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歌詞が書けなくなるほどの衝撃を受けた話

音楽活動をしていて、衝撃を受ける経験というのは、一度や二度はあると思うんです。
私は、作詞と作曲の両方をするんですが、今回は、歌詞の話。
作詞・作曲を始めた頃、作曲の方がハードルが高くて、歌詞はどっちかというと、簡単にできるイメージでした。
実際、何曲か書いたとき、メンバーや、周囲の方にも”良い”と言われる(当時)し、他のアーティストの歌詞を聞いても特に響くことがなくて、作詞家として、山を登り切った感覚でいました。今思うと、すごく自惚れというか、自信過剰だっと思うんですが。

それでも、こんなんでいいんかな?というモヤモヤした気持ちもありましたし、そもそもの音楽への探究心というか、そういうものはあったので、気になった音楽は聴いてみたりしていました。演歌だったり、シャンソンだったり、ときには、「インドカレー屋のBGM」だったり、人がいいと言っている曲など、普段聞かないようなジャンルの音楽も聴いてみてました。それでも、「(自分の作品作りの感性にとって)なんか違うなぁ」と思う日々が続きました。

そんなとき、転職した職場の有線で流れていたのが、中島みゆきさんの「空と君とのあいだに」でした。
日本で暮らしていたら、一度は耳にしたことのある曲だと思うんですが、その時は、「そういえば、こういうジャンルの曲って、ちゃんと聴いたことないなぁ」と思いました。中島みゆきさんといえば、街で耳にするような代表曲は、知ってはいましたが、逆にそれ以外のアルバム曲とか、知らないと思いました。まだ、CDレンタル屋が駅近くにあった頃、とりあえず、中島みゆきをよく知らない私は、「元気ですか」というベストアルバムを借りました。
仕事から帰って、疲れた体でゴロンとなりながら、CDをかけて、ぼぉっと聴いてました。

そんなとき、ふと、あれ?っと思った曲があり、思わず、むくっと起き上がり、その曲の頭から再生し直しました。「えっ何これ?」そして、また頭から再生。「あれ?何これ。めっちゃいいぞ!」。それが衝撃の始まりでした。

「て、天才や!!」(←どの立場で言ってんねん(笑))
「なんやコレ!?」と、体中から、興奮が溢れ出てきているのがわかりました。

その曲は「化粧」という曲でした。
アコギ中心のフォーク調の雰囲気ももちろん良かったのですが、特に歌詞に、衝撃を受けました。
そして、「元気ですか?」という曲にも衝撃を受けました。
一曲まるまる朗読のみという衝撃。。。。
歌詞というか、詩の世界に対するものすごい情熱というか、そういうものを感じました。
私の作詞家としてのプライドというか、そういうものは、全て消えていました。

それから、私は、CDレンタル屋に足繁く通い、中島みゆきさんの過去のアルバムを片っ端から聴きまくりました。まるで、古跡調査の人が、新しい未知の古跡を見つけたみたいな。宝の山を見つけた気分でした。

片っ端から聴いた後、ある程度、発掘に満足した(笑)私は、「何が違うんやろ?」というのが気になりました。
「何が違うんやろ?」。できれば、自分の歌詞のスキルに応用したいと思ったんですが、自分の中で、なかなかコレといった明確な答えが見つけられず、新たな冒険が始まりました。
それについては、また別の機会でお話ししたいなぁと思います。

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