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らっくのLUCKY SNS novel

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響け雷鳴、轟け地鳴り、唸れ少女の咆哮【1600字の小説】

響け雷鳴、轟け地鳴り、唸れ少女の咆哮【1600字の小説】

 ベースを背負った少女が、道玄坂で人を避けつつ走り抜ける。
「遅刻遅刻〜」

 今時、走る少女とぶつかっても、始まるのはラブコメでは無く、SNSへの晒しや警察沙汰だろう。

 少女は目を見開いて、ケースの中で揺れるベースのチューニングペグを心配しながらも、走り抜ける。

 汗が酷い。シャワーを浴びたいが、そんな時間はあるまい。

 響け雷鳴、轟け地鳴り、唸れ少女の咆哮。まずは会場へ急がなければなら

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会社員女子が街で知り合った女子と、公園に行って同棲して百合な感じになって、最後は上手く行く創作小説

会社員女子が街で知り合った女子と、公園に行って同棲して百合な感じになって、最後は上手く行く創作小説

 カテゴライズを悩むまでも無く、彼女はロクデナシだった。大きな公園に設置された噴水ではしゃぐ子どもを見ては「私も遊びたい」と言い出し、やめときなよと諭すと「大人差別だ。産まれて間もない事がそんなに偉いのか!」と缶ビールを片手に騒ぎ出すような人だった。

 彼女との出会いは、渋谷では比較的新しいスポットである、新駅ビルの中のおにぎり屋さん。夜遅く、もう会社の定時なんて時間はとっくに過ぎたであろう時間

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