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生きるとは
生きるとは、
幸せとは、
そういうことだったと
改めて気付かせてもらえる出来事がありました。
眼科に行った時のことです。
隣に、車椅子に座ったご年配の男性がいました。
付き添いの男性から
「お茶、飲む?」
と、差し出された水筒を黙って受け取り、
ゴクッゴクッとお茶を飲みました。
そして、一言
体中から響く声で染みわたるように
「うまいな~」と
満足そうにおっしゃいました。
水筒に入ったお茶を
本当に美味しそうに
本当に大事に味わうその姿に、
私は心を揺さぶられました。
生きるとは、
今、自分が出来ることをしっかり味わうこと、
できる幸せを実感することなんだと
ハッとさせられました。
私は、健康診断で引っかかり、
再検査をするために眼科に来ていました。
悪い事を言われたらどうしよう、
今まで通りでいられなくなったらどうしよう、
という不安とともに
待合室にいました。
失うことや
ないものを不安に思い、
それを手に入れるために必死になることは
ますます不安を増長させます。
その行為をしている間は、
今できることや
今あるものを見ていないからです。
本当は満たされたものがあるのに、
それが幸せであると噛みしめることを
私たちはつい、忘れてしまいます。
生きるとは、
何ができないかを探すことでも、
持っているものを競うことでもなく、
ただ、
今あるものを大切にすることなんだと思います。
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