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ピコピコ

日本はそろそろ山菜の季節だろうか。

実はイギリスにも「Foraging」と言って野生の植物を食す文化がある。
木の実やナッツ、きのこ、ハーブ、野花、果実・・など食べられる野生植物は意外に多く、カモミールやミントティー、ローズヒップティーなどのハーブティーをはじめ、野生で群生しているブラックベリーを使ったデザート、チクチク葉っぱのネトルのスープ、野草野花のサラダなど、あとは適当にパンでも焼けば、家の周りにある物だけで1食まかなえてしまうほど野生の食材が豊富。

実際に、最近私は、白米だけ炊いて、毎日わらびワイルドガーリックばかり食べて暮らしている。


日本では「山菜」と呼ばれるわらびも、イギリスは元々低温多湿なので町の至るところにシダがあり、今のこの時期どこを見てもわらびだらけ。
家の周りにもわらびがたくさん生っているが、Foraging文化があるイギリス人でもわらびは食べないようで、”私専用のわらび農園”のような状態になっている。

そこらじゅうわらびだらけで、長くて太いわらびがたくさん採れるので、私はいつもきんぴらにし作り置きをしている。
ご飯によく合うので、白米だけあればこれだけでしばらく生きて行ける。
その他にも、ナムルにしたり炊き込みご飯にしたり、和え物にしたりする。

ちなみに。
イギリス人はわらびは食べないが、ニュージーランドのマオリ族は日常的にわらびやこごみを食べるそうで、クルクルとなったシダの新芽のことをマオリ語で「ピコピコ(Pikopiko)」とか「コル(Koru)」という。
ニュージーランド航空のロゴにもピコピコが使われている。


ワイルドガーリックは和名をクマニラというらしく、行者ニンニクのようなもの。
ペースト状にしてパスタに和えたりパンに塗って食べたりするのが一般的。
私はにんにく醤油漬けにして白ご飯と一緒に食べるのが好き。
すっごい臭いので出かける時はなかなか食べられないが、美味しすぎて、毎日毎食これと白米とわらびのきんぴらで良い。

ワイルドガーリックは直射日光の当たらない森の中に群生している事が多く、にんにくの良い香りに誘われて森に入ってみると、一面真っ白な花の絨毯が広がっていたりする。
この時期ワイルドガーリックの白くて可愛い花が満開で、本当に美しい。

とても幻想的で、小道を歩いているとまるでおとぎ話かなにかの世界に入り込んでしまったのではないかと錯覚する。
でも、とにかく、にんにくの匂いが凄い(笑)

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