韓国佛教#06. 玉泉庵~巨大な石に掘られた仏様が拝めるお寺~
今回は山と川に囲まれた素敵なお寺の玉泉庵をご紹介いたします。
玉泉庵(옥천암)は、ソウル市西大門区(서대문구)弘恩洞(홍은동)に位置する大韓佛教曹渓宗の寺院です。
この辺りは地下鉄が通っていないので、行く場合はバスを利用することになります。最寄りの停留所は「弘智門・玉泉庵」で、バス停からは徒歩5分で到着します。
大韓仏教曹渓宗 玉泉庵(옥천암)
はっきりとした開創時期は分かっていませんが、李氏朝鮮時代の高宗5年(1868年)に明成皇后の命で浄観法師が観音殿を建立し、千日祈祷を捧げたことが記録に残っています。
「玉泉」とは「澄み切った泉」という意味です。ここから湧き出す泉には薬効があり、病を患った人がその水を飲むと病気が治ったという話が伝えられています。玉泉庵の普渡閣には達崖菩薩坐像(宝物1820号・ソウル市有形文化財第17号)があり、観世音菩薩である可能性が高いです。12~13世紀の高麗時代に建てられたと推定され、朝鮮時代の文人であった成俔が1525年に『慵斉叢話』で「仏巌」と記しているのが最古の記録です。開港以降は多くの外国人が訪問し、当時はこの磨崖菩薩坐像を白仏(White Buddha)と呼んでいたそうです。
(現地の案内板より。HPの情報を加筆しています)
◆川沿いを歩いて行くのがおすすめ
バスで直接行くのも良いですが、近くを流れている弘済川沿いを歩いて行くのもおすすめです。
四方を山に囲まれ、静かに流れる川のせせらぎを聞きながら歩いていると、心が洗われるようです。
◆門(三角山玉泉庵)
川に掛かる橋を渡るとすぐに、玉泉庵の門があります。
◆階段に飾られたかわいい瓦
門を潜り、階段を上っていきます。
階段には、可愛らしい絵が描かれた瓦が飾られていました。
◆鐘閣
階段を上ってまず現れたのは鐘閣です。
◆極楽殿
鐘閣の隣には極楽殿がありました。
磨崖菩薩坐像
玉泉庵といえば磨崖菩薩坐像です。高麗時代に造られたとされる菩薩像の大きさは10m以上にもなり、実際に見るとかなりの大きさで圧倒されます。
昔から多くの老若男女が祈祷師に訪れ霊験を得たことで有名だそうです。
1973年にはソウル市有形文化財第17号、そして、2014年には宝物1820号に指定された文化的価値の高い菩薩坐像です。
菩薩坐像の前にはカーペットが引いてあり、そこで祈祷ができるようになっています。渓谷を背にお祈りのも清々しくて良さそうですね。
菩薩坐像の裏はこのようになっています。自然の石をそのまま利用したのが分かります。地中に眠っている部分はどれほど大きいのでしょうか。意外に小さかったりして。ひょっとすると、数千年ーー、いや、数万年?もここにいたりするのでしょうか。
この線になっている部分だけ、岩の質感が異なります。
見えにくいとは思いますが、その箇所には小銭が置かれていました。
◆三聖閣
菩薩坐像の隣には三聖閣がありました。これもなんだかおもしろい造りになっていました。
失礼して中をのぞくと、仙人のような仏様(?)が祀られていました。しかし、窓の反射を見ても分かる通り、この仏様は明らかに外にいます。
こちらも石を掘って作られた仏像のようでした。隣にいるよく分からん虎?のような動物もかわいいです。
◆◆◆
玉泉庵は周りの自然も含めて楽しみたいお寺でした。
そういえば、薬効があるという湧き水はどこにあったのでしょう。結局、よく分かりませんでしたね。
ではでは😊
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