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#10 英語の先生から日本語の先生へ

 မင်္ဂလာပါ။(ミンガラーバー)カウンゾーです。ボランティア先の学校は2月29日をもって夏休みに入り、3月4日から早速夏期講習がスタートしました。夏期講習は3月から5月までの3ヶ月間で、英語やタイ語、絵画教室にコンピューター教室、、と様々な先生が学校に来て授業を開講します。私は学期中ずっと英語を教えていましたが、夏期講習が始まり日本語を教えることになりました。今回はその日本語教室について書きたいと思います!

夏の始まり

 3月もあっという間に中旬を迎えました。セミが鳴き始め、家の犬たちは日陰でぐったり、メーソートを横切るアジアハイウェイには陽炎が揺らめき、本格的に夏到来!と言う感じです。今日も近所のかき氷屋さんは大繁盛、一方で扇風機の無い学校での授業は大地獄、、、
 そういえばこの前友人に「夜になったらおいで、ご飯食べに行こう」と誘われたので、6時過ぎに彼の家に行きました。すると、「夜って言っただろ!6時は夜じゃない!」と言われてびっくりしてしまいました。ただ、空を見上げると6時を過ぎても全然明るくて、確かに6時は夕方だと納得してしまいました、、、それくらい日が伸びて、1日の暑さのピークが4時過ぎまで続くような、そんな毎日です。
 そんな夏真っ盛りの学校で、日本語教室は始まりました。クラスは2つ、ひらがなカタカナがある程度できる子たちのAクラスと、本当に今からスタートするビギナーレベルのBクラス。先生たちで話し合って時間割をぎっしり決めて、各クラス一回2時間で週2回教えることになりました。学期中ほどでは無いですが、忙しくなりそうです。

月曜から土曜までぎっしり埋まった時間割。
夏期講習が始まってから申し込みに来る子どももいる。

Bクラス(ビギナー)の授業

 ビギナークラスは本当に日本語の知識はゼロ、今からスタートする子どもたちへの授業です。初回授業では日本語の簡単な挨拶(おはようございます、こんにちは、よろしくお願いします、ありがとうございます、行ってきます、ただいま、またね、などなど)を練習し、自己紹介も練習しました。自分の名前、年齢、ニックネーム、住んでいる場所や趣味などを言えるように練習し、初回の授業を終えました。
 2回目からはいよいよひらがな・カタカナです。日本の家族から送ってもらったひらがなドリルを使って授業を行います。止める、はらうなど細かいところまで教えるのは大変ですが、まずは読み書きができるようにスローペースで進めていきます。
 実は少し前からホストファミリーの弟や学校の先生に日本語を教えていますが、やはりなぞって練習するにはこういうドリルが無いと難しく、現地にはひらがなやカタカナのドリルが無いので書くのを教えるのは大変です。ドリルは本当にありがたい、、、

100円ストアで買ってきてもらった、ひらがなカタカナの練習ドリル。最初はなぞって練習するのが大事。

Aクラス(アドバンス)の授業

 Aクラスは日本語の学習経験があり、ある程度ひらがなカタカナの読み書きができる子どもたちを対象としたクラスです。こちらのクラスでも初回は自己紹介や挨拶などを教えてアイスブレイクを行いましたが、2回目からはガッツリ授業に入っていきます。
 こちらの授業で使うのは、国際交流基金(The Japan Foundation)が出している「いろどり」という教科書です。こちらは国際交流基金が独自に定めたJF日本語教育スタンダードのA1およびA2レベルを対象とした教材です(JF日本語教育スタンダードでは日本語のレベルが初級のA1から上級のC2まで6段階で表されます)。下のリンクはいろどりのビルマ語バージョンですが、他にも様々な言語に対応しています。

 文法を基礎から学ぶといったような趣旨ではなく、日本での日常生活に役立つような「話す・聞く」を中心とした教材です。様々なシチュエーションがイラストで用意されていて、まずは会話を聞き、少しずつ内容を理解しながら会話音声と同じように話せるように練習していきます。会話の中で出てきた重要な文法事項などは後でおさらいできますが、基本は聞く力と話す力を養うのが目的です。
 教科書はPDFで生徒にも共有できるし、音声も含めて全て無料でダウンロードできます。やはり講義のように淡々と文法などを教えるよりも、実際に耳で聞いて口を動かしてインタラクティブに授業を進めていく方が楽しく生徒も集中して聞いてくれます。そういった会話重視で日本語を教えるにはこちらの教材はぴったりだと思います。

授業の風景

 また、こちらのAクラスでは生徒の要望で漢字も教えています。使っているのはちびむすドリルと言うサイトです。こちらは8文字で一まとまりになっているので、一回で8文字、何回か教えたら復習テストと言う形で教えています。しかし、訓読みや音読みといった何種類も読み方がある漢字などは教えるのが大変で、少しずつゆっくり教えていく必要があります。


 今回は夏期講習の日本語教室でどのように日本語を教えているかと言うことについて書きました。残り2ヶ月を切り、すでに現地で出会った人たちとの別れが寂しくなってきていますが、最後まで日本語の授業をやり切りたいと思います。それでは次回のメーソート滞在日記をお楽しみに!

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このブログについて

 このブログは、任意団体Listening to Communities(LtoC)の紹介を通じて、現地ボランティアの機会を得た日本人の学生が書いています。LtoCは、タイ国境で暮らすミャンマーの土地を追われた人々や、弱い立場にある移民の人々を支援する団体です。日本の学生と現地をつなぐ教育・交流活動も行なっています。団体の詳細についてはこちらをご覧ください。

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