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寄付実施のご報告#1(移民学校への支援)

代表の大場です。皆さまからお預かりしたご寄付が現地に届きました。noteでは初めての寄付実施のご報告ですね。お伝えできる日がようやく来たような気持ちで、とても嬉しいです。

ご寄付の一部を、ミャンマーと国境を接するタイのメーソートという町の小さな移民学校への支援に充当させていただきました。具体的には、先生のお給料(生活費補助)子どもたちが学校で飲む飲料水学校の光熱費wifi使用料、そして学期末に行う終業式のための資金です。

メーソートの位置するタイのターク県は、ミャンマーとタイの間の主要な越境地点です。2023年12月の最新統計によれば、ターク県には64校の移民学校(正式にはMigrant Learning Center, MLC)があります。移民学校(MLC)はタイ教育省から非公式教育を提供することを認められた教育機関であり、2021年のミャンマーのクーデターのずっと前から、経済的、紛争被害など政治的な理由で越境したミャンマーの子どもたちに教育の機会を与えてきました。

ややこしいのですが、64校の移民学校(MLC)としては認定されていないけれど、ミャンマーの子どもたちに教育を提供している学校がターク県には複数あります。そのうちの1校が、今回支援させていただいた学校です。

支援先のある日の授業風景。
簡易的な屋根と、フェンスで囲われた教室と、小さな校庭があります

2023年に始まったばかりの新しい学校で、現在26人の生徒がいます。幼稚園過程の生徒が15名、初等教育過程の生徒が9名、中等教育過程の生徒が2名です。最年長でも14歳と、まだ幼い子どもたちが中心の元気あふれる学校です。

この学校のミャンマー人の先生方は、クーデター後にタイに避難してきました。先生方はミャンマーにいる家族や友人からの支援を受けてなんとか生活している中で、ボランティアで子どもたちに授業を教えています。さらに、学校運営にかかる費用の多くを自らの出費で賄ってきました。今回ご寄付を充当した資金は、もともとは全て先生方が自腹をきらざるを得ないと考えていたものです。

この学校の生徒のほとんどはメーソートで生まれていますが、クーデター後に避難してきた子どももいます。ある子は、チンロン(ミャンマーの伝統的な球技)が大好きで、学校でも毎日昼休みに友達とチンロンで遊んでいます。彼は将来はサッカー選手になるのが夢だそうです。また、ある子は、ギターを弾くのが趣味で将来はギターで有名になりたいそうです。英語が好きな子もいれば、数学が苦手な子もいます。背景は様々ですが、みんなごく普通の子どもたちです。

英語の授業
数学の授業

学校の生徒の中には、家族が安定した仕事に就けずに、仕事を求めて引っ越してこの学校に通えなくなった子どももいます。また、日中は働いている両親に代わって幼い兄妹の面倒を見なければならず、学校に行きたくても行けない子どもたちもいます。

校長先生はタイに避難した後、はじめは自宅で5人の生徒を教えていました。その後、他にも学校にいけない子どもたちがいると連絡を受けて今の学校を始めました。初期費用は自分の金目の物を売ってなんとか資金を貯めてまかなったそうです。「学校の運営にも先生たちの生活にも困難がありますが、今回のご支援で学校にとって必要な費用を援助してくれて状況がよくなりました。」と話してくれました。

この学校は他のNGOや支援組織からは安定した援助を受けられていなかったため、LtoCが応援させていただくことにしました。タイ国境のミャンマーの子どもたちの教育現場におけるニーズはどこも深刻ですが、支援の充実度には差があります。特にこの学校のように、前述した64校の移民学校(MLC)のリスト外にある学校はドナーの目にとまりにくいです。

また、公的資金や大きな助成金を扱う大手の国際NGOにとっては、新しく始まったばかりで規模も小さく不安定な学校は支援しづらいという現実があります。

例えば、土地を貸してくれているオーナーとの関係性が安定していることを十分に証明できずに、土地トラブルを懸念される。学校運営のための固定費(土地代や光熱費など)の捻出に不安があるため、プロジェクトを形成・開始するまでの間に学校自体がなくなってしまうことを懸念される。などが理由になります。 

規模の大きい・小さい支援組織には、それぞれに役割や得意分野があって、どちらも必要です。 LtoCは今はまだ始まったばかりの小さな団体ですが、それを強みと捉えて活動していきたいと考えています。ささやかではありますが、この学校と出会えて、応援させていただけていることを嬉しく思います。 

ここは、カウンゾーがボランティアで子どもたちに英語を教えている学校でもあります。普段の学校や子どもたちの様子は彼の記事から雰囲気が伝わってきます。ぜひ、読んでみてください。

皆さまのご寄付・ご支援に、心より感謝いたします。子どもたちや先生方が少しでも安心して教育を受けたり、提供できるようになることを願うばかりです。

まだまだ寄付実施のご報告は続きますので、次回も楽しみにお待ちください!

*LtoCでは、現地の人々の個人情報や安心安全を守るためにオンライン上での学校名や顔写真の掲載を控えています。

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LtoCは皆さまからお預かりした寄付金で活動を行なっております。ご寄付は、子どもたちの教育支援に大切に使わせていただきます。温かなご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

こちらから、クレジットカードよりご寄付いただけます

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