新卒で入社した会社の話16
急に会社を辞めることを告げられた母は、びっくりというよりは、興奮しきった私を宥めるように話を聞いてくれた。
ここの会社に入って自分が腐っていっていること
これ以上居続けると、もう人として終わりそう
これ以上居続けると、身体も心も持たない
勢いだけでこんなことを言っているのではないということを、3年分の思いを全て話した。
次の日、手の震えとかもあるし、病院に行こうとなった。
街中にある、心療内科。
自分が人生の中で初めて、精神的なことを扱う病院に行った。
行くことなんてないと思っていたが、人生どうなるかわからない。
と言っても、診察内容は、誰でもできそうなもので、今の状況を話し、ストレス源は何か?など、いろいろ聞かれて、とりあえず薬を渡される。
1週間後にまた来てください。
というもの。
母には本当に感謝している。
こんなに拗らせた娘に、休日病院連れていってもらったり、気分転換にご飯行ったり。
本筋と話は逸れるが、そういうこともあって、今も仕事を頑張る理由は母のためだ。
考えたくもないが、母が亡くなってしまったら、仕事辞める気がしている。
次の出社日、所長を呼び出して、辞めたい旨を伝えた。
「いきなりどうした?」
「もう身体が持たないです」
先週病院に行って薬をもらったことを軸に、これからも通い続けることになるだろうと説明。
ストレスの源は間違いなく仕事なので、ここから距離を置きたい。
すると当たり前だがこうくる。
「ファーファさんには、やめてほしくない。仕事の何がストレスになっているのか?そこを減らすように、うちの営業所としても協力する」
はぁ?今まで散々お前も私を苦しめてきたくせに、こういう時だけいいツラするんだな。
知ってるよ、私にやめてほしくない理由は、お前のメンツが汚されるからだろ。
ここの営業所だけやけに辞めるっていうレッテルをすでに貼られているのは知ってるぜ。
とりあえず自分が辛いと感じていることを伝えた。
営業のあたりが強すぎる。
あんな少ない人数で処理しきれない。
椎村のことも
椎村のことを伝えた途端、
「やっぱりあいつか」
と、言い出した。
「みんなやめていく人に理由を聞いても、はっきりと言ってくれない。どうしてここの営業所だけこんなにやめていくのか、自分でもわからなかった。こんなに不満があるなんて、教えてくれてありがとう」
所長失格やな。
何しに毎日、社の中央でぼーっと座ってんだよ。
「とりあえずファーファさんの気持ちはわかった。よくするように営業所として動いていく」
その場はこれで終わった。
私は、辞めるということを伝えたつもりだったが、所長は引き留めたつもりでいたようだ。
1ヶ月経っても何も退職日の話がないので、聞きに行った。
「退職日のことですが、」
「そうなるか。。。」
何がそうなるかだ?うまいこと退職をはぐらかしたかとでも思ってんのか?
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