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最終弁論 歴史的裁判の勝訴を決めた説得術

こんにちは。ミュージカル英語歌詞解説ブログを運営している LOVE performing arts のあきかんです。

本日ご紹介するのは、「最終弁論 歴史的裁判の勝訴を決めた説得術」 です。

「あきかんさん、ミュージカル『スリル・ミー』絶対好きですよ?」とミュージカレッジ・メンバーに言われ早6ヶ月。私は今『スリル・ミー』沼に生息しています。

1924年アメリカで起きた「レオポルドとローブ事件」を基にしたこのミュージカルは、ニーチェの超人思想に心酔した2人の青年「彼」と「私」が、自分達の優位性を証明するかのように、完全犯罪(殺人)を犯すというもの。その完璧さに酔いしれながら、私の彼に対する究極的な愛が描かれています。

今年5月に『スリル・ミー』がオンライン配信されると知ってから、この事件とその判決に興味を持ってしまった私に、メンバーが教えてくれたのがこの1冊です。

「レオポルドとローブ事件」で最も強く印象的なのは、事件の残虐さ以上に、その判決にあります。「用意周到で知的な犯罪」と言われていたこの事件を「感情が欠落し、思想に取りつかれた精神異常による事件」とし、死刑は不当と主張。結果、2人は「終身刑+99年」という判決を下されます。

『スリル・ミー』ではこの「終身刑+99年」を「究極的な愛」と描くことに重きが置かれていますが、この1冊では2人の人生を決めた最終弁論が70ページに渡り書き起こされています。

被告人が殺人を認め、証拠も全て揃った中、「死刑」を「終身刑+99年」に逆転させた歴史的な事件。ミュージカルを観ていなくてもこの事件を知ることで、被告人が守られることの重要性と、死刑制度についても考えさせられる1冊です。

◆ 書籍情報 ◆

タイトル:最終弁論 歴史的裁判の勝訴を決めた説得術
編著:マイケル・S・リーフ、H・ミッチェル・コールドウェル、ベン・バイセル
翻訳:藤沢邦子
発行:2002年4月5日 初版発行
発行所:朝日新聞社

私のインスタグラムでは、ブログを書く上で読んだ本を紹介しています。

ミュージカル作品をより深く理解したい方、舞台芸術を勉強している方は参考にして下さいね。

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作品の元となった実話、歴史、差別など、あらゆる角度からミュージカルを考えていきましょう。


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