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恋を失ったら、ラジオが遠くなった

ラジオが大好きでした
朝起きて
朝ごはんの準備やコーヒーを淹れる時も
着替えている時も
夜ゆっくりお風呂につかるときも
ポータブルスピーカーを持ち込んで聞くほど
ずっとラジオが一緒でした

夜寝るときは、怖い怪談話が聞きたくて・・・
すると
別れた彼が一緒に寝ながら
「どうせすぐ寝るんだから
3分も聞いてないじゃない!」
と真剣に嫌がって言ってきましたが
こっそり小さな音で聞いていました

思い返せば小学生のころも
寝ながらラジオをイヤホンで聞いていました
中学、高校では
試験勉強しながら
ラジオは必ずつけていました
受験勉強の時も、、、いつもいつも
ずっとラジオがそばにありました

きょう起こった出来事
天気について
腹の立ったこと
昔話
笑ったこと
お出かけ情報
などなど
全てラジオから情報を得ていました

別れた後、マンションから
ポータブルスピーカーを持って実家へ帰ってきました
これまで通りラジオをつけているのですが

聞こえているのに
情報としてラジオの内容が入ってこないのです
どれだけ聞いても
全てラジオで話してることが
耳も体も自分自身も過ぎていき
なにも、残っていないのです
1時間のラジオ番組を聞いても
なんの話をしていたのか
何一つ思い出せません

こんなことが自分に起きるとは思ってもいませんでした
それでもラジオをつけているのですが
ただの音声にしか聞こえないのです

どうしてこんなことになってしまったのでしょう

自分でもわかりません

ラジオの内容が
またいつか聞き取れるようになるのでしょうか
今は、ただつけているだけ・・・・
諦めて、ラジオを消すことにしました

食事、睡眠、感情、笑顔、元気、勇気
たくさんの物を失いましたが
またひとつ、なにかを失った気がしています

でも、代わりに別のものが
そこに入ってくるはずです

ラジオを聞いて楽しめるようになったら
きっと、そのあとに
心から笑える日が・・・・・
来てほしいです

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