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詩と朗読

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自作の詩をまとめています。 #詩 #現代詩 #自作詩 #朗読
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2023年1月の記事一覧

交感

交感

さわさわと流れ落ちる陽の中
少年がひとりまたひとりと
青ざめていった

さざ波も立てず
ゆっくりと息をひきとる細胞の
かすかな重みが流れ出す

少女の初潮が陽を浴びて
柔らかく膨らみ
頬がひとつまたひとつと
赤く染められていった

はしばみ色の目がふせられ
うなじの白さが
さらされていく

遮断された光が
屈折することで
たどり着くように
たどたどしく
少女は少年を採集した

細胞を手折る正直な指

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ふうりん

ふうりん

ダンスに浮かれて
青い悲しみを散らそう

輝く風に身をまかせて
凍える心を暖めよう

君が言った「限りなく闇に近い箱」を
見つけた時には
君の汗の匂いと
閉め切ったカーテンだけが残っていた

君が一人で去ってしまったので
僕は窓を開けたよ

君のにおいも 君の寂しさも
吹き飛んでしまうくらい
あっけらかんとした風が
吹き込んできた

窓辺に置かれた糸の切れた風鈴が
君の器用な指先で吊るされる日を待

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ミルクセーキ

ミルクセーキ

ミルクセーキを飲みませんか
かすれた声で
そう言うので
卵を割り
砂糖を入れ
牛乳を注いだ

赤いサクランボはなかったが
お盆にのせて持っていくと
もう事切れていた

ミルクセーキは飲まないの?
ーもう飲めないんだよ

サクランボがなかったから?
ーあぁ あの赤いサクランボ
君は好きだったね
僕は見てる方が良かった

夜が引き裂かれながら
明けていく

私はあたたかいタオルで
顔を拭き

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夕餉

夕餉

あいみての
あたしみての
あしもとのいしの
だれでもなさと
あんただけの
顔つき

迷い石のコロコロ
砂味のコンペイトウ
いっそ ほろ苦く響けばいい
冬のコオロギみたいに

あの子が欲しい
この子はいらない

声の反響が
ちっぽけになった

食卓で
生き物を
飲み込む

つぐんだ口に
棒でグイグイ
入れていく

口は徐々に開いていく
歯に 舌に 喉に
生き物が通り過ぎる

あたしだけ だもの
あた

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