らてん

本を読むことが好きです。IT企業勤務。 ご相談・ご質問あればtwitterのDMまで。

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最近の記事

「それ私の仕事じゃないので」と言わせた者の負け

仕事をしているとよく耳にする愚痴が「あいつ、私の仕事じゃないので、とかいって俺からの頼み事を断りやがった」です。 たとえば、あなたは人事部の社員です。中途入社研修を任されています。よりリアルな研修にしたいと思ったあなたは、現場部門のひとりに講義を依頼します。 この時に返ってくるリアクションは主に3つです。「いいですよ!」 or 「余裕がないので難しいですけど、インタビューくらいだったら…!」 or 「それ私の仕事じゃないので」。 会社の利益を考えたら、一番最後は問題発言

    • 『聲の形』の合間に放映されたポカリCMはなぜ炎上した?

      金曜ロードショーで放送されていた『聲の形』を見た。耳が聞こえずいじめられていた過去を持つ"西宮"といじめていた張本人の"石田"が主人公。高校生になった2人が出会うことで、本人や周囲の止まっていた時間が動き出す、という物語。 同作品、なかなかに話が暗い。青春に暗さレベルがあるとしたら間違いなく上位層に入る。なんと言ったって陰湿な嫌がらせをされた人間とした人間が出会う訳だから。後ろ暗い過去を持たない少年少女の出会いではないから。お互いに恋心を抱いたとて、すんなり成就する訳もなく

      • 『2020年6月30日にまたここで会おう』は就活生に効くクスリ

        読書が捗る生活を送る中で、生まれて初めて瀧本哲史の思想に触れました。切れ味鋭いその思想は目を覚まさせてくれるようなものでした。というか寝ている人を起こした上で叩き切る。オーバーキルしてきます。 題記『2020年6月30日にまたここで会おう』は2012年6月30日に実施された瀧本氏による東大講義を書籍化したものです。別の方のnoteで「肉声が伝わるようだ」と評されていましたがまさにその通り。臨場感溢れる筆致で瀧本思想が流れこんでくるわけですから、受取手によっては劇薬になりうる

        • Kubernetes認定資格のご紹介

          はじめにKubernetesに興味を持ち勉強しよう。勉強するからには目標を決めよう。では資格でも…と考えたあなたにおおくりするKubernetesの資格noteです。これを書いている当の私はまだ取得しておりませんが、勉強中に得た知識をアウトプットしておこうと思います。 ※2020年5月23日現在の情報です。 Kubernetesに資格ってあるの?あります。Certified Kubernetes Administrator(CKA)とCertified Kubernetes

        「それ私の仕事じゃないので」と言わせた者の負け

          昨今の”スペシャリスト志向”は不幸な人を増やすかもしれない

          こんにちは。らてんです。 最近読んだ本について話をしようかと思います。5分だけ時間をください。 『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』という本を読みました。著者は幡野広志(はたのひろし)さんです。写真家や狩猟家としての顔を持っている彼でしたが2017年、34歳の若さでガン宣告を受けます。そこから彼は文章を発信するようになり今なおcakesというWebメディアで相談を受けては回答し受けては回答し、を繰り返しています。 趣味をひとつにしてしまうと、それがアイデンティティに

          昨今の”スペシャリスト志向”は不幸な人を増やすかもしれない

          僕が文章を書く理由とか自己紹介とかとか

          はじめまして。らてんと申します。 時間に余裕ができたことをきっかけに数日前からnoteを投稿しはじめました。書いている文章で思想とか人となりとかご判断いただければと思っていましたしその方が文章家っぽいよなと考えていたのですが、よくよく考えてみて自分が何者かとも名乗らずにただただ思想をぶちまけるって配慮の一つもできない自己中野郎と罵られても文句は言えないと思い、結果自己紹介文を書いています。あとnote社が提供している自己紹介できたね!メダルが欲しかったから。 僕が文章を書く

          僕が文章を書く理由とか自己紹介とかとか

          伊坂幸太郎:厳しさ9割優しさ1割でできている体育教師(生活指導)

          数日前に「作家の米澤穂信が好きである」というnoteを書きました。米澤の他にも何人か好みの作家がいます。今回のnoteでテーマにしたいのは伊坂幸太郎についてです。 伊坂との出会いは『死神の精度』でした。読書好きとなった原体験は間違いなくここにあります。登場人物同士の洒脱なやりとりと巧みな伏線回収にまんまと魅せられてその後ずっとファンにさせられた男が私です(『逆ソクラテス』もすぐ買ってしまった)。 伊坂自身の風態や彼の書く文章の感じを脇に置き、作品群における物語の起承転結だ

          伊坂幸太郎:厳しさ9割優しさ1割でできている体育教師(生活指導)

          米澤穂信:顔を平手打ちするよ!と言ってぶん殴ってくる作家

           私は米澤穂信のファンです。きっかけは『リカーリング』でした。秋もふける新宿御苑でさて読書でも、と開いた本が止まらない止まらない。お昼過ぎから閉園時間までずーっと同じベンチに座って読み通しました。自販機で買ったホットココアの数はたぶん5本くらい。物語の結末と暗くなった新宿御苑は見事にマッチしており背筋が寒くなったのはいい思い出です。  そこから堰を切ったように米澤作品を読み漁りました。氷菓シリーズや小市民シリーズ、ベルーフシリーズなどなど。彼の作品の読み進めていくうちに分か

          米澤穂信:顔を平手打ちするよ!と言ってぶん殴ってくる作家