梅香る南関東をゆく:湯島天満宮

画像1 今回は梅の花を観に、南関東の梅の名所とされるところを巡ってゆきます。しばし、私と梅見散歩を楽しみましょう!\(^o^)/
画像2 時間は戻って、台東区上野の五條天神から出た直後。歩いてすぐのところにある、文京区は湯島天神にやってきました!向こうに見えるのが急階段、男坂さ!
画像3 時刻で言えば、午後1時過ぎ。おなかすいた……(゚A゚;)ゴクリ
画像4 上った先になんか屋台みたいなのが見える!(*´∀`)ここは我慢だ酎愛零!
画像5 湯島天神こと湯島天満宮は458年創建。もとは天之手力男命・天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと。天照大神が隠れた大岩の扉をこじあけたマッチョ神)を祀った神社で、菅原道真公を合祀したのは1355年のこと。
画像6 男坂は急なので、女坂を上っていきましょうねえ(*´∀`)
画像7 石に刻まれた文字がふるぶるしさを感じさせます(ㆁωㆁ*)
画像8 ここでショッキングな事実が判明!屋台!やってない!食べ物系ほとんどしまってるぅううううーーー!!!!!クキィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)
画像9 しょうがない、じゃがバターを食べるつもりでいた胃袋に甘酒を流し込むわけにはいかないからな、と孤独のグルメみたいなことを考えながら梅の花を観賞することに(;´∀`)
画像10 さて、ここは通称が「湯島天神」、正式名称が「湯島天満宮」なんですけど、今まで巡ってきた天神さまはすべて「天神社」でしたよね。なにか違いがあるのでしょうか?
画像11 結論からいえば、違いはありません。
画像12 なぜなら、天神さまこと菅原道真公の神格の正式名称が「天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)」なので、最初を切り取ったか、最後を切り取ったかの違いしかないのです。格式の上下などもありません。
画像13 ただし、「天神社」と呼称しているところはちょっと注意が必要。日本神話では、天の神さまのグループ「天津神」と、地の神さまのグループ「国津神」があり、場合によってはこの「天津神」を指していることがあるからです。まあ、めったにないことだとは思いますけど
画像14 一般的には、天神さまといえば、頭脳明晰な菅原道真公にあやかった「学業成就」の神さまとして有名ですね(・∀・)
画像15 さすがに近寄って写すことはしませんけど、この絵馬の厚みをご覧ください!伝わりますかねこの重量感……これ倒れてきたら余裕で圧死するな、という量です。さすが湯島天神(;´Д`)
画像16 はて、これは……?都々逸之碑(どどいつのひ)?
画像17 『都々逸は、日本語の優雅さ、言葉の綾(あや)、言い回しの妙などを巧みに用いて、人生の機微を二十六文字で綴る大衆の詩である。 ─中略─ 短歌・俳句と並ぶ三大詩型の伝統を守り更なる向上と発展を願い各吟社協賛の下、詩歌の神の在(いま)すこの地に碑を建立する。』 ──碑文より
画像18 都々逸とは、江戸時代に大成された、七・七・七・五の音律数で構成された詩歌の形式のひとつです。「立てば芍薬(しゃくやく)、坐れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」、「散切り(ざんぎり)頭を 叩いてみれば 文明開化の 音がする」などは、みなさんどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。あれが都々逸です。
画像19 たぶん、都々逸って、知らない人が音だけ聞くと「?Germany?」ってなりますよね。「ドドイツ」ってカタカナで書いても同じことのような気がします。この謎の名称の由来は、源流となった名古屋は熱田神宮の門前で行われていた潮来(いたこ)節、あるいは神戸(ごうど)節の掛け声「そいつはどいつだ?ドドイツドイドイ!浮世はサクサク!」というこれまた奇妙にテンション上げめの囃し言葉に由来しているとか(*´∀`)
画像20 もともとは寄席や座敷で唄われる出し物であった都々逸は、今日では文芸形式のひとつとしての地位を確立しています。……のはずですけれども、私個人の感覚で言えば、俳句や短歌に大きく水をあけられてしまっているのでは……というのが正直なところですね(^_^;)
画像21 さっきの記念碑も、平成20年12月建立とありました。そんなに昔のことではありません。もっと知ってほしい、もっと世に広めたい、そういう気持ちが込められた碑文だったのでしょうね。さて、どうしたら知ってもらえて、どうやったら広まるのか……
画像22 実は私、先ほどご紹介した「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」をもじったものを、つい最近、見る機会がありました。「黙れば美人、喋れば奇人、走る姿は不沈艦」というものです。
画像23 これは「ウマ娘 プリティーダービー」という、競馬をモチーフとした育成・レースゲームのキャラクター、「ゴールドシップ」をなぞらえて言ったものです。このキャラは背が高く容姿端麗で、黙って動かなければ大変な美人さんなのですけれど、口を開いて動き始めると言動は奇矯そのもの、でありながらひとたびレースに出れば、中盤からロングスパートをかけて最後方からごぼう抜きを見せてトップに躍り出る「黄金の不沈艦」の異名を持つ破天荒なキャラです。都々逸はそんなゴールドシップの魅力を余すところなく、しかも簡潔に言い表しています。
画像24 そう、これでいいのです。文学の一形式とか、約束事とか、そんなものから入らずに、身近なもの、好きなものを題材にして入れば、なんの苦労もストレスもないのではないかと、私は思うのです。好きなジャンルと結びつけて、そこから興味を持ってもらい、すそ野を広げてゆけば、自然と理解も深まる。私はそう確信しています。
画像25 『恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす』 ──作者不詳
画像26 元来、都々逸とその源流となった俗謡は、男女の恋愛を題材として扱ったものが多いと聞きます。好きなものに対する胸の内を、流れるようなリズムに乗せて表現することこそが、都々逸の真骨頂なのかもしれませんね。
画像27 『世の中は 恋繁しゑや かくしあらば 梅の花にも ならましものを』(よのなかは こいしげしえや かくしあらば うめのはなにも ならましものを) ──大伴三依(おおともの みより)、豊後守大伴大夫(ぶんごのかみ おおともの だいぶ)
画像28 『世の中は、恋が尽きないものだ。こんなことならば、梅の花にでもなれればいいのに』
画像29 大伴三依は、悲恋で知られています。この歌は、恋(の悩み)が尽きない、こんな(に苦しい)ことならば、いっそ梅の花にでも……と深掘りしてもいいかもしれませんね。
画像30 今回は、はからずも都々逸と和歌の恋歌の競演になりましたね!人の縁は異なもの、奇なるもの。今日、会話を楽しんだ相手が、明日も元気に、息災で過ごせますように。それでは、またどこかの梅花の下でお目にかかりましょう!ごきげんよう~

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