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魔法にかけられて、夢から覚めて。

恋人と別れた。
当てどころがないこの感情を文にします。

彼と初めてご飯に行った時、初めてとは思えないくらい楽しくて楽しくて仕方なかった。
2件目に行った立ち飲み屋、マカロニえんぴつのヤングアダルトに出てくる「晩杯屋」。

「これってマカえんのでしょ?行きたかったんだよね〜」

憂いの晩杯や、写真機の記憶〜
そう2人で歌いながら入って小エビの唐揚げをつっついた。

その日、彼は私の事をかなり好き、でも今日初めて会ったのに付き合って、は無責任だと思うからまだ言えない。そう言われた。
わたしはそのまま彼の家に帰った。
幸せだなあと思った。暖かくてずっとこのまま抱きしめられていたいと思った。

何度かデートを重ねるのち、今の関係で留めておくのがモヤモヤして、いまの関係をずっとは続けられない。そう伝えた。
元カノを忘れさせてくれる人が好き。
そう言ったあなたは嫌いだった。

彼は思い悩んでタバコを吸いに出て行った。
夜中に目が覚めると、リビングのソファーで寝ていた。1人になって切なくて泣いた。
翌朝、行ってくるねと寝ている彼の頭を撫でて私は静かに家を出た。

数日後、電話でちゃんと付き合いたい。
そう言ってくれた。嬉しかった。

付き合って初めてのデート
うまく行かない事だらけだった。
場所が決まったのは当日の朝、お店は混んでて1時間待ち、入ったのちラストオーダーと告げられ急いで注文することに。
ついてないな〜そう思っていたら嫌な予感は的中した。
そのあと行くはずだった渋谷スカイもチケットが売り切れ、入ろうとしたバーは休み。
行きたいところを問われても、土曜の渋谷の夜は平日休みのわたしにとって知らない世界。
結局別の店に入ったのち、ラーメンを食べて帰ることにしたが、そこも少し並んだ。
そのあと彼から、運ないんじゃない?おれここで並んだことないよ(笑)そう言われた。
家に着くと彼はお風呂に入る気力すら無いくらい疲れていた。私がお風呂から出た時にはもう寝ていた。

幸先不安だった。
でも始まったばかり、いま折れたらどうしようもない。挽回するしかない。
そう思って次の約束を提案するも、なかなか予定が合わず日が経ち。
結局3週間ぶりに会って飲みに行った。
ちゃんとお店を予約して。飲みに行った。

今までバイバイが惜しかったのに、この日はすんなり帰った。次の約束もせず、お互い仕事で忙しいから今日は帰ろうと。彼を見送って電車に乗った。

その1週間後に会う予定だった。好きなバンドのライブに一緒に行く予定だった。何着てこう、可愛くいたいからまつパ行こう、考えただけで楽しみで仕方なかった。

そんな中、別の女の子の影が現れた。
問いただすと「友達、友達ってそれ以外あんの?」と怒り口調で言われた。
LINEがあまりにも遅かったりすると疑いたくないけど心配だよと伝えると今俺忙しいから余裕ない。と。
色々やりとりしたのち、別れて楽しく頑張ってよ。そう言われた。

むかついた。悔しかった。悲しかった。
好きだった。認めたくないけど好きだった。
でも今の彼は好きじゃなかった。

気づいたら彼氏の話をするのが怖くなっていた。
うまく行かなかった時を想像していた。
毎回「行ってくるね」と家を出て行ったあと、彼はどんな気持ちで家にいたのだろう。
会いたい、寂しい。言ってこなくなってたな。

「別れるのが怖いから付き合えない」
そう言ってた彼と一番なりたくなかった関係にに、一番したくなかった形でなってしまった。

価値観の違いは最初からわかってた。
でも好きで一緒にいたかった、目を瞑っていた。
でも無理だった。悔しかった。

彼に作った手料理、麻婆豆腐。誕生日に作ったチーズケーキ、初めてと案内した三軒茶屋、俺より飲むハイボール好きの女の子、乗り慣れてない小田急線、ピンクの髪の女の子、私が好きだったバイスサワー。
日常の中で触れるたびに私を思い出したらいい。後悔したらいい。

家の洗顔、メイク落とし付きだったね。
そんなあなたは嫌いだったよ。
ふるさと納税で貰ったと言ってお裾分けしてくれたティッシュと、借りっぱなしの傘
有り難く使わせてもらうことにします。

持つべきものは周りにいてくれる家族と友人です。きっと届くことはないかもだけど、たくさんありがとう。大事にしてくれる人を大事にしたいです。

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