妻は うつ病じゃなく認知症だった(8)
こんにちは。
珍しく仕事の合間にふらっとある城へ行ってみた。数年前に来たときは満開の桜だった。天気もいいので天守閣まで。ぼんやり色々と考えていた。家族って、家事の分担ってなんなんだ。
平日のスケジュール
AM5:30起床
ゴミ捨てし朝刊を取る。
上の子の弁当を作り、2人の水筒にお茶を入れ麦茶を沸かす。
下の子の宿題答え合わせし、だいたい間違いがあるので、起こしてやり直させる。36㎏の下の子を肩車で寝室からリビングへ移動する。毎日·····
上の子は夜風呂に入らずリビングで寝てるので無理やり起こして入らせる。
自分の珈琲を入れて、子どもたちの朝食を作り食べさせつつ洗い物をする。
洗濯機をスタートし自分の着替え。
子供の歯磨きや用意の確認をして、7時過ぎにようやく自宅を出る。
通勤の電車内で手早く日経新聞を30分ほどで読んで、勉強か読書を少し。
朝はだいたいこんな感じでバタバタ。
夜は仕事終わりにスーパーで買い物をして、帰宅後風呂に入りご飯を作って子ども達と話をしながら食べ、麦茶を沸かし洗い物をして、何とか夕刊を読み切って23時30分頃にようやく寝る日々だ。1人の時間なんて何もない。
のび太のように5秒で眠れて、一切夢も見なくなったのは疲れているからだろうか·····
なぜこんなに家事をしているのか?
結婚当時お互いに正社員として仕事をしていた。結婚生活が始まり、初めての共同作業でお互い戸惑っていた。26年前の当時は今とは違い家事は女性がすべきという風潮が色濃く残っていた時代だった。
しかし、妻の仕事は販売職なので休みは平日で朝と夜が遅く帰宅が遅いから、全てを負担させてしまうとメンタルか仕事が回らなくなることは明らかだった。
補完していこう
色々考えると、こちらがするしかないという結論しかなかった。
「先に帰ってるから、料理を作っとくよ」同様に「帰りが早いから保育園や小学校のお迎えも行くよ」
「土日祝は仕事なんだから、子どもの面倒見てご飯作って食べさせておくよ」
「家計の管理もしておくよ」
「あなたは、保育園行事関係やママ友の付き合い、会社の飲み会などコミュニケーション取ったりとかがあるだろう。俺は俺の出来ることをするよ。」
「お互いにできる人が出来ることをしていこうよ!」
周りからは見えないことがあるけど、各家庭みんなそれぞれでいい。
よく、周りから
「料理もしていないし、奥さんは一体何をしているの?」
「いや、仕事を頑張っているし、ママ友とか行事ごとの連絡とかかなー?」
「そんなん普通にみんなやってるやん!!みんな働いてもっともっと家事とかしてるよ!ご飯も作ってるし!」
「そうだけど······」
女性からはあまり理解されにくいようだ。
「奥さん病気になって大変ですね!」とよく言われるけど、日に何度も麦茶を沸かすことと、病気関係の書類が山ほど増えたくらいで私の負担はそれぽど変わらないのだった。
私は外交的というより一人が好きで、何なら珈琲を飲んで1日中ずっと読書して過ごしたいタイプ。実は、繊細さん一門の末席を汚している1人なのだ。
妻は外交的なので、主にコミュニケーションを担当し、私はそれ以外をする。
家ではママ友達とホームパーティーとかもよくしたり、楽しいことが好きだった。私は働いて、なにより明るく楽しくしている妻の姿が好きだった。
夫婦のあり方って背景や事情も違うから正解はないし、みんなそれぞれのスタイルでいいのだろう。周りが分からなくても。
家事分担の気付き
数年前に家族で来た城は、桜の開花には少し早くまだつぼみだ。色んな歴史があって現在まで残っている。あの時と変わらない。
人間はみんな凸凹で完璧な人間なんかいない。いたら面白いわけがない。夫婦はきっと自分のないものをお互いに求めるのだろう。ないものねだりなのだ。
誰にも言っていないけど、自分に持っていない妻の姿を見て、挫けそうになる気持ちを何度助けてもらったことか。いつも明るく楽天的な考えは衝撃で励まされていた。
独りだったならメンタルがどうなっていたか分からない。自分は弱い人間なのだ。
色んな家事をしているけど、それによって家族みんながいつまでも笑顔でいてくれればこの上ない幸せだ。
家事の分担をわざわざ考えないといけないものなのか。分担なんか関係ないのではないか。
難しいことなんか何もない。助け合って補い合っていけばいいだけだ。縁あってせっかく一緒になったのだから。
この長年の家事の歴史こそが、我が家の家事分担の気付きだ。
この先、この城を見た時に何を思うのだろうか。願わくば········
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