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奥日光花便り

日光の奥地へ、通いつづけて早3年。散策も慣れたものになってきました。標高1500mの湿原では都会の熱波を忘れ、心地よい風に花々が揺れます。

自分が風景写真を始めるきっかけになった場所であり、『奥日光の四季』というのが写真のテーマの一つとしてあります。

今回は日光に咲く花を主題に一つ記事を綴ってみようと思います。まあ格好良いこと言っても写真の腕はヘボなんですけどね・・・笑。


クリンソウ/千手ヶ浜

花の見頃を読むのは難しい。日々更新されるネット情報を頼りに、6月中旬の奥日光へ向かう。

行き先は『千手ヶ浜』、世の人々が『紫陽花』という大女優に見惚れる中、『クリンソウ』という小さく可憐な花に会いに行く。

千手ヶ浜から見る男体山

この時期は人気シーズンで『赤沼ビジターセンター』発の低公害バスは全日満員だった。

浜辺からは男体山が綺麗に見える日で、浜沿いの遊歩道を歩きながら期待に胸が膨らむ。

浜辺の遊歩道
木々は緑に、水面は青く輝く。

野鳥のさえずりが聞こえる遊歩道では鹿が歩いていて、こちらに気づくと森の中へ逃げていった。

2つの橋を渡ると目的の『クリンソウ群生地』が見えてくる。

湖畔に広がる群生地

その形状が寺院の"九輪"に似ていることからその名が付いたと言われる『クリンソウ』。群生地は広く、一面に小さな花が咲き誇っている。

敷地内には綺麗な小川が流れ、水面に映る花を眺めていると一匹のサルが水を飲んでいた。

水辺のサルとクリンソウ

花に囲まれ人も動物も心安らげる美しい場所だ。

戦場ヶ原

時はおなじく6月。『戦場ヶ原』では紅白の共演が見られる。

隣を流れる湯川が美しい新緑と木漏れ日の中を走っている。

新緑に包まれる湯川
いつ来てもこの川の流れは美しい

木道を少し進んだところに『ワタスゲデッキ』はある。

男体山を横目に日光連山を見渡せる展望スポットは、『ワタスゲ』の白い綿毛が一面に揺れる花の観賞ポイントでもある。

ワタスゲデッキ
小さな白い綿毛が風に揺れる

湿原全体で見ることができ、同時期に咲く『レンゲツツジ』も美しい。

ワタスゲの花自体は地味で目立たず、綿毛になってから存在を主張し始めるらしい。

雨が降ると萎んでしまうため綺麗に見えたのは日頃の善行の積み重ねであろう(違う)。

戦場ヶ原に咲くレンゲツツジとワタスゲ

小田代ヶ原

夏深まる7月からは、奥日光のもう一つの湿原『小田代ヶ原』では『ホザキシモツケ』と『ノアザミ』の群生が見頃を迎える。

この湿原を代表する一本の白樺『貴婦人』。その足下に目をこらすと『ノアザミ』が咲いている。

ただ小さいせいか、見頃を過ぎていたせいか・・・、咲いているのは分かるが写真には写せなかった。

貴婦人とノアザミ
拡大すると咲いているのが分かる

気を取り直して綺麗に整備された木道を歩いて行く。

木道の上ではトンボ達が羽を休めていた。近づいても全然動いてくれないので、踏んでしまいそうになるのを注意深く足を運ぶ。

手すりで休むトンボたち

『ホザキシモツケ』は大群生を作っていて、木道の周囲によく咲いていた。

やはり少し遅かったようで見頃過ぎ、すでに枯れている花が多かった。

白樺林に咲くホザキシモツケ

代わりを務めるように『キオン』の花がよく咲いていた。

モンシロチョウが止まるキオンの花

帰り道『戦場ヶ原』を通ってみると木道沿いに咲く『ノアザミ』に出会った。

また見頃の時期に来ようと決めた。旅は当分終わらない。

木道沿いのノアザミ
穂先が複数に分かれるものは特にニッコウアザミと呼ばれる。

奥日光の夏はいかがでしたでしょうか。

今回は群生する花をメインに紹介してみました。シモツケとノアザミはまた来年リベンジしようかと思いますが、他にも多くの花が咲きます。

『霧降高原』のニッコウキスゲも大群生ですし、平地では見ない貴重な花ばかりです。いつか一つ一つ出会った花を撮り集めてコンプしてみたいところです笑。

次は色づく湿原とカラマツ林を楽しみに秋を待ちたいと思います。

それではまた次のnoteで👍

コオニユリとハクサンフウロ/戦場ヶ原

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