうして楽しい時間が過ぎ、雄大は改めて社会において大きなインパクトを与えていることを認識した。

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